「公益通報」を悪用する輩もいる訳で・・・

 

運用している政治・行政・司法にも感情論が渦巻き

忖度が働く可能性もあるので

バランス取りは難しいよね

 

「すべての報復から守って」 公益通報の当事者、法改正求め署名活動

1/19(月) 6:00配信

 12月に施行される改正公益通報者保護法に対し、通報経験者たちがさらなる改正を求めて署名活動をしている。当事者たちは、なぜ改正を望むのか。

 

 ◇立証責任を企業に負わせて

 勤務先の製薬会社の不当な宣伝行為を公益通報した後、配置転換された女性社員の小林まるさん(仮名)は2025年2月、公益通報者保護法の改正を求める約2万5000筆の署名を伊東良孝・消費者担当相(当時)と新井ゆたか消費者庁長官(当時)宛てに提出した。

 小林さんが求める法改正は、通報者が救済を求めて裁判を起こした場合の立証責任を事業者に負わせることだ。

 現行法では、通報者が受けた不利益処分が公益通報を理由に行われたことを、通報者自らが証明できなければ救済を受けられない。これが通報者の負担となっている。

 小林さん自身も、配置転換は無効だとして裁判を起こしたが、立証の負担が重くのしかかり、訴えは認められなかった。署名活動は、最高裁に上告を退けられて敗訴が確定した直後の23年2月、インターネット上の署名サイトで始めたという。

 小林さんのことは、法改正の議論が大詰めを迎えていた25年春の国会でも取り上げられた。今回の法改正により、通報から1年以内の解雇・懲戒処分は立証責任が転換された。事業者は、解雇・懲戒処分が公益通報とは別の理由によるものだと証明できない限り、敗訴する仕組みとなった。

 しかし、配置転換については小林さんの望みが通らず、法改正後も通報者が立証責任を負う方式は変わらない。

 小林さんはいまも交流サイト(SNS)の発信などを通じ、さらなる法改正を求めている。

 「通報者を保護するのであれば、すべての報復から通報者を保護するように法改正が必要だと思います」

 ◇「スラップ訴訟」を防いで

 かつて勤務していた医療機器販売会社の不正を警察に通報した後、約4800万円の損害賠償請求訴訟を会社に起こされた加藤豊さん(仮名、50代)は25年10月から、法改正を求めて署名活動をしている。

 求めているのは、会社が通報者に嫌がらせ目的で起こす「スラップ訴訟」を防ぐ制度の導入などだ。

 加藤さんが通報した不正は贈収賄事件に発展し、司法が通報の正しさを認めている。ところが会社は、加藤さんが内部資料を持ち出していたことなどを理由に24年7月に賠償提訴した。

 加藤さんは「違法行為を告発したことに対する報復目的の嫌がらせだ」と会社の対応を批判する。1審で加藤さんは勝訴したが、会社側が控訴したため、裁判はまだ続いている。

 加藤さんは「裁判を起こされると、弁護士費用など経済的な負担もかかる。改正法の内容では、通報者の保護が十分に機能していない。これから公益通報をしようとする人たちが、報復を恐れずに声を上げられる社会であってほしい」と願い、スラップ訴訟を裁判所が早期に棄却する仕組みの導入を求めている。

 公益通報者保護法は06年に施行され、20年に1回目の改正がなされた。25年6月に行われた今回の改正は2回目で、26年12月に施行される。施行日から3年後をめどに改めて内容を見直すことになっている。【金森崇之、遠藤浩二】

 

最終更新:1/19(月) 10:03
毎日新聞