大学受験で

65点合格で

90点取ったら65点ではないので不合格

と言っているようなものなのだろう

「65点以上合格」ではないと・・・

 

国交省って何なんだろうねぇ

 

「パワーが出すぎた」ホンダの試験が法令違反になる理由

6/22(土) 9:30配信

 

 「クルマは重い方がエンジンに負荷がかかり騒音が大きくなる。加速時は逆に軽い方が加速がよくなり大きな音が出る。いずれも基準の重さより厳しいワーストケースで騒音の試験をしていた」

 ホンダの三部敏宏社長は2024年6月3日、自動車の型式指定をめぐる認証試験で不正があったと発表し、記者会見でこんな説明をした。騒音試験では「より厳しい条件で試験を行えば、性能上の適法性に問題がないと考えてしまった。悪質性はまったくなかった」という。一体どういうことなのか。【毎日新聞経済プレミア・川口雅浩】

 ホンダは過去に生産・販売したフィット、オデッセイなどの騒音試験やエンジンの出力試験でデータの虚偽記載などの不正があった。試験は09年から17年にかけて行った旧モデルで、現行モデルは含まれていない。

 ◇「厳しい条件」で騒音試験

 三部社長が説明した「ワーストケース」の騒音試験とは、こうだ。騒音試験は時速50キロの定常走行と、同50キロからアクセル全開で加速する加速走行の試験がある。

 車両重量が1500キロのクルマの場合、当時の法規では車両重量がプラスマイナス2%以内、つまり最も軽い1470キロで加速走行試験、最も重い1530キロで定常走行試験を行う規定になっていた。

 ところが、ホンダは定常走行ではクルマをさらに重くして1545キロ、加速走行ではさらに軽くして1455キロで試験を行った。この「厳しい条件」で行った試験のデータを、現場の担当者は規定内の車両重量で測定したものとして、国土交通省に提出していた。

 この現場社員の対応について、三部社長は「悪意のある改ざんではない。お客様にお届けする商品の性能を保証するか、さらに諸元値(カタログデータ)より上であれば問題ないという考えが当時はあった。順法性に対する考えが甘かった」と弁明した。

 なぜ、わざわざ規定より車両重量を重くしたり、軽くしたりして試験を行ったのか。ホンダによると、新車開発では騒音試験を行った後、設計変更で車両重量が変化する場合がある。担当者は再試験をしなくてすむよう、あらかじめ「法規より厳しい条件」を設定して試験を行い、データとして書き込んだのだという。

 これはホンダが認める通り「虚偽記載」に当たるが、試験としては、この方が実際の騒音が大きくなるはずだ。騒音データが規定の範囲内に収まるなら、実質的なクルマの性能に問題はないように思われる。

 法規よりも厳しい条件で試験を行うのは、自動車メーカーではよくあるようだ。トヨタ自動車は「後面衝突試験」で、日本の法規より厳しい北米基準で試験を行った。より厳しい基準だったため、豊田章男会長が「クルマは安全にお使いいただける」と述べたことは、前回の本欄でリポートしたが、今回のホンダも同様だ。

 ◇「エンジンの出力が出すぎた」

 ホンダでは過去に生産・販売していたフィットやヴェゼル、オデッセイなどのエンジンの出力試験で、測定データをカタログデータに近づけるよう書き換える虚偽記載も8件見つかった。

 8件のうち、6件はデータの「下方修正」だった。どういうことか。

 これは試験を行った新型車のエンジンの出力が、モデルチェンジ前の従来エンジンのカタログデータを上回ったため、わざと従来のカタログデータに近い値に書き換えたというものだ。試験を行ったエンジンは従来エンジンと基本的に同じ仕様で、数値は同じ値になるはずだった。残る2件は上方修正と下方修正の両方だった。

 この書き換えについて、三部社長は「従来のエンジンより出力が出すぎたため、少し落とした数字にした。少し欠けた部分については上方修正した。バラツキの範囲内と判断したようだが、許されることではなかった」と述べた。

 エンジンの「出力が出すぎた」ため、データをわざと低く書き換えたというのは、いかにも「高性能」が自慢のホンダらしい。今回のエンジン出力試験の書き換えの中には、ホンダが世界に誇る高級スポーツカー、2代目NSXも含まれている。

 自動車雑誌などが研究機関に依頼し、「シャシーダイナモ」と呼ぶ専用のローラー上で市販のクルマを走らせ、カタログ通りの性能が出ているか出力や燃費を実測することがある。

 このテストはメーカーの実力を示すとも言え、クルマ好きの間では関心が高い。実際の出力はカタログデータを下回り、ユーザーを失望させることが多いが、ホンダの認証試験では多くがカタログデータを上回ったことになる。

 三部社長は騒音試験や出力試験について「商品の性能を完全に保証するという観点で言うと、商品は保証できているという感覚が当時の現場にあった。順法性に欠けていた」と、何度も陳謝した。

 ◇国交省に尋ねると

 しかし、ユーザーとしては素朴な疑問が残るだろう。実質的にホンダのクルマは騒音基準を満たしているはずだ。出力試験の上方修正はいけないが、多くの試験でカタログデータを上回る出力を示したのは事実だろう。それでも認証試験をパスできないのか。

 この点を国交省に尋ねると、「(ホンダのケースもトヨタと同様)試験の方法が法規から逸脱しているため、法令違反に当たる。どんな理由があったとしても虚偽記載など許されない」(物流・自動車局審査・リコール課)と、厳しい答えが返ってきた。

 今回のホンダの行為は法令違反となり、三部社長もコンプライアンス(法令順守)の欠如を認めた。国交省はホンダにも立ち入り検査を行い、安全性などに問題がないか確認試験を行う方針だが、メーカーと行政の一連の対応をユーザーはどう受け止めるのだろうか。

 

最終更新:6/22(土) 9:30
毎日新聞