マイナス金利だろうが無かろうが

金融機関が債権や株式を注視し

企業融資を蔑ろにしていれば

実体経済に資金流入はなく景気は回復しない

 

同じく大手企業は海外に投資をするので

国内の実体経済に何ら影響はない

利益は上がるので社員の給与が上がる程度

 

結局、「失われた30年」って金融機関が原因じゃないかなぁ

まぁ・・・リスクは回避と言われればそれまで

 

日銀「マイナス金利解除」に異議あり 過去にデフレ圧力のもとトンデモ失敗「金利ある世界」の回帰を優先する本末転倒さ

3/23(土) 17:00配信

 

【お金は知っている】

植田和男日銀総裁はマイナス金利解除に踏み切り、政策金利をプラス領域に引き上げた。連合集計の春季労使交渉(春闘)賃上げ率が5・28%と33年ぶりの高水準で、「2%の物価安定の目標達成を見通せる状況に至った」(植田総裁)と判断したわけだが、国内需要の回復は依然として弱々しい。日銀はこれまでにも、デフレ圧力のもとでの利上げというトンデモ失敗を重ねている。今度こそは大丈夫だろうか。

 

■日銀〝遺伝子〟脈々と

日銀に脈々と受け継がれている遺伝子はインフレ阻止、デフレ容認である。かなり前の話だが、日銀生え抜きの総裁が雑談で以下のようなたとえ話で中央銀行のあるべき姿を語ったものだ。「中央銀行は宴会場で、さあこれから本番だというときに、盛りだくさんの豪勢な料理をすべて取り下げる」。国民の多くから反発を買おうとも、インフレにならないうちに金融を引き締めるのが中央銀行の使命だと信じ込んでいる。

グラフは、日本が平成バブル崩壊後の「失われた30年」のさ中に慢性デフレに突入した1997年以降の短期市場金利とインフレ指標である国内総生産(GDP)デフレーターの増減率を組み合わせている。デフレーターがマイナスに振れがちな場合は経済がデフレ局面にあると見てよい。異次元金融緩和政策を柱とするアベノミクスのさ中にデフレーターが上昇しているが、それは消費税増税のために物価がその分押し上げられた結果である。2022年3月以降は大きく跳ね上がったが、エネルギー価格などの高騰に伴うコストアップによる。需要不足のもとではデフレ圧力が働くので、コスト上昇が一段落すれば再びデフレに落ち込む恐れがつきまとう。

■デフレを高進

グラフ図に書き込んだように、日銀はデフレのさ中に二度、ゼロ金利政策を解除した。いずれも日銀生え抜きの総裁時代で、1度目は2000年8月、2度目は2006年7月で、3月に量的緩和政策を打ち切ったうえでの引き締めである。結果はデフレーターが示すようにデフレを高進させた。

今回は、堅調な雇用情勢と大幅賃上げを踏まえているので、マイナス金利を解除してもデフレに舞い戻る恐れはないと植田日銀は判断したのだろう。だが、家計消費は昨年10~12月期でも3四半期連続で縮小している。消費者物価上昇率は縮小傾向にありこの1月で2%だが、外国パック旅行費を除けば1・9%まで下がる。それでも景気が持ちこたえているのは、民間企業の設備投資が上向いているからで、背景には円安がある。円相場は日米の金利差に左右される。日本が利上げ、米国が利下げという見込みがはっきりすれば、円高局面に転じかねない。

賃上げも、判明したのは大企業主体であり、雇用の約7割を引き受けている中小・零細企業全体に大幅賃上げが浸透するかどうかは流動的だ。総合すると現時点では、日本は慢性デフレという病を克服したとは言いがたい。金融は実体経済をよくするためにあるのに、金融機関を潤す「金利ある世界」への回帰を優先するのは本末転倒ではないか。 (産経新聞特別記者 田村秀男)

 

最終更新:3/23(土) 17:00
夕刊フジ