http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120809-00000002-toyo-bus_all
東洋経済オンライン 8月9日(木)11時0分配信

 スクウェア・エニックスは8月2日、「ドラゴンクエストX(テン) 目覚めし五つの種族 オンライン」の発売を開始した。

発売日の早朝には、TSUTAYA渋谷店でカウントダウンイベントが行われ、ドラクエの生みの親であるゲームデザイナーの堀井雄二氏、「ドラゴンクエス トX」プロデューサーの齋藤陽介氏らが登壇し、午前7時の発売時刻に合わせ、約100人の観客とカウントダウンを行った。

「ドラゴンクエストX」は、2009年7月11日に発売した前作「ドラゴンクエストIX(ナイン) 星空の守り人」に続く、「ドラゴンクエスト」シリー ズ本編の最新作。機種は任天堂の据置型ゲーム機「Wii(ウィー)」に対応しており、12年末発売予定の最新機種「Wii U(ウィー・ユー)」への対応 も予定している。

今作の最大の特徴は、ドラクエシリーズ初のオンライン専用ソフトである点だ。Wiiのインターネット機能を活用することで、これまでバラバラにプレイしていたユーザーが、1つのゲームの世界に集合する。

使用方法も従来作品とは異なる。ユーザーは6980円(希望小売価格)のパッケージゲームを購入した後、30日、60日、90日のいずれかの利用券を購 入。各利用料金は、30日が1000円、60日が1950円、90日が2900円に設定されており、クレジットカードもしくはWiiの専用ポイントで支払 うことで、プレイが可能になる。

オンライン=課金というイメージがつきまとうが、「ドラゴンクエストX」はパッケージを購入した際、20日間の無料利用券が付いているので、いきなり課金を迫られるわけではない。

また、祝祭日を含む月曜日から金曜日の16~18時と、土曜日と日曜日の13~15時は「キッズタイム」として無料でプレイできる時間帯にしているほ か、ソーシャルゲーム業界で射幸心を煽るとして問題となっている、景品くじ方式の追加課金、いわゆるガチャ課金は行わないこととしており、行き過ぎた課金 にならないよう配慮している。

堀井氏はオンラインで展開することに関して、「初めてオンラインを体験する人も多いので、敷居を下げたいと思って作品を作った。期待もあるが、不安もあ る」と語った。齋藤氏も「自分たちが経験してない人数が一つの世界に入ってくる。そこで何が起きるかというと、いい効果もあれば想像してないことも起こり うる」と、発売日を迎え安堵する一方、現状はまだ手探り状態であることを明かした。

■スマホ vs.家庭用ゲーム機

ドラクエシリーズは、1986年の第1作発売以来、全世界で累計5900万本以上の出荷実績を誇る“お化けタイトル”だ。パッケージゲーム以外にも、業 務用カードゲーム機(「ドラゴンクエスト モンスターバトルロード」)やグッズ(鉛筆の「バトエン」)などを総合展開し、国民的 IP(Intellectual Property:知的財産)といっても過言ではない。

ただ、11年の国内家庭用ゲームの市場規模は、前年比5.7%減の5018.95億円と前年割れが定着(コンピュータエンターテイメント協会調べ)。 ハード、ソフトともに国内首位に君臨する任天堂も、12年3月期は上場来初の営業赤字に沈み、直近の第1四半期(12年4~6月期)も赤字が続いている。

背景には、ユーザーがゲームを行う環境の劇的変化がある。わざわざ据置型ゲーム機や携帯型ゲーム機を買わなくとも、今やスマートフォン上で簡単にゲームが遊べる。

コアなゲーマーはソーシャルゲームに流れないという見方もあるが、市場統計や各社の決算数値を見るかぎり、従来型の家庭用ゲーム機(携帯型含む)は、ス マホと比較して、ユーザーの時間を奪い合う競争に負けている状況だ。今後はスマホより画面の大きいタブレット端末の普及も予測されており、なおさら家庭用 ゲーム機は劣勢に立たされる。

「ドラゴンクエストX」もオンライン対応とはいえ、まずは据置型ゲーム機の購入が必要となる。そのため、スマホ全盛期の中、1作400万~600万本と いう過去の出荷水準に到達する可能性は低いだろう。複数のゲーム業界関係者からは、「出荷本数自体、従来作品よりかなり抑えているが、予約の受け付けはそ の半分程度にとどまっている」との声も聞こえる(出荷本数や予約状況について、会社側は非開示)。

それでも、ドラクエのタイトルが、オンライン化に舵を切った意味は大きい。実際、堀井氏は今回のオンライン化の狙いについて「ドラクエシリーズで1本く らいそういうものがあってもいいのではと思った」とお茶を濁す一方、「どんなハードでも遊べればいいと思ってる。スマホで展開することも、環境的にそれが メインになっていけば、ありだと思っている」と踏み込んだ発言をした。

市場低迷が続く中、家庭用ゲーム機の特徴や性能に依存せず、タイトルのマルチ展開を進めていかなければ生き残りは厳しい――そんな判断が堀井氏ら開発チームにあったことが透けて見えてくる。

「ドラゴンクエストX」の発売は、日本のゲーム業界の構造を変える転換点となるのか。発売後のユーザーの評価と、それにどう対応していくかが、行方を大きく左右する。

(二階堂 遼馬 =東洋経済オンライン)
最終更新:8月9日(木)11時0分


オフラインのロム抽出によるコピー対策としては
オンラインのアカウント登録による
常時ユーザー管理が有効と見たのでしょう

数週間毎のアップデートで
違法改造も行ないにくくなりますしね