こんにちは、香りのコミュニケーターHIROです。
ゲラン（GUERLAIN）の「マインドセント」試してみました。
先月開催されたISETAN Salon de Parfumで世界初展開でしたが、人が多くてあきらめました。が、昨日、たまたま新宿伊勢丹へ。誰もいませんでした、今だ！
なにかというと、あなたの脳波が喜ぶ香り、つまりあなたの好みではなく、今あなたに必要な香りはこれですと提案するデジタルデバイスです。
つまり、香りのパーソナライズ診断ツールです。
どの業界もパーソナライゼーションは課題です。ことに、
香りは究極のパーソナライゼーション
なのに、これを体系化することはなかなか難しい。
ゲランでは以前からコンサルテーションを大切にしています。これをデジタルでしようということです。
近年、香水はギフトとして購入するよりも、自分で購入する機会の方が増えてきているのではないか（業界関係者談）。よって、このタイミングでのローンチは、これから始まる年末商戦ではギフトを届けたいお相手と一緒に店舗にマインドセントを体験にきていただき、売り上げにつなげたいという期待を込めているのではないでしょうか。確かにゲランも若年層（ミレニアル層やGenZ）をターゲットとしてO2O（OMO）に力を入れているようです。
日本初の店舗では、100種超の中から脳波に合わせて香りを提案するデジタルコンサルテーションとのことです。
【マインドセント使用方法】
1) 専用のヘッドセットを着用。
2) リラックスした状態での脳波の動きを測定するため、リラックス度と集中度を確認。
3) リラックスした状態でゲランの従来の4つの香りのユニバース（世界観）を各15秒間ずつ試香。
4) 測定結果では、４つの香りのユニバースの中から、脳波が一番反応したユニバースを判定。
5) これがベースになります。
6) その後、視覚によるイメージ（香りのカテゴリーや感情）の質問を２セット回答し、２つの香りを提案。
7) 最後に、両方を嗅いだ際の脳波の反応をもとに自分に今必要な香りが判定。
＊測定は約８分です。
プレスリリースでは脳波ではなくエモーションセンサーとありました。また、マインドセントが提案する香りはポジティブでパーソナリティーに合った香りとのことですが、脳波が読み取った感情がどの感情かは、正直、不明です。
また、4つの香りのユニバースは嗅ぐ順番が決まっていて、私の脳が触れたのは最初に嗅いだシトラス系のフレッシュでした。個人的には3番目の香りが好き。
もし順番が異なったら、異なる結果ではないかと抗議（笑）したのですが、脳波なのでどの順番で香りを嗅いでも、結果は同じはずと。ですが、軽い香りから重い香りの順番でないとだめだとか。デジタルデバイスの正確さを知る上では、異なる順番で試させて欲しかった。。。脳波が反応しているのは、出来上がった香りのユニバースではなく、香りの成分だと思うのです。
私は「マインドセント」が選んでくれた香りにワクワクはしませんでした。私は脳波より、自分の嗅覚で感じる香りを信じます。調香師の作品、その日の自分の体調、その日の自分の気持ちで、その日の香りを楽しみたいです。時々、脳の記憶で覚えている香水を身に着け、失敗したと思うこともあるくらいですから。（笑）サプライズですね。
余談ですが、香料会社勤務中「MOOD SCENT」（ムードセント）という科学的に検証された3つのムード（気持ち）を表現した香りのフレームがありました。香りを嗅ぐとそれぞれの感情を引き出すというものです。私たちはサプライヤーですので、ゲランのようなインタラクティブな体験は生活者には提供しませんが、消費財を通して「MOOD SCENT」を提供しています。
アプリもあるようなので、ご自宅でも手軽にできるデジタルデバイスです。
フレグランス業界でのデジタルトランスフォーメーションは遅れていると言われていましたから、面白い試みだと思いました。後に続くブランドは何処でしょうか？
今日も香り溢れる一日を！
多くの皆さんと、「お香創作ワークショップ」でお会いできるのを楽しみにしております。
