こんにちは、香りのコミュニケーターHIROです。
#SOTDとは「Scent of the Day」の略で、本日の香りまたは香水という意味です。
ハッシュタグが流行り出した頃、多くの香水愛好家たちがこぞって自分の好きな香水の写真にこのハッシュタグをつけていました。今も続いています。
私はあまり使わないのですが、先日、シンガポールに残して来た香水の一部を、日本出張中の友人が持って来てくれ、手元に戻りましたので、このハッシュタグで写真をインスタに挙げてみました。
その中の一つがこれ、HoubigantのFourgere Royale(ウビガン-フゼアロワイヤル)です。Houbigantは1775年に設立されたブランドで、Fourgere Royaleは1882年にローンチされた最初の香水です。その時の調香師はPaul Parquetです。
こちらは2010年にリフォーミュレーションされた調香で、NOSE(調香師)は先日の上海での香りの展示会でも作品がキューレートされたRodorigo Flores-Rouxです。彼のシトラスの香りがしっかり分かります。彼は私が勤務していた香料会社のスターパフューマーさんです。
名前の通り、Fragrance Family(香調)はフゼアですが、この香調はこの作品が生み出し、この後フレグランス業界、特に男性の香水に多大な影響を与え、今に至っています。
Fourgereは英語ではFern(シダ)
ニューヨークのFashion Institute of Technologyという学校で香りを学んでいた時の先生方がIFF(International Flavors and Fragrances)出身者だったこともあり、テキストに記載されていたこのフゼアの香りの代表作が、HoubigantのFourgere Royale、クラシックで言うとBrut Faberge、モダンではPrada Men。
また、Houbigantは天然香料から特定のモロキュールを生成することに成功し、フレグランス業界に偉業を残しました。おそらく耳にしたことのあるクマリン(C9H6O2)という桜の葉に代表される植物の香りの成分で、トンカビーンから抽出。桜の香りの消費財には必ずといっていいほど、この成分が入っています。
トンカビーン
フゼア香調の基本はLavender, Bergamot, Geranium, Coumarin, Moss(Symrise)ですが、私の古巣は
Lavender, Coumarin, Oakmoss, Woods, Bergamot(Givaudan)で、それぞれの香料会社で微妙に異なります。
また、調香師によって感覚は異なるので、同じフゼア香調でも作品ごとの違いを感じられるのが、香りがアートと言われる所以です。
フゼアは男性香水に使用されることが多いのですが、ベルガモットが引き出す大人なエレガンさが好きでよく身に付けます。
機会があったらフゼアの香りを試香して、比較してみてください。
- Houbigant Fourgere Royale
- Brut Faberge
- Paco Rabenna
- Azzaro
- Boss by Hugo Boss
- Prada for Men by Prada
今では私はお香の人と思われているのですが、元々香りの仕事をしたいと思って、始めた勉強は香水だったので、
香水(液体)も、お香(粉体)もどっちもいける二刀流です。☺️
なので、肌に乗せる香りも塗香の時もあれば、香水の時もあります。
今日も香り満ち溢れる素敵な1日を!
⭐️お香創作ワークショップのお知らせ⭐️
多くの皆さんと、「お香創作ワークショップ」でお会いできるのを楽しみにしております。