*少女人形化計画 -12ページ目

*少女人形化計画

彼女は眠りの森へ、彼はこの世の果てへ



彼の適格すぎるアドバイスは、私にはとても重すぎた。


彼は私の創る物語を読んで、こんなシーンも書けそうだと言ってくれたのだろう。
しかし彼からその提案をされた瞬間、私の頭の中では間違った答えだけが浮かんだ。
彼は私の過去を知っているのだと。
だから私だったらえげつない場面くらい書けるだろうと。


一度浮かんだら取り消すことのできない悪い想像。
その答えに確信をもつのに時間なんていらなかった。
想像のままに、感情のままに叫び、それから私は何も考えられない頭のまま学校を出た。


それからどうしたのかはよく覚えていない。
いつのまにか家の中にいることに気づいた私に残っていたのは、体も動かないほどの疲れと、なぜか何もかもを捨てた安堵だった。
私の部屋。制服姿に鞄を持ったまま床に横たわった体。底知れぬ虚無感。無表情の顔。カーテンの隙間から漏れる秋の陽射し。まばたきをすることを止めた目。
死んでいる、そんな感じがした。
私はこんな些細な出来事一つで死んでしまった。勘違いに気づかずに。


そういえば彼に見せるための物語を印刷した紙はどうしただろう、とゆっくりと脳を動かす。
あの時ばらまいたままで持ち帰って来なかったんだと、少しずつさっきのことを思い出していく。
けれど、なんだか不思議な違和感を感じずにはいられなかった。
何かがおかしい。落ち着かない。
私は何をした?


この後私は夕ごはんも食べずに、そのまま眠ってしまった。
泣いている自分を目の前で見ている夢をみた。
目を覚ましたときには、もうとっくに一時間目の授業は始まっている時刻だった。
そして私はすっきりしない目覚めとは反対に、昨日の違和感の正体に気づきはっとする。


重い体を無理矢理立ち上がらせ、パソコンの電源を入れた。
起動するまでの時間がやけに長く感じられる。思い出したことを早くこの目で確認したかった。
やっとパソコンの準備が整うと、急いでマウスを動かしていく。
やけに静かなこの部屋には、クリック音しかなかった。


目当てのファイルを探す、探す、探す。
ごみ箱の中を確認した。そして私は確信する。




昨日帰ってきてからすぐにパソコンを立ち上げたのだ。
ずっと悩みながら、でも楽しみながら創っていた私の物語。
最初から書きかけの途中まで、すべての文字をクリックだけで簡単に消してしまったこと。












私の体を愛してくれる人は今では誰もいない。
心を愛してくれる人は最初からいなかった。
それは私が生まれてから死ぬまで一生続くものだと覚悟していたのに。
私はある一人の男子からの告白で、その覚悟が揺らいでしまった。

「好き」

二人きりの放課後。私を見据える真っ直ぐな瞳。
一本の糸がぴんと張っているような空気。
グラウンドから聞こえる野球部のかけ声。
重い圧力が体にかけられているようで、私は少しも動けなかった。

「ずっと前から。言えなかったけど」

ずっとまえからわたしのことをすき?
私が皆の知らないところで何をしてても、どれだけ馬鹿な人間でも、
この人は私のことを好きでいられるの?

固まる私から目をそらして、彼は気まずそうに口を開く。

「今言うことじゃないかもしれないけど、ってか言っちゃいけないのかもしれないけど・・・知ってるから」

この一言で私の頭の中は真っ白になる。

「処女じゃないこと」


彼は私が今一番聞きたくない言葉をさらっと言ってみせた。























「告白したんですね」

書きかけの物語を彼女の手に戻した。

「うん」

彼女の書く小説の主人公は、僕らと同じ高校生である。
主人公はいろんな男と寝るような結構淫乱な性格・・・だと思う。僕から見れば。
そんな主人公がそういうことをやめようと、すべての関係をたちきるが、その過去は消えることなく主人公につきまとう。
だが、ある日一人の男子から告白される。
そこで主人公は本当の恋というものを知る、と。


「とりあえず最後、二人はくっついてハッピーエンドですか?」

彼女は緊張した面持ちで頷く。

「ですよね。・・・これからどうするつもりです?」
「どうするって」
「だってこのままくっつくだけなんて、何の面白味もないでしょう?やっぱりあれですか?主人公は昔のいやらしい性格で、告白されたその日に男子を襲っちゃうんですか?」
「えっ」
「あなたならそういうシーンもそれなりに書けそうですけどね」

僕は純粋に思ったことを伝えた。
それが彼女の触れてはいけない部分を刺激してしまったのだと、後々気づくことになる。


「うるさいっ」


一瞬の怒声が響き、何十枚もの紙が乾いた音とともに床にばらまかれる。
何が起こったのかわからなかった。
彼女の表情がだんだん崩れていく。
なんとなく瞳が潤んで目が赤い気がした。






状況を把握して動けるようになった時には、もう彼女の姿はここにはなかった。






僕は何を言ってしまったのだろう。











ガムしか口に入れられない君は
大好きなグリーンガムの匂いに包まれて
板ガムバラバラ殺人事件


村上春樹が苦手なあの子は
村上春樹の描く男女に想いを馳せる


ピーチネクターの空き缶ころがす子どもは
すべりだいの下から上へ全力疾走


格好いい男の子が好きな女子高生は
ちょっと口下手なだけの男子を馬鹿にして


ラジカセ壊れて使えない近所のお兄さんは
今時珍しく毎朝のラジオ体操が日課で
お隣の老夫婦の家から聞こえる
例の音楽に合わせて元気はつらつ体操


新品のワンピースを身にまとった彼女は
予定時刻よりも15分早く
お洒落なマネキンが飾られたウィンドウの前


淡々と鼻毛を抜く僕は
痛みにも反応せず無表情でいることに気づいて戦慄


少し俯きながらホテルへの入り口を開ける二人は
これから始まるであろう事に心を一つにする


バイトをクビにされた私は
むしゃくしゃして片手にカシスオレンジの缶を持ってみたけど
まだ未成年だったと突然清く正しく真面目になる


シンデレラコンプレックスの中学生は
いつか迎えにきてくれる王子様のために自分磨き


ドッペルゲンガーに会いたい双子は
私たちが出会ってしまったら
この世に私たちが4人存在してしまうわね
なんて夢見る乙女の言葉交わして








浮気相手が残していったつけまつげを
興味本意でハサミで切り刻む若い男
細く短い黒い毛が
テーブルの上に散らかる様は
これから男の体も切り刻まれることを示唆しているようで
そうだ髪の毛を切ろう、なんて発想はなく
ただただ男を刻むための巨大なハサミから逃げるため
布団にくるまる
布団にくるまる













あけましておめでとうございます!


新年らしいです。


テレビのカウントダウンを見ていたけれど
ふーんってくらいにしか思えなくて
そうか、もう1月1日か、新年か
と冷静に考えたら
今年の一言目は「さだまさしー」になりました。
毎年恒例の。例のあれでございます。
結局今年は見てないけどね☆
そもそも毎年見てないけどね☆









さてさて、今年の目標をたてるよのコーナー。

さりげなく毎年やって・・・あ、去年はやってないのか?受験で。
まあいいや。



1.夢のない者に欲はない
2.やり遂げる癖をつける
3.デッサン力



これです。今年の目標は。
夢すらないのに欲がってばかりじゃ
ただの駄目人間になるのだと
そう思ってしまったわけで。(今日珍しく真面目)
欲ばるなら夢をもて。夢のための欲ならいくらでももて。
ってことで、そういう人になりたいねって。


そして、逃げてばかりの毎日に終止符を打つため
今年一年で何か一つをやり遂げたいと思います。
そこで、一年かけて一枚のイラストを描いてみようと!
冬休み終わって、テスト終わって、模試終わってあたりから、構成を練り始める予定!


最後は部活にも通じることだけど
大の苦手である、絵の基本であるデッサンに力を入れていきたい。
これは一番リアルで切実な目標。




ということで
今年の目標、どれだけ達成されるのかされないのか!
意味のない目標ほど無駄なものはないからね。
私の場合よくそうなるけどね。
だからこその「やり遂げる癖」。






僕は死ぬように生きていたくはない!!!!!







県内の公立高校に無事入学し
私もついに高校生になった
花咲く乙女になるつもりだったのに、気づいたら女子力が皆無に等しくなっていた



黒いギターを買った
相棒であり友達であり愛器である
名前は「森野」と今決めた
大好きな小説『GOTH / 乙一』の登場人物の名前からとった
この子は自分自身の次に私を裏切らないだろう



アーバンギャルドと空想委員会のライブへ参戦した
どちらも独特の雰囲気だった
ライブといえば、Tシャツショーパンで暴れるものかと思っていたが
アーバンは特殊で
アーバンギャルすさまじくお洒落
みんな可愛い、可愛い、可愛い
空想の方は、さすが恋愛下手が集まるだけあって
委員長の声に耳を傾け、神妙な面持ち
私もいろんなことを思いだし、涙が出そうになった
これもこれで独特すぎる



たくさんの先生を好きになった
これだけ聞くと、なんだか駄目な人に思われそう
だけど、恋愛感情など一切ない、決して恋的ではない
尊敬の念と私の勝手な理想像
私の憧れていたような言葉遣いをする先生が目の前に現れた
私はその先生を密かに尊敬している
(他の生徒からの評判はあまり良くないような…)

そして、私はいよいよ"理系男性"を素敵だと思う傾向を認めなければならないらしい
数学の先生ってかっこいい
惚れた、顔じゃない、性格じゃない、数学的に論理的に話すから
きっと私が文系だからかもしれない



夏以降、たくさんのことをこの場所に綴った
ほとんど私の妄想話だけど
あ、そういえば、今年は紙飛行機をつくるのが得意な「彼」に出会った
初めて会ったとき、彼と一緒に紙飛行機を折ってみたが
私の不器用さが異常なのか、彼が器用すぎるだけなのか
結果酷い形のものができたわけだけど

まあそういうものも含め
たくさんの言葉をここに残してるのには
友達と、夢と、趣味と、俵万智さんからの影響が強い
わざわざ変な文章読んでくれてありがとう
自分のためのブログだけど、読んでくれてる人がいるのも嬉しい










ということで、今年一年を振り返って筆納め