国立大学は前期後期ともに不合格に終わり、


滑り止めの私立に進学を決めた息子。



入学手続きをし、前期授業料を払い込んだ。




息子が進学をした私立大学は、


夫が「会社に入社してくる優秀な学生達の出身大学」と話していたところだ。



私自身は理系ではないので、詳しくは分からないが、理系の企業からの評判は良いらしい。





ただ


一緒に予備校に通っていた高校時代のクラスメイト達は、最後までしっかりと戦い抜き


東京一工や早慶へと駒を進めていた。



息子は、同じ高校に通っていたのに


いつのまにか大きく差が開き、

2度も大学受験をしたが、

結局同じ場所へ辿り着く事は出来なかった。




なぜ、ウチの子なんだろう

なぜ、息子には出来なかったのだろう





私は息子に聞いた。

「2回の受験を通して、やり切ったと言えますか?」と。



息子は答えた。

「高校の時からもっと勉強しておけばよかった。」



「3年での編入試験もあるし、大学院で挽回する事も出来るよ?」

私は、息子の「勉強しておけば、、、」の言葉に反応して、思わずこう提案してしまった。



そして息子は「そうしたい。」と言った。



私はその息子の言葉を聞き、


『そうだ。

大学受験は終わったが、まだ挽回のチャンスはあるんだ。

きっと息子はやってくれるはず。』


と、希望が見えた気がして安心した。







この時、息子はこのやりとりの中でどう思ったのだろう。



「あぁ、やっぱりあの私立大学では駄目なんだな。」と思っただろうか


「勉強する、リベンジする、そう言っておけば、とりあえず親は安心するから、やるって言っておくか。」と思っただろうか



きっと、そのどちらもだろう。





親が言うから

親が喜ぶから





嘘をつくつもりはないのだろうが、

その場限りの言葉で逃げる術を身につけてしまったのではないか?



私の息子への過剰な期待だけが、独り歩きしてしまった結果だ。