高校3年生のちょうど今くらいの時期、
三者面談が行われた。
いよいよ志望校を決定し、高校に伝える時が来た。
志望校判定の出ていない息子の模試の結果を参考にしながら
何の参考にもならないが
三者面談で話し合いをした。
第一志望はトップクラスの国立大学。
「第一志望のランクを下げると合格可能性は高くなるが、意欲が下がって良い結果にはならないだろう。」
と、高校では言われていたので
すっかり、そのトップクラスの大学受験にゴーサインが出るものと思っていたのだが、
担任は、開口一番
「ここは無理です。」
はっきりとそう言って、遠い県外の国立大学を勧めてきた。
息子は、
「第一志望校にチャレンジしてみたい。」
と言ったが、
それを言うなら
《なぜ今まで勉強してこなかったのか?》
という話になる。
私も、どこかで
《やれば出来るはず》
という取り憑かれたような思いもあって
チャレンジさせたい親心と
下の娘の学費も残さなければという経済的問題と
間で気持ちは揺れ動いていた。
私自身が息子の第一志望校へと気持ちが向いていたため、
担任に勧めれたその大学の事を
私は、よく調べる事もしなかったし
息子にも調べるように言わなかった。
息子自身も、受ける気の無い大学を
調べる気持ちにもならなかっただろうと思う。
これは後で大きく後悔する事になるのだが、
その時は息子の第一志望校の事で頭がいっぱいだった。
息子が行きたい、と言うのなら
頑張れるだろう、と思っていたし
その意欲を削ぐような決定はしたく無かった。
志望校のランクを下げたく無かったのだ。
ここでも
プライドだけで受験しようとしていたのだ、と
今なら分かるが
その時は、
渦中にいると
何もかも見えなくなっていた。
