息子は中学校へ入学した直後から、学校でも塾でも、成績はトップクラスだった。
中3になり、下がり始めたが
周りの人達にとっては、息子は優秀な生徒という評価だった。
実際、苦しい思いをしてここまで3年近く頑張ってきて
《偏差値が下がったから、志望校も下げます》
という事が、出来なかった。
そう、単なるプライドだ。
そんなちっぽけなプライドなんかより
息子の気持ちに寄り添う方が大事だったのに。
息子の気持ちを確認する事はなかった。
第一志望校の最後の判定はD判定だった。
それ以降、模試はない。
模試が無いという事は、自分の位置が確認出来ないという事だ。
それまでは
定期テストに向けて勉強するとか
県模試で目標偏差値70以上とか
駿台模試なら偏差値55以上とか
目の前の目標に向かって勉強すれば良かったが、
12月の模試以降
目の前の目標は、受験本番という事になる。
力をつけるため、過去問を購入しひたすらそれを解く毎日だった。
国立高校の過去問を解いたところ、
得意な理科は7割〜8割解けるが、英語が壊滅的だった。
社会の問題も非常に難しかった。
一つ一つは難しくはないのだが、いく通りもある選択肢を全問正解して、やっと一つの正解が得られる、という
問題文も選択肢も多いため、時間配分が難しいものだった。
恐らくその時点で、その学校との相性はあまり良くないと判断すべきだった。
ただプライドが決断を鈍らせた。
