高校2年生になったばかりの頃になって、やっと初めて模試の結果を見せてもらったが



その後は密かに期待していたものの

また成績表を見せない状態が続いていた。



見せないという事は、

まず間違いなく成績は悪かったという事だろう。



それでも



少しでもモチベーションが上がるように、と

大学へ見学に行ったり、説明会に参加したりした。



秋になり、年末になり、冬休みになり

年が明けると


【2学年3学期】が始まった。


超進学校では

【受験学年0学期】と言っていた。


もう2年生ではない、という事だ。



《春休み明けの3学年1学期を待っている余裕など無いですよ》



という意味だ。




《大学入試に間に合わない》

という焦りと共にスタートした高校生活。



【受験学年0学期】を迎え

いよいよ本格的に、受験モードに突入した。



高校ではハイスピードで授業が進んでいたので

高校2年生の3学期までには

高校3年間の学習内容はほぼ履修済みだった。




大学入学共通テストの前身である

大学入試センター試験が1月の中旬に行われた。


一学年上の3年生は全員、所属高校にて受験した。


そして


2年生の息子の学年も同日に

プレセンター試験を外部で全員が受験した。



プレセンター試験とは言えども

内容的には恐らくほぼセンター試験と同等だったと思う。




受験した後、息子は


「まだ1年あるから、これから頑張ろうと思う。」

と言いつつ、やはり結果は見せなかった。



見せないという事は、やはり成績が悪かったんだろう。



私は

「まだ2年生だもんね。これからだよ!」

とは言ったものの、



そんな悠長な事を言っている時点で

既に出遅れていたのかもしれない。




息子の通う県立トップ高校でトップの成績を取っている生徒は、その時点で既に9割以上を取っていた。


志望校判定で東大がA判定だったらしい、と噂で聞いた。


その生徒はあらゆる模試で東大A判定を取っていた。




理系クラスに所属していたその生徒は


「自分の得意分野が分からない。」

「このまま理系に進んでいいのか。」


と息子に悩みを打ち明けていた。



同じ部活で仲が良かった2人だが、

息子からその話を聞いた時、私はめまいがした。



《得意分野が分からない》のでは無く、

《全てが均一に出来過ぎる》なんて、羨まし過ぎた。


そして


《出来過ぎるが故に、突出した得意が無い》という状態である事も。




高校2年生の1月には、既にここまで差が開いてしまっていたのだ。


その現実を目の当たりにし


息子の大学進学が非現実的なものに感じていった。