息子は、県立のトップ高に通っていた。



勉強に身が入らない様子で


夜遅くまでゲーム実況動画を見ていて、朝起きられなかったり


登校準備に時間が掛かったり


登校時間直前になってトイレに籠って出てこなかったり


親としては、息子の生活態度を見ていて

イライラする事が増えていた。



学校に行くのが嫌なのか?と思う事もあった。


授業についていけないだろうから、授業そのものが苦痛だったに違いない。



それでも、息子は毎日学校に通った。



部活は楽しかったようだ。

毎日登校出来たのは、部活のおかげだったかもしれない。



ある時、息子が賞状を持ち帰ってきた。



なんと



県展に出展し、優秀賞を受賞していた。




自分のやりたい事には、一生懸命に取り組めるものなんだなぁ、と思った。


息子を誇らしく思った。




その時に出展したものを、今度は全国大会に出展してみては?という話があった。


全国大会が開催されるのは、高校3年生の夏だったと記憶している。


息子は


「受験で忙しいだろうから、行きたくない。」


と言った。



しかし、


「高校で勉強してこなかったからこそ、自分が輝ける場があるのなら、そこへ行った方が良い」


と私は息子に話した。



大学受験で提出する調書にも記載される事を期待していたのは確かだが



《息子が自分のやりたい事で自信が持てるのなら、こんなに素晴らしい事はない》


そう思ったのだ。



子育てをしていく中で


《子どもが他人から認められる》


これほど嬉しい事はない。



担任から頻繁に電話が掛かっていたが


県立トップ高校での勉強は出来なくても

生活態度は悪くても


そんな事情なんて県には関係なく


功績を認められ、優秀賞を貰えたのだ。




高校には「全国大会に参加したい」旨

伝えるように、息子に言い、その後の連絡を楽しみに待っていた。