地元の県立トップ高校に入学した息子。


春休みの宿題をろくにやらずにテストを受け、玉砕したものの


その後も特にがむしゃらに机にかじりついて勉強するでもなく、


ただ毎日が過ぎていった。




そんなある日

入学後に初めての保護者会があった。



息子は、《男子あるある》かもしれないが

本当に学校の事を何も話さないし


聞いても「あー?」しか言わないし


学校の様子が分からなかったので、参加する事にした。



通っていた公立の小学校や中学校では、保護者会や懇談会などがあっても参加している保護者はとても少なかった。



子どもの年齢が上がるにつれて

専業主婦だった母親の就業率も上がり


平日に開催される保護者会や懇談会などは

参加しない保護者も多かったのだ。


高校ともなれば、さらに参加する保護者も少ないのだろうと思っていた。



ところが


参加してみると



県立トップ高校ではなんと、100%クラス全員の保護者が参加していた。



我が子の席に座っている保護者。


全ての席が、埋まっていた。



それだけで、

《教育に熱心な保護者の集まりなのだ》

と、驚いたのだが


もっと驚いた事があった。



そこで渡されたクラス名簿だ。


ほとんどが、見た事のある名前ばかりだったのだ。


見た事のある名前


とは言え、その生徒本人と知り合いという訳ではない。



彼らの名前をどこで見たのかというと



新聞のチラシだったり

塾や模試の成績優秀者リストだったり

塾の合格体験記だったり


様々な媒体で、繰り返し同じ名前を目にしていて、無意識に覚えていたのだ。



2月から3月にかけては、新聞の折込み広告で塾のチラシがたくさん入ってくる。


新年度に向けての集客のために入っているが、

そこには難関高校の合格者数や、

時には本人の写真付きで合格した学校名の全てと名前が掲載されていた。



息子の通う高校のクラスメイトも数名掲載されていて


誰が、どこの高校に合格していたか


分かってしまった。



《あの〇〇高校に合格したのに、それを蹴って、この高校に入学したのか、、、!!!》



という衝撃。



我が子が不合格だった私立大学附属高校に合格した上で、県立トップ高校に入学した生徒がたくさんいた。



《とんでもない所に、来てしまった》



そう思った。