単位認定について、担当教授に電話をするように息子に話をした。



落単とか

留年とか

卒業とか


正直もう、どうでもいいと思った。



そんな事よりも


「ありがとうございます」

「ごめんなさい」


私はこれらの言葉の重みを息子にしっかりと感じてもらいたいと思った。



あの時



留守電を聞いた瞬間震える手でかけ直した電話。



時間が遅くて繋がらなかったが、

繋がらなくて良かった、と思った。

息子自身が責任を負わなくてはいけないからだ。



ただ


学業については息子の問題だ、とはいえ


もしか留年・・・という話になるとその限りではない。


そうなるとお金が絡む(学費)ので、教授に電話して話をしたら、私の方に連絡するように息子に言った。



そしてお昼休み中、息子から連絡が入った。



自分で電話をして、教授と話をした、と。


結論から言うと、単位は取れなかった。


教授は夏休みに入っても、レポートの提出を待ってくださっていた。


ただ、もう後期授業が始まるためレポートの受付けは出来ないという事だった。



当たり前だ。



むしろ、

ここまで手を差し伸べてくださり、感謝しかない。



結局【欠席】と成績表に記載される事となった。



必修科目ではなく、選択科目だったため

卒業に影響は無いという。

留年にも影響しないという事だった。




そして一番大切な事。



「ありがとうございました」

「ご迷惑をおかけして、申し訳ありません」


この言葉をきちんと教授に伝えました。と息子の口から報告があった。



あと半年後には大学を卒業し、

まだ就職は決まっていないが、予定では社会人になるはずの息子。



自分の事だけを考えるのではなく、

相手の立場になって考えて行動出来る人間になって欲しい。



中学時代、あんなに塾三昧でたくさん勉強して

良い高校に入って

良い大学に入って

良い就職先を見つけて


それこそが、息子の幸せだと信じていた。



しかし



今になって思うのは



勉強が出来た方がいいとか

学歴が高い方がいいとか


それはその通りなのだが


そんな事よりも、もっと教えなくてはいけない事があったと


今さらながら、後悔している。



たくさんの、様々な経験の中で

失敗したり

後悔したり

小さな怪我をしながら


人の苦労を知り

人の痛みに気付き

人のありがたみに感謝する


長い時間をかけて教えなければいけなかった事は


勉強しろ


という事ではなかった。