息子は中学生の頃
「塾を辞めたい」
と言った事がある。
私は、すかさず反対した。
一流の大学へ行くためには
偏差値の高い高校へ行かなければ
そう思い込んでいた私には
《塾を辞める》
という選択肢は、無かった。
塾を辞めたら、どうなるのだろう。
勉強したくないから
勉強で忙しいのが嫌だから
だから塾を辞めたいと言っているのだ。
受験に向けてみんな必死にやっているのに
我が家だけ、そこから降りるなんて絶対に出来ない。
私は、そう考えていたので
息子の話も聞かず
反対した。
あの時、息子はなぜ【塾を辞めたい】と言ったのだろう。
あの時、息子はどんな気持ちで私に【塾を辞めたい】と言ったのだろう。
あの時、塾を辞めてどうしたかったのだろう。
本当なら、
息子が「塾を辞めたい」と言ってきたその時に
息子の気持ちを聞かなければいけなかった。
私が、話も聞かず反対し
「高校受験はどうするのか?」
と息子を問い詰めた事で
息子は、口を閉ざしてしまったのではないか。
これ以上言っても無駄だと。
小さい頃は無邪気な、天真爛漫な子で
「大きくなったら〇〇になりたい!」
とよく話していたのに
中学生になり
「塾を辞めたい」
という話こそ、よく聞いてやらなければいけなかったのに、
私は聞く耳を持たず
「辞めたい」と言えなくした。

その後自分の気持ちを言えなくなっていた