その時に撮った写真は今見ても
無表情だ。
全く嬉しそうではなかった。
入学手続き書類を受け取り、帰宅後、
中学校へ報告に行った。
息子が受験した高校は、同じ中学校から10名程が受験していた。
息子以外の生徒は、すでに報告済みだった。
我が家は電車を間違えてしまったので、
発表を見に行くのも遅くなったし
中学校に報告するのも遅くなってしまった。
中学校の先生方は、息子だけが報告に来ていない事で、とても心配していたそうだ。
息子が中学校に顔を出すと
その場にいた先生方が全員駆け寄ってきて
固唾を飲んで
息子の第一声をじっと待った。
その光景は異様だったと息子から聞いたのだが、それも無理はない。
息子と同じか、それ以上に成績の良い生徒が受験したものの不合格だったというのだ。
中学校ではその優秀な生徒の不合格の知らせを受けて、息子も
《不合格だったのだろう》
と、報告がない事で
《何も無ければ、良いが》
と、心配していたらしい。
最終的に、その県立高校に合格したのは息子1人だった。
一緒に受験に行った友達は皆、私立高校への進学を決めた。
英検も漢検も数検も受けていない
生徒会もやっていない
部活の部長もやっていない
内申点はそれほど高くない
そんな息子の高校入試の得点開示を確認したところ、
過去問で出した程では無かったものの、
それに近い得点を取って合格していた。
中学時代3年間
ずっと塾のスケジュールを中心に生活をしてきた。
テストや模試の結果に一喜一憂し
文字通り
身も心も忙しい毎日だった。
《それらの全てから解放された、、、》
と、思ったが、
【高校入試の終わり】と同時に
【大学入試の始まり】だという現実と向き合ったのは、
高校入学説明会に参加した時だった。
