第一志望校の国立大学附属高校は不合格だった。


そして、落ち込んでいる間もなく


直ぐに私立大学附属高校の入試があり、

その高校も不合格だった。



私立大学附属高校の受験については、

付け焼き刃的に過去問をやっただけで、

ほぼ【記念受験】に等しかった。



息子の得意教科は数学と理科だったので、

そもそも3教科受験の、それもトップレベルの受験なんて、無謀過ぎたのだ。



私立大学附属高校の英語は、

長文問題の比重が重く、中学校では習わない単語などもあり、

英語が不得意な息子にとって難しいものだった。


長文英語を読むだけで時間が過ぎてしまうのだ。



英語に普段から親しんでいれば、

多少知らない単語が出てきても、前後の文脈から読み進める事が出来る。


同じようにリスニングについても、

知らない単語が出てきても、そこで思考をストップさせる事なく聞き飛ばす事が出来る。



ところが、英語が苦手だと


英語を英語のまま読むとか

英語を英語のまま聞くとか


そういった事が難しく、

私立大学附属高校の入試にはとても太刀打ち出来なかった。




普通の公立中学校に通う、普通の中学生だった息子には

とても酷な受験となってしまった。




受験の日も、数学・国語・英語と3教科のテストを受けるのだが、


1教科終わる度に


「大問3の答えって、〇〇だよな」

「簡単だったなぁ」


などと、どこかの塾生同士が集まって大声で話していたらしく、


特に受験準備もしてこなかった息子にとっては

そんな会話も、充分プレッシャーになっていたようだ。



そして迎えた合格発表の日



私立大学附属高校の合格発表は高校のホームページ上で行われた。



そこに、息子の番号は無かった。





【記念受験】のつもりでも受験は受験だ。



『受かればラッキー』と思っていたが、

【不合格】の烙印は重く、息子にのし掛かった。



最後の入試、県立高校が控えているのに
勉強が手に付かなくなってしまった。