国立大学附属高校の合格発表を息子は一人で見に行った。
中学校から帰宅して、着替えて支度してから出掛けて行った息子。
早ければ6時半か、遅くても夜の7時頃には帰ってくるはずだった。
ところが
夜の7時を過ぎても
8時を過ぎても
9時を過ぎても
息子は帰ってこなかった。
お腹が空いているはずだ。
お金も電車代とプラスαくらいしか持たせていない。
・・・何かあったのでは・・・
胸騒ぎがした。
第一志望校の国立附属高校の合格発表で掲示板に自分の番号が無かったのだろう、、、
その後、どこへ行っているのだろう、、、
携帯電話を鳴らしても、息子は出なかった。
こんな事なら、
仕事を休んで日中に私が一人で見に行けばよかった。
警察に電話した方がいいのか?
、、、いや、きっとそのうちに帰ってくるはずだ。
何かあったのか?
それとも電車が遅延しているだけなのか?
今だったらスマホのアプリで、電車の情報も直ぐに分かるが、
その時は電話かメールしか利用していないガラケーだったので
テレビのニュースやパソコンで電車の遅延情報を調べたりした。
夜の10時になっても帰ってこなければ、警察に電話しようか、、、
そうしているうちに夜10時になってしまった。
居ても立ってもいられず、探しに行った方がいいのかと玄関へ向かうと
そこに息子が帰宅した。
私は、全身から力が抜けて涙が止まらなかった。
最悪の事態を頭の片隅で想像していた。
息子が生きて、そこに居るだけで
それで良かった。
合格発表を見に行ったっきり、6時間近くも
一体どこで何をしていたのか
怖くて聞けなかった。
今でも聞けない。
過去問をやり込んでもやり込んでも
数学と理科以外、及第点が取れないまま
迎えた受験だった。
合格発表を一人で見に行くのは、心細かったに違いなかった。
私は、息子に勉強をさせ
超難関高校へ行ける可能性があるなら行くべきだと言い
私が息子を追い詰めたのだ。
