息子が大学へ行く時間より、私が出社する時間の方が早い。
私が家を出る時は、息子はまだ寝ている事が多い。
現在4年生の息子は、今までのところ留年したり単位を落としたりした事がないので、
特に問題は無いと思っていた。
ところが、コロナ明けで初めて行われた面談で
「あまり姿を見かけないですね。」
と言われて、動揺した。
授業もほとんどない4年生なので、研究の進捗具合で行ったり休んだりしているのだろう。
注視していこうと決めていたのに、
私はとんでもないことをしようとしていた。
朝出社前に、目覚まし時計を息子の枕元にセットしようとしたのだ。
「これで、寝過ごす事は無いだろう。」
と、勝手に安堵した。
しかし、これでいいのか?
成人した息子に目覚まし時計をセットするなんて、甘やかし以外の何者でもない。
しかも、この母の行動に甘んじるとしたら、
息子はマザコンではないか。
何よりも
《この目覚まし時計が無いと息子は起きない》
と、息子を信用していない自分に気が付いた。
《息子が失敗しないように》
と、息子の目の前にある石ころを退かそうとしている自分に気が付いた。
その石ころを退かしながら、
《この道を通りなさい》
と、無意識レベルで息子を支配しようとしていないか。
『甘やかし』と『支配』
それは、異なるようで実は同じかもしれない。
