wings~上2.14歳、初恋心。3-[1] | あまいゆめをみてる *プラグレス文庫*

あまいゆめをみてる *プラグレス文庫*

少女漫画家になれなかったヤツが書き殴ってる
作品→@81amata
活動報告→@amaiyumeomiteru




Ⅲ-[1]


悪ノリしてそう言って掲げたそいつの手には、ブルーのソレが。

馬鹿すぎて呆れる。

僕はソレが握られてるそいつの腕を強く掴んで、

「・・くだらねー。」
と睨み付けた。

横で美羽が息を呑んだのがわかるが、ちょうどチャイムが鳴った。

「そこ!何やってる!?」
先生に注意されて仕方なく、そいつの腕を放してやった。

そしてそいつとお互い睨み付けたまま、それぞれの教室に入った。



放課後、美羽の方が先に僕の教室へやって来た。
「翼・・終るまで待ってなくていいから、ほんとに。」

「でも・・・」

美羽の字で丁寧に『ばか』とラクガキされた机から、美羽を見上げていた。

「ホラ、待ってるとまた、冷やかされるでしょ!?」

取り繕うようにして美羽が言う。

「・・・。」

さっきの保健の授業の後の事が頭をよぎった。

「・・・わかった。美羽がそう言うなら。」
「ありがと。ごめんね?」
(なぜあやまる・・・)
「じゃっ!」
「あ、ガンバレよっ!」
そう言うと美羽は笑顔で頷いて手を振り、部活へ向かった。

「・・・フラれてやんのっ」

小憎たらしい笑顔で横からケンイチが一言野次る。

「・・るせぇよ。」
『・・きゃぁっダメ!翼っヤメテ・・・っ』

突然ケンイチが女みたいな声を出して、自分で自分を抱きしめて演技する。

「!?」

「・・警戒されてんじゃね?」
今度はニヤニヤと癪に障る笑みを浮かべて言った。

バカな。


㊤2:夏景色


セミがジージーと張り付くように鳴く暑さの中を、てろてろ歩いて帰った。
(・・ん?)
玄関の前に、ウチの制服を着た女子が立ってる。
(誰だ?)
近付いていくと、その女子は僕に気付いたらしい。
「っあ・・・!」
と顔を上げた。何やらめんどくさそうな気配が漂う。
(・・シカトしとく?)
「一色くん!!」
家に入ろうとしたら呼び止められてしまった。
仕方無く振り向き、だるそうに斜に構える。
「・・・ウチに何か用。」
「あ、あの、あたし・・3年の・・」
このクソ暑い中ずっと立ってたのか、顔が真っ赤なんですけど。
でもどっかで見た顔だよな・・・・。
(あ。)
「吹奏楽部の、クラリネットの。」
なんか特徴的だったので、憶えていた。
その女子の顔が、ぱぁっと輝く。
「!そ、そう・・・!・・デス。。」
「あれ?美羽んち、誰もいない?」(いつもならおばさん・・)
「コレ!!」
突如差し出されたのは、イマドキ珍しい、手紙!?
「中に、あたしのメアド入ってるから!!」
「え、あ・・美羽・・??」
「違いマス!!」
急にドスの効いた声で否定される。
「とにかく!もらって!!」
強引に押し付けられると、そのまま走り去って行った。
玄関前で一人、くしゃっとなった封筒を見る。
独特な丸文字で表に『一色 翼君へ』、裏にその女子のと思われるフルネーム。
どっちも末尾にわざわざピンク色のペンで書かれた🩷。
これは・・・いわゆる、ラブレタァー!?
(め、めんどくせぇ・・・。)
ストレートに告らる方があっさり断れてラクだっつーの。
(つーか、強化練習じゃねぇの!?しかも3年だろ!?)

『・・はぁ~っ』と重い溜息を吐いて、2階の蒸し暑い自室に入る。
手紙は封も開けないで机の上に放り投げると、
漫画やゲームソフトの山に埋もれた。

㊤2:ラブレター



朝も帰りも美羽に会えないと、意外に顔を合わさないもんなんだな。
意図的に行動しないと、美羽の姿さえ見ることがままならない。
唯一は、体育ぐらい。
しかも体操服姿。髪の毛2つ分け。まじカンベン。(カワイイw)
相変わらずどーんくっさい美羽が見れる。
そして、ただひとつ、僕が輝ける時間だ。
あとの授業は、大抵寝てる(前夜のゲーム疲れも然り)。

それでも、朝と放課後は必ず美羽に声を掛けるようにしていた。
ケンイチの『警戒されてる』発言が気になっていたが、
美羽は至って普通で、普段と特に変わりない様子だった。


宝石ブルー次のページへ
☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆
*写真素材サイトサマ*
*水珠*サマへ *マリー・テレーズ*サマへ