20**年10月**日
今日は英検の日だった。
起きたときはそんなに眠くないと思っていたが、試験会場についてみると、眠くなってきた。頭が重い。
当たり前だ。寝るのが遅かったんだから。
いまさら勉強しても、むしろ逆効果だ。こういうときは試験直前までずっと眠ることが一番よい時間の過ごし方だということを、俺は経験上確信している。
しかし、がんばって眠ってみたものの頭痛はとれなかった。
俺は準1級の受験者の中で、一番早く教室についた。
俺の次に教室に入ってきたのは、同い年ぐらいの女性だった。たぶん俺が通ってた大学の学生とかだろう。
それからしばらくして、だんだん人が集まってきた。
俺は教室の一番右上の端らへんの席についていた。どうしてその席を選んだかというと、目に余計なものが入ってこないからだ。もし四方を人に囲まれていたら、その人達の動きが目に入ってきて注意が逸れてしまう。
先ほどの女性は俺の後ろに座っていた。
俺の左隣りには、見た目中学生ぐらいの女の子が座った。顔はすごく地味な感じだった。多分ものすごく英語ができるのだろう。どうせ例の大学の附属中の生徒とかに違いない。
試験開始直前ぐらいに、外人で高校生ぐらいの私服の女が入ってきた。
外人なら、準1級なんて受ける必要ないだろ。
試験開始後、俺がまだ1ページ目の問題を解き終わらないうちに、左後方あたりから用紙をめくる音が聞こえてきた。それから10秒後ぐらいに、同じところらへんから用紙をめくる音が聞こえてきた。たぶんこいつらはかなり英語ができるのだろう。
ショックだったのは、左隣りの女子中生が俺より少し早く次のページに進んだことだった。筆記試験の間ずっと、この人は俺よりリードを保っていたようだった。結構余裕で筆記試験を終えたようだった。
この人の足(靴)が、俺の視界の左側にチラチラ見えた。足(靴)をやや小刻みに動かしていたようだった。
せっかく端の席を選んだのに、これでは意味がない。
気になって試験に集中できなかった。視界から足(靴)を追い出すために、俺は顔を手のひらで思いっきり覆い、上体をやや右に逸らさなければならなかった。
後ろの女子大生は、俺より少し問題を解くのが遅かったようだ。かなり苦戦しているという雰囲気をだしていた。筆記試験を最後まで解く時間がなかったのではないかと思う。ちょっと同情する。解けないのは、お前のせいじゃない。
筆記試験については、俺のスピードは真ん中より少し下ぐらいだったのではないかと思う。英作文にほとんど時間を割くことができず、本当にギリギリで筆記試験を終えた。あと10秒遅かったら、だめだった。
筆記試験はたぶん6割、もしかしたら7割ぐらいとれたかもしれない。まあ結局、それなりになんとかなったと思う。
だが問題はリスニングだった。
正直なところ、何を言っているのかまるっきり分からなかった。
自信を持って答えた問題なんて、2・3問ぐらいしかなかった。
でも女子中生は、結構、いやほとんど分かっていたようだった。解答のマークを塗りつぶすときに、やけにデカイ音をたてながら問題用紙に丸をつけていた。ちょっと嫌味くさかった。
全体的に評価すれば、たぶん落ちたと思う。筆記試験は合格点に届いているかもしれないが、リスニングがまるっきりだめだった。全体として正答率が6割か、それ以下ぐらいだろう。
試験が終わったあと、私と同じ教室から女子高生が出てきた。端整な顔立ちで、でも性格はキツそうだった。こういうヤツは、自分は頭がいいと確信しているようなオーラを放っているように思われるから嫌いだ。
帰りの列車の中では、爆睡した。
気がついたらヨダレを垂らしていた。Yシャツに灰色のシミがついていた。誰かに見られたかと思うと、ものすごく恥ずかしかった。
もうろうとする意識の中で、試験の解答ミスに気づいた。on the other hand と in fact の二つの選択肢で悩んだ問題があったのだが、よく考えてみるとon the other hand が正解だったことに気づいた。
メチャクチャ落ち込んだ。
駅について改札を通るとき、持っていたケースを落としてしまった。
それから家について階段を上るとき、足を踏み外してしまった。
体にガタがきている証拠だ。経験上、こういう現象は寝不足と疲労から来ることを知っている。
気分は最悪だ。試験の問題用紙に記載されていた情報によれば、合否の通知は11月10日までに届くらしい。それで2次試験は11月16日らしい。
でもまあ、落ちているだろう。
そう分かっていても、やはり不合格の通知をもらった日には、気分はどん底だろう。
立ち直れるかどうか、自信はない。