私のような氷河期世代は、学校を卒業しても、

希望通りの就職が叶いにくかった世代です。

 

終身雇用を理由に、不景気でも従業員を不当に

解雇できず、そのかわり当時の新卒者の採用を

控えることで雇用を維持する企業が多かったの

でした。

 

一方で、リストラや、企業合併や組織変更など

あったはずです。既存の社員も、何かと待遇が

悪くなり、自主的に退職を選んだ人もいたはず

です。

 

中高年にもなれば現在でいう「新卒カード」の

効力も失効しているでしょう。しかしながら、

就職事情がよかった時に、たまたま時の運で、

待遇の良い会社にいたような人は、その組織を

抜けてから、あらゆるものを失ったと錯覚する

かもしれません。

 

いわゆる脱サラをして、起業などをする人の

中には、昔の勤務先を肩書に入れるような人も

確かにいます。それで、現在はどうなのかと

いうことです。

 

起業や独立でうまく行かない事例でよく紹介

されるのは、昔は給料などで待遇の良かった

ホワイト企業にいたような人です。

 

私たちの世代よりも就職戦線が緩く、努力も

せずに高給取りになっていた時期があった場合、

その時に得ていた給料などは、独立後も簡単に

稼げるといった思い込みがあるようです。

 

もともと、そこまで有能ではないのに、仕事が

回ったのは看板のお蔭であって、何も本人が

頑張ったからではないという事実が認識できて

いないようなのです。それで転落したとしても、

それは、本人の人間性や能力からすれば相応の

ところに収まっただけといえるでしょう。

 

令和の世は、世界規模で変革が進んでいます。

組織などに頼り切ることもできず、国家が、

国民のために保障してもらえることも限界が

あるでしょう。できる努力をしないと、時代に

取り残されるくらいの変革期に生きていると

いってもよいのです。