文章には「声を出して何度も読んでみたい」ような、
美しく、わかりやすく、音読すると心を打つような名文
というものがあります。名文には簡潔で本質を突くもの、
音読するとそのリズム感などが良くて、言葉選びが絶妙
なものなどがあります。
私もFPでは講師業務をさせていただいていますので、
名文から参考にすべきなのは、その的確な説明であったり
言葉遣いの的確さなどが考えられます。難解な事項でも
わかりやすい言葉などに置き換えて、わかりやすく伝える
説明能力が求められるからです。
その点、試験対策というものには、名文よりも悪文に直面
することが多いです。大学受験でも現代文などは、わざと
無意味に難解な文章を出題することがあります。悪文を
出すことで、その言葉の意味を字面から解釈させる技量を
受験生に求めるところが入試の国語にはあったりします。
そして、資格試験でも悪文がついて回ることがあります。
日商簿記には「日商語」という用語があるように、日商
独特の無意味に難解な日本語が問題文に出てきます。
これは、非常に難しい簿記1級に限らず、平気で簿記3級
でも情け容赦なく出てくるのです。
簿記の試験は、初級とされるレベルのものであっても、
簿記独特の用語に加えて、出題者の意図がわかりにくい
文章を出してくることがあります。わかりやすい日本語で
問題を作成すると、簡単に正解が出せるからなのかも
しれません。
悪文には、回答に不必要な情報を意図的に増やしたり、
文章を無理やり長くする場合もあります。宅建の試験では
紛らわしい引っかけ問題は定番と言ってもいいほどですし、
社労士の試験になると正誤を判断させる問題で、無駄に
長い文章を並べてくることもあります。要は「落とすため」
に問題文を悪文にしてるのではないかと思うほどです。