CB1100RDですが、エンジン停止中は良いのですが、エンジンを掛けるとキャブレターからガソリンが漏れてきます。漏れ伝ってくる場所から、ガソリン供給のT字ジョイントからの漏れが疑われます。

 

キャブレターを外すには、燃料タンクを外してから、エアクリーナーボックスとインシュレーターのバンドを緩め、エアクリーナーボックスを車体の後部側へ目いっぱいずらします。

次にヘッド側のインシュレーターからキャブレターを抜きます。キャブレターは車体の左側から抜き取るのですが、なかなか知恵の輪状態で、特にチョークシャフトとスロットルワイヤーホルダーが、エアクリーナーボックスやインシュレーターに引っ掛かって抜けにくいです。また、エアクリーナーボックスの左側のふたを外した方が抜きやすいです。

 

車体からキャブレターを取り外したら、キャブレターの4連をばらします。チョークバルブのビスを緩めるのですが、このビスは緩み留めのためにカシメられていますので、やすりでカシメ部分を削って緩めます。この時、削り粉がキャブレター内に入らないように注意します。

 

1番と2番、3番と4番の間にガソリン供給用のT字ジョイントがあります。ここにOリングがあって漏れを防いでいますが、カチコチに痩せてしまっていました。このOリングを替えればガソリン漏れは止まります。

 

せっかく4連をばらしたのですから、この機会にエアカットバルブも点検します。キャップを外すと、エアカットバルブ、スプリングと小さいOリングがあります。

 

これがエアカットバルブです。完全に破れてはいませんでしたが、全体にひび割れがあって寿命寸前でしたので、新品に交換します。

エアカットバルブの役割は、スロットルを閉じた時に吸入負圧が大きくなりエアジェットからエアの吸入が増えて空燃比が薄くなって、アフターバーンが起きるため、エアの通路を閉じて空燃比が薄くなりすぎないようにしてアフターバーンを防ぐことにあります。

 

次に、ジェットとパイロットスクリューの点検をします。これがパイロットスクリューですが、スクリューとワッシャー、Oリングで構成されています。

 

ワッシャーとOリングはキャブレター内に残るので、先端の曲がった細い棒で引っ掛けて外します。パイロットスクリューの戻し回転数は、1と3/4回転戻しです。

 

ジェット類も全て外して清掃します。穴の奥にあるジェットを外すには、エラの張っていないマイナスドライバーを使用しないと、穴の奥までアクセスできません。

 

これはフロートです。白い方が新品で、茶色い方が今まで付いていたものです。ガソリンが浸み込んで茶色くなったフロートは、重さが増すので、油面が高くなりがちになります。

 

4連を組み上げる時に注意したいことは、チョークシャフト部分の取り付けです。スプリングの掛け方が複雑なので、ばらす前に写真を撮っておくなどすると良いと思います。

 

キャブレターにもアライメントというものがあります。4連を組み上げるのに、ただ固定ビスを締めれば良いのではなく、4連の整列を出すために平らな板の上に押し付けておいてビスを締めていきます。

 

ガソリン漏れを起こしていればもちろんですが、アフターバーンがする、黒煙を吐く、アイドリングが安定しないなどの症状がある場合は、キャブレターオーバーホールをお勧めいたします。

調子の悪いキャブレターの特徴として、パイロットスクリューを開けすぎているものが多いです。車上で調整しようとして、スロットル開度とパイロットスクリューの兼ね合いを崩してしまっているものが多く見受けられます。

パイロットスクリューの戻し回転数は1と3/4回転戻しです。この数値から大きく外れることはありませんので、ご注意ください。