スズキGSX-S1000Fの車検整備をしています。
エンジンオイル交換、冷却水交換、エアクリーナー交換、スパークプラグ交換をします。
この車両は、スパークプラグの交換をするには、カウルとタンクを全て取り外す必要があります。スズキの基本工数は1.2時間ですが、左右のカウルを連結しているフックが外しにくいので、もっと時間がかかります。
タンクの下にエアクリーナーボックスがあって、それを丸ごと外します。するとエンジンのヘッドが見えてきます。この車両はダイレクトイグニッションです。イグニッションコイルを外してスパークプラグを交換します。インジェクション車なので、焼け色は白いです。
後付けで、クランクケース内の減圧バルブが付けられています。
1年に1回、パーツクリーナーで清掃しますが、タンクを外した時でないと清掃できませんので、この機会に清掃します。
リードバルブが1枚浮き気味です。リードバルブは消耗品なので、追従性が悪くなったら交換が必要です。
冷却水の交換は、ドレンボルトはないのでエンジン左側のホースを外して抜きます。
リザーバータンクはエンジン右側のエキパイの内側にあります。
冷却水を抜いても、エンジン内には残っています。そこで真水を入れてエンジンを始動します。エンジンを止めて再び冷却水を抜きます。これを3回繰り返せば、エンジン内の冷却水はすべて排出されます。
冷却水の濃度は50%なので、全容量の半分の量のLLCを注入します。リザーバータンクにも50%の冷却水を入れて、エンジンを始動します。完全にエア抜きをするには、暖まったエンジンを完全に冷機する必要がありますので、当店では一晩おいて翌朝ラジエーターキャップを開けます。すると、液面が下がっているので真水を補充します。リザーバータンク内も液面が下がっているので補充します。
オイルフィルターは、リザーバータンクの内側にあります。普段のオイルフィルター交換の時も、ここまでばらす必要があるので、整備性はあまり良くないと言えるでしょう。