2021年に流行語大賞にノミネートされた「親ガチャ」という言葉があります。
「生まれてくる子供は親を選べない」ことをスマホゲームのガチャに例えたわけですね。
今でもそんなことを言っている人たちがいます。
親ガチャ
生物学的に考えると「親ガチャ」というのはおかしな話です。
どう考えても、ガチャを引いているのは親の方で、むしろ「子ガチャ」というのが遺伝学的にも理にかなっています。
ですから、「親ガチャ」がハズレだと言っている人は、親が残念な「子ガチャ」を引いてしまったと考えるべきかもしれません。
アタリ・ハズレ
いわゆる当たりガチャというのは、SR（スーパーレア）、SSR（スーパースペシャルレア）、UR（ウルトラレア、アルティメットレア）のことを言います。
N(ノーマル）＜R（レア）＜SR＜SSR＜UR
といった序列があります。（ゲームによります）
ハズレとか言っている人もいますが、中学受験の塾に通っている時点でR確定は間違いありません。
偏差値50を超えたらSR、60を超えたらSSR、70を超えたらURくらいの感覚でいいと思います。
ガチ勢（重課金プレーヤー）の考え方
ガチ勢にとって重要なのは引いたガチャがアタリかハズレかという問題ではありません。
そもそも、そんなことを言っているのは無課金プレーヤーだけなのです。
無課金プレーヤーとは一切課金しないプレーヤーのことで、引けるガチャと言えば”初回無料”とか、イベントクリアボーナスとか、日々のログインボーナスやデイリークエストをコツコツやって貯めたコインで回す単発ガチャしかありません。
１回しか回せないので、ＳＲ以上が出る確率は極めて低いと考えていいでしょう。
ですから、運よくＳＲとかを引いた人を見ると羨ましくて仕方がないのです。
ガチ勢にはそういう発想はありません。
彼らは確率を考えます。
当然、全部引くまでガチャを回します。
ＳＲ以上のアイテムをコンプリートするのに理論上何回ガチャを回せばいいか、そのためにいくら掛かるのかというのが重要なのです。
10回分の金額で11回回せる11連ガチャ（SR以上確定）とか、期間中確率大幅アップとか、コインをまとめて購入するときのボーナスを利用することでコストを抑えることを「コスパが良い」と言います。
イベントはすべてフル参加で上位入賞を狙い、入賞ボーナスをゲットします。
ランキングは常に上位をキープしています。
無課金プレーヤーでそのレベルまで行こうと思ったら、一日中ゲームをし続けるしかありません。
ライフが１時間で全回復するとしたら、タイマーをセットして１時間ごとにプレーをするといった生活になります。
ランキング上位になると”廃人”と呼ばれます。
中学受験ガチャ
中学受験はガチャではありませんが、実力勝負の世界である以上はガチ勢というのが存在します。
例えば、１回解いてみて解けなかった問題は解けるまで繰り返す人たちです。
普通の人なら諦めるところを、どれだけ時間を掛けてでもコンプリートしようとするわけです。
そのためには時間が必要なので、低学年から塾に入れます。
講座は可能な限り受講し、塾も掛け持ちします。
毎日朝からデイリークエスト（漢字練習、計算問題）をクリアし、ガチャ（宿題）を回します。
もちろんコンプリート（全問正解）するまで何度も回します。
それを毎日やっていますから、当然テストも上位に入ります。
入れなければまたガチャ（復習）を回す日々を繰り返すだけです。
上位クラスになると、みんなSSRフル装備で戦います。
その中でも上位のURフル装備の人たちが灘を目指します。
フル装備というのはゲームで言うと、武器、防具、スキルなどをすべてそろえているという状態です。
中学受験で言うなら、算数、国語、理科といった感じですね。
これらの装備には上限解放というのがあって、例えばSSRでも一定の条件をクリアすればURに進化させられるというものです。
同じSSRアイテムが何個か被ると、それを進化させられるという仕組みです。
そのためにはまたガチャを回します。
難関上位ならSRフル装備で十分勝てます。
そのためにはガチャを回す必要があります。
塾は毎週ログインボーナスがあるので、各教科毎回ガチャを回せるわけです。
上位クラスはSSR以上のアイテムが確定です。
下位クラスだとRは確定です。SR以上が欲しければ自分でガチャを回しましょう。
そんな彼らにとって、初回無料で引いた「親ガチャ」が”ハズレ”だったなんていうのは鼻で笑うレベルなわけです。
お小遣い制
宿題が出来たら100円とか、テストで満点を取ったら100円などといったお小遣い制を導入している家庭もあるかと思います。
満点を連続するたびに２倍なんていう話も聞いたことがありますが、１ヶ月間３科目で満点を取り続けると総額80万円を超えます。
ところが、それで子どものモチベーションが上がるかというとなかなか上手くいったという話を聞きません。
どう考えてもその金額では割に合わないということなのでしょうか。
みなさんが同じことを副業でやれと言われたら、おそらく絶対に納得できない金額だと思います。
だからと言って、子どもに時給1000円とか与えるのも問題です。
点数が取れなくてもお金がもらえることに満足してしまうからです。
それを解決する方法が「ガチャ」なのです。
宿題を１回やるたびに１回ガチャを回せる、テストで取った点数に応じてガチャが回せるというシステムはどうでしょうか？
ガチャですから何が出るかわかりませんし、ハズレもあります。
それでもたまに大当たりが出ると思うと、病みつきになってしまうわけです。
さらに、チャレンジ出来るのは１時間に１回までとか、１日３回までとか制限をつけます。
各教科１回ずつとかでもいいです。
それが課金ゲームの運営会社の手口なのです。
うまく真似をすればきっとハマります。
ガチャ（宿題）を回してアイテム（知識）をコンプリートしましょう。
上位クラスに上がってSSR（発展レベル）をゲットしましょう。
みんなで”廃児”を目指しましょう。
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