4月生まれ有利説 | 中学受験 玄人思考のブログ XII

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よくスポーツの世界では早生まれ不利説なんていうのがあります。

早生まれとは1月1日~4月1日に生まれた人で、4月2日~12月31日に生まれた人は遅生まれになります。

 

原因として考えられるのは、同じ学年において誕生日が4月に近い人と3月に近い人で成長差があるからだと言われています。

これがスポーツのような身体を使った勝負の世界においては体が大きい方が有利となることが多いからだというのです。

 

小学生の平均身長を調べてみました。

男子の年齢と身長です。

5 111.1
6 117.0
7 122.9
8 128.5
9 133.9
10 139.7
11 146.1

 

1年で6㎝くらい伸びます。

これがバスケとかだと6cmの差はかなり大きく、諦めたらそこで試合終了です。

もちろん個人差がかなり大きいわけですから、その中から強い選手だけ集めたら平均身長はもっと高くなってもおかしくないですね。

強い選手はレギュラーに選ばれ、試合経験を積んでいくと考えるとそういうことになるのかもしれません。

 

とある新聞の記事によると、

野球少年800人くらいの誕生月を4~6月、7~9月、10~12月、1~3月の4つに区分してみたところ、人数比が27%、25%、26%、23%と大きな差はなかったそうです。

(四捨五入しているので合計は100になりません)

 

ところが、その年の全国大会に出場した人の誕生月を調べると、45%、30%、19%、6%となったそうです。

 

また、2022年の夏の甲子園出場選手の誕生月を調べたら、39%、30%、18%、15%となったそうです。

 

少なくとも日本国内の野球においては、トップレベルでは誕生日が4月に近いほど有利という傾向が見られるようです。

 

 

プロ野球はどうなのでしょうか?

今年の各球団の登録選手のデータがあったので調べてみました。

 

セ・パ両リーグの合計です。

赤は外国人選手です。(新学年が4月スタートではないと思うので分けました)

 

やっぱり誕生日が早い(4月に近い)方が有利な傾向がありますね。

 

・野球を始めるのは小学校低学年くらいから

・低学年においては成長差が出やすい

・体の大きい選手の方が有利であることが多い

・試合経験を積むことでさらに選手として成長する

・生き残れない人が辞めていく

ということなのでしょう。

早生まれは不利だからと最初から諦めてしまう人もいるのかもしれません。

 

 

 

中学受験においてはどうなのでしょうか?

 

学年スタートの時点で最大で1歳近い年齢差があると、学力差が出るのではないかと考える人もいるようです。

考えるのは自由ですが、「そうとしか考えられない」というのは根拠にはなりません。

ですが、実際にそういうことを調べたデータが見つからないので、私の経験に基づいて考えてみましょう。

 

大手塾で講師をしていた頃に、授業中に生徒の誕生日を聞いてみたことがあります。

4月有利説を調べようと思ったわけではありません。

 

クラスが30名だと同じ誕生日の人が1組いる確率は約70%という話をしていて、実際に確かめてみようという流れになったのです。

そのクラスは最上位クラスでした。

4月が多いかなと思ったのですが、わりと満遍なく散らばっているという印象でした。

他のクラスでもやってみたのですが、特に4~6月が多いというわけでもありませんでした。

サンプル数が少ないので何とも言えませんが、4月生まれ有利と言えるほどの結果も得られませんでした。

 

ちなみに同じ誕生日の人がいて「おお、すげ~」なんて盛り上がったので、確率の計算方法の話をしました。

全員が異なる誕生日になる確率を求めて、それを1から引くと「同じ誕生日の人が1組以上存在する確率」を求めることが出来ます。

1人目の誕生日は何でもいいので365通り(確率は365分の365)、それに対して2人目は残りの364通り(確率は365分の364)、3人目は363通り(確率は365分の363)……。

これをひたすら人数分掛けていくと、30人で約29%になります。

これが全員の誕生日が異なる確率です。

ということは残りの約71%が、同じ誕生日の人が少なくとも1組いる確率になります。

40人クラスだと約88%、45人だと約94%になります。

 

 

 

やはりもう少しサンプルが多くないとどうしようもないですね。

そこで調べてみました。

 

https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2007/12/pdf/029-042.pdf

 

結論を言うと、中学受験においては誕生日が4月に近い方が有利ということのようです。

分布としてはプロ野球選手と似たような感じですね。

 

 

 

大学受験ではどうでしょうか?

 

 

この記事によれば、東大生の誕生日は満遍なく散らばっているとのこと。

それより気になるのは親の年収の差でしょうか。

 

大学受験に関して言うと、「受験生が必ずしも同学年ではない」ということを考えなければなりません。

 

私立高校の合格実績が上位に来るのは、カリキュラムの差が大きいと思われます。

公立高校で3年生で習う内容を、私立高校だと1年までに終わらせていたりします。

私立高校の3年生はカリキュラムで見ると、実質「公立高校出身浪人生」と中身が同等ということですね。

※ 中高一貫の場合です。

 

 

 

 

まとめ

というわけで、中学受験でも4月有利の傾向は見られるようです。

が、それ以上に入塾する学年とか、クラス帯とか、家での勉強時間が大きく影響します。

 

ですから、「早生まれ」だから不利だと決めつけるのはよくありません。

特に自分の成績が悪い理由を早生まれのせいにしても意味はありませんし、成績も上がりません。

 

早生まれが理由だとするならば、飛び級生(小学校では1学年下)に勝てない理由を20字以内で説明してください。

 

 

 

 

 

ちなみに私の誕生日は4月23日です。

 

 

 

 

 

 

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