偏差値について その3 ~本当にA判定が取れているのか?~ | 中学受験 玄人思考のブログ XII

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6年生と言えば偏差値がどうしても気になる年頃です。

A判定(R4)偏差値が取れなくて悩んでいる人も、ギリギリ取れたけど不安という人もいると思います。

 

そんなときには塾で相談するのが一番なのですが、塾の先生もあまりはっきりしたことは言いません。

偏差値が足りていない人には、「まだ4月なのでこれから頑張ればいい」などと夢のあることを言います。

ですが、偏差値が届いている人には「まだ先は長いからここで油断してはいけない」などと怖いことを言います。

 

どうしてそんなことを言うのでしょうか?

マニュアルでもあるのでしょうか?

 

マニュアルがあるかどうかは知りませんが、塾では「絶対」という言葉を避ける傾向があります。

まあ、結果が出なかったときに責任問題になったら困るからですね。

ベテランの先生ともなると、経験的にいろいろなケースを見てきていますから、あまり決めつけたくはないというのもあるかと思います。

 

 

本当の理由を教えましょう。

 

 

塾の偏差値表は今年終わったばかりの入試データを基に作られた来年度の予測偏差値を載せています。

基になるデータというのは、学校ごとの受験受験者の平均偏差値と入試結果です。

80%のラインの計算方法は前回説明したとおりです。

 

では、受験者の平均偏差値の算出方法について説明しましょう。

これは塾によって多少差があるかもしれませんが、私が勤務していた塾の話です。

平均偏差値とは複数回受験した公開テストの偏差値を平均したもので、その小数点以下を四捨五入して整数値にしたものを用います。

複数回とは、6年生の9月以降の公開テストが対象となります。

つまり、9月、10月、11月、12月の4回の平均値です。

1回休んだ場合は3回分の平均値になります。

 

この4回の平均値の小数点以下を四捨五入して整数値にしたものがその生徒の偏差値とみなされます。

それがA判定偏差値以上であればA判定となるわけです。

 

 

ということは、1回A判定の偏差値を超えただけでは平均値がA判定に届いていない可能性が高いということです。

2回くらいでは平均したら届かない場合も考えられます。

3回A判定を超えていたら、平均値がA判定以上になる可能性は高くなります。

 

同じ偏差値を取っている受験生でも、4回ともA判定ギリギリの人もいれば、2回は超えたけど2回は足りないという人もいます。

1回で大きく稼いで、残り3回は届いていないという人もいます。

そういう人は入試当日の運次第でどうなるかわかりません。

 

仮にA判定以上なら合格確実だったとしても、それが2回に1回しか超えられないのであればその人の合格可能性は50%しかないということになります。

4回に1回なら25%しかありません。

 

逆に考えて、A判定に1ポイント足りない人(B判定)の人でも、何回かに1回大きくA判定を上回ることが出来る人であれば、合格の可能性は0ではありません。

4回に1回なら25%もあるのです。

 

そういうケースを全部まとめて集計すると、だいたいA判定ギリギリの人で50~60%くらいの合格率になります。

ただし、塾生のほとんどが合格できる難関レベルの学校の場合はかなり高くなります。

そのあたりは塾のコース担当の先生に聞いてみてください。

 


ここで一番気をつけなければならないのは、

・あくまでも6年の9~12月の成績が基準となるということ

・平均値(四捨五入して整数値)であること

です。

 

ということは、4月の時点でA判定偏差値を取れたとしても、それは確定値ではないということです。

おそらくこのままいけば最終的にA判定に届く可能性が高いというくらいのことしか言えません。

 

ですが、問題は「受験の天王山」とも言われる夏休みです。

 

この時期になると、受験学年は塾で激しく追い込まれます。

夏期講習+平常授業+日曜志望校別特訓+その他特訓講座+イベント等により、最難関志望であればほぼ休日なしで勉強することになります。

塾も朝から晩までになります。

宿題は回らなくなる可能性がありますが、みんな同じ条件なのでそれが不利に働くとは限りません。

段、勉強時間の少ない人だとこの時期に一気に学力が上がる可能性が高いです。

ですが、みんな学力が上がると平均点も上がるので、偏差値には影響が出にくいとも言われています。

 

最難関志望と難関志望でコースが分かれるので、必然的に勉強量に差が出ます。

したがって、夏期講習までに最難関コースの受講資格が取れない人は最難関校を諦めなければならないことになります。

それでも頑張ればどうにかなると考えるのであれば、夏までに資格を取れるように頑張りましょう。

資格の対象となるのは5月~6月の成績です。

7月でも夏期講習にギリギリ間に合いますが、志望校別特訓には間に合いません。

 

ギリギリ取れた人でも、9月以降にさらにコースが分かれ、志望校によっては受講基準となる偏差値が上がります。

ここでさらに振り落とされるのです。

そこから逆転しようと思っても、時間が絶望的に足りません。

 

まだこの時期ですから教えておきましょう。

6年生の後半で勉強時間が足りなくなる人というのは、給料日前になるとお金が足りなくなる人と一緒です。

みんな同じ時間を生きているのに、自分だけが少なくなるということはないはずです。

ではなぜ足りなくなるかというと、今この時期に勉強時間が少ないからなのです。

今遊んでいる(勉強していない)時間が多いから、あとで足りなくなるのです。

 

 

「アリとキリギリス」の話はみなさんご存じだと思います。

夏の間もせっせと働いていたアリと、遊んでばっかりいたキリギリス。

冬になって食べ物がなくなるとキリギリスはアリに助けを求めますが、それは自業自得だと突き放されます。

別バージョンでは、優しいアリがキリギリスを助け、キリギリスは改心するという話もあります。

 

キリギリスが歌ってばかりいると思われていますが、鳴くのはオスだけでこれは子孫を残すための大事な求愛行動なのです。

成虫は冬には死んでしまうので、それまでにメスは卵を産まなければなりません。

一方、せっせと働くアリはハタラキアリです。性別はメスです。

女王アリとハタラキアリの違いは受精卵が孵化した後の栄養状態で変わるといわれています。

未受精卵はオスとなります。(雄ヘテロ型)

 

実際のところ、食べ物が無くなったキリギリスがアリの家を訪ねた場合、アリさんたちは大喜びですね。

餌が向こうからやってきてくれるのですから。

 

 

 

 

というわけで、9月からの平均値が本当の偏差値ということです。

それまでにどうにかA判定偏差値を超えられるようにならなければなりません。

しかし、最難関志望の場合は夏期講習があるので、それまでに資格をとらなければなりません。

それが5~6月です。

 

 

そう考えたら今すぐ勉強を始めるのもアリだと思います。

夏になってから慌ててもギリギリっす。

 

 

 

つづく

 

 

 

 

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