本当にこのままで大丈夫でしょうか? | 中学受験 玄人思考のブログ XII

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大手塾では公開テストの翌週あたりに教育相談が多くなります。

成績が下がった人や、志望校の偏差値に届かない人、志望校別特訓の受講資格に届かない人などが慌てて相談するのです。

 

ですが、ほとんどの場合「このままで大丈夫ですよ」と言われます。

ちょっとサボり気味の子の場合は「もっと頑張ってください」なんて言われたりします。

 

でも、本当にこのままで大丈夫なのか心配になる人もいるかと思います。

そこで、その辺のシステムについて簡単に説明しましょう。

 

 

  塾の対応

 

教育相談を受けるには塾の窓口などで申し込みをします。

電話でも大丈夫だと思います。

 

教育相談を受ける講師は基本的にその子の授業を担当している講師です。

(通常授業の担当講師、特訓講座の担当講師、受講コースの担当講師など)

希望する科目の担当講師に申し込むのが一般的だと思いますが、相談内容によっては教室責任者やコース責任者に相談することもあるかと思います。

勉強方法や志望校に関する相談は講師に相談しますが、校舎の移籍や受講手続きなどの事務的な内容は教室職員に相談すればいいでしょう。

 

 

通常授業の担当講師に相談した場合

 

志望校に関する相談に対応できるかどうかは、その講師がどこの志望校別コースを担当しているかによって変わります。

ですから、志望校に関する相談は対応できるかどうかを事前に確認しておいた方がいいですね。

事前に伝えておけば講師側も準備がしやすいと思います。

 

公開テストの偏差値、復習テストの点数に関する相談は通常授業の各教科の講師に相談すれば大丈夫です。

逆に、授業を担当していない講師に聞いてもあまり役に立つ情報は得られないかもしれません。

 

 

教育相談を受けた講師がまず最初に見るのは成績です。

過去数ヶ月間の偏差値推移、過去1~2ヶ月の復習テストの点数、クラス内順位といったところです。

最大のポイントは現状でクラス維持が可能かどうかではないかと思います。

通常授業において最も重要なのは「クラス替え」です。

クラス数が少ない校舎ではほとんど移動がないので、相談も少ない気がします。

人数が多い校舎はクラス帯によってはクラスが激動するので相談も多くなります。

 

比較的クラス数が多い校舎の場合を考えます。

クラス内の生徒のうち上のクラスに上がるのは毎回数名、下のクラスに落ちるのも数名です。

割合で言うと、下位1~2割にクラス落ちの危険性があるのです。

そう考えると、それ以外の8割~9割は「このままで大丈夫」という判断になります。

 

クラス替えが2ヶ月ごとであれば、2ヶ月間の平均値を考えることになります。

たまたま今月が悪かったとしても、来月で取り返せる可能性が高いと判断した場合には「このままで大丈夫」ということになります。

これは過去数ヶ月分の成績を見ればだいたいわかります。

 

というわけで、よっぽどこのままだとクラス落ちの可能性が高いと思われるような場合でもない限り、「このままで大丈夫」といわれることになるわけです。

確率的には9割くらいの人が「このままで大丈夫」なのです。

 

しかし、現状のクラスに満足していない人にとって「このままで大丈夫」というのは、「このままのクラス」ということなので不満を持つかもしれません。

そういうときは「クラスを上げたい」ということをはっきり伝える必要があります。

すると急に「今の勉強量では全然足りない」とか言われたりするかもしれません。

クラスが上がるためにはクラス内で上位1割くらいに入っていないと難しいからです。

 

基本的に講師が目指すのはクラス全体の学力を上げることですが、あまりクラスの上下にはこだわりません。

というのも、誰かが上のクラスに上がっても、そのかわりに誰かが落ちてくるわけですし、逆に誰かが下のクラスに落ちても、そのかわりに誰かが上がってくるからです。

生徒が入れ替わるとクラスの雰囲気が変わることもありますし、どちらかというとあまり変化がない方が講師にとってはやりやすいのです。

とはいえ、クラスが下がる子が出たら自分の責任みたいに言われるのは嫌ですから、なるべく落ちる子が出ないようには気をつけていると思います。

 

でも、こればっかりは講師が頑張ってもどうにもならないので、いつしか他教科の講師よりも「良い先生」と評価されたいと思うようになってきます。

それが上手く働くと相乗効果で全体の雰囲気が良くなっていくのです。

最悪の場合、他の講師の悪口を言い合うような殺伐とした雰囲気になってしまいます。

 

 

コース担当講師に相談した場合

 

志望校別特訓の授業は通常授業に比べて回数が少なく、まだ始まって間もない場合は生徒の顔と名前を認識していない場合もあります。

運よく通常授業や特訓講座でお世話になっている講師に当たったらラッキーですね。

 

コース担当講師の場合、通常授業のクラスのことはあまり考えません。

基本的にコース内のクラス、最終的に志望校の合格可能性というものを考えるからです。

経験上、どの組のどのあたりの位置にいたらどの学校に合格できるかというのを把握していると思うので、その基準に基づいた判断になるかと思います。

 

現状で、第一志望校に合格できる可能性のある位置にいる生徒に対しては「このままで大丈夫」と言います。

問題は、第一志望校が厳しい場合です。

あと少しで届きそうとか、多少なりとも可能性がある場合は「今はこのままで大丈夫」と言います。

9月以降の受講資格が取れていて、現在のクラスを維持できそうな場合ですね。

 

受講資格が取れていない場合は「次のテストで頑張らないとまずい」などと言われます。

ギリギリ足りない人も、全然届きそうにない人でも同じことを言われます。

塾によっては9月の時点でコースが細分化されますから、そこで一旦リセットされるわけです。

その時点でコース資格がなければその子はどこか違うコースに行ってしまいますから、責任は持てないわけです。

 

実際、塾全体で見ても9月以降に第一志望校が大きく変わります。

合否判定などの模試でその学校の志望者数というのが出ると思いますが、その人数が激変するのです。

難関レベルのコース担当にとってはそこからが勝負の始まりです。

10月くらいになって、コース移籍などが落ち着いてくるとようやく状況が読めるようになってくるのです。

 

 

コース担当講師の本音としては、もちろん全員第一志望校に合格して欲しいとは思っているのです。

ですが、現実問題として全員が第一志望校に合格というのは困難なのです。

そこで、最低でもそのコースが勧める併願校に合格させればいいという考え方に至ります。

で、その併願校の合格ラインがコース受講資格になっていたりする場合もあります。

パッと見て「この子は絶対無理だ」と思っても、併願校には何とか合格できそうだと思ったら「頑張れば何とかなる」とか言うのです。

もちろん頑張っていないと併願校も厳しくなります。

 

 

 

 

特訓講座の担当講師に相談した場合

 

特訓講座は基本的に最難関を目指す人が受講する講座です。

したがって、講師の判断も最難関コースの基準に合わせたものになります。

この学校に合格するためには最低でもこのクラスのこの辺というのを経験的に知っているのです。

 

科目によって微妙に違いますが、算数が一番重要になるかと思います。

算数がその基準を超えていれば、「とりあえず今はこのままで大丈夫」とか言われます。

 

国語の先生に相談しても、まず算数の成績が取れているのかを見られると思っていいでしょう。

国語が十分だと判断された場合、算数をもっと頑張れと言われるかもしれません。

 

ただし、特訓講座の担当講師は最難関コースの担当者か経験者である場合がほとんどだと思います。

基本的には志望校別コースの担当講師と同じことを言うと思います。

 

特に6年生の場合、灘を目指すための特訓講座ともなるとA判定に届いていない場合はかなり厳しめのことを言われる可能性が高くなります。

他の最難関校にくらべて明らかにオーバーワークになるからです。

 

あまりここで例を挙げても意味はないので、気になる人は塾で相談してみるといいと思います。

 

 

 

  5年生以下の場合

 

志望校に関する相談をすると、

「このまま頑張れば大丈夫」

「まだ先は長いから頑張って」

などと言われることが多いかと思います。

 

あとは、

「宿題をしっかりやりこむ」

「復習をする」

「クラスが上がるように頑張ろう」

といったところでしょうか。

 

保護者の側からかなり踏み込んだ質問をしない限り、何となく流されてしまうかもしれません。

 

というのも、この時期6年生を担当している講師は忙しいのです。

これからさらに忙しくなります。

年末にもなると6年生のことしか考えられなくなります。

 

そんなタイミングで4年生の教育相談を受けると、頭の中がバグるのです。

残り何日しかないとか言っている6年生に対して、4年生ならあと700日以上あるわけです。

そう考えたら何でもできそうな気がしてくるわけです。

(※さすがに限度というものがあります。)

 

ですから、あらかじめ相談する内容を箇条書きにしてまとめておくとか、家庭で考えた方針を添削してもらうとか、具体的な数値目標を設定するとか、何らかの工夫をしておくといいと思います。

「成績が下がったんですけどどうしたらいいですか?」だけだと、「今はまだ気にしなくていいです」とか言われるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

というわけで、教育相談を受けるときの参考になれば幸いです。

各教科の先生に相談してみてください。

 

保護者のみの相談と、お子さんも含めた三者面談とでは講師が喋る内容が大きく変わる場合があります。

三者面談の場合は事前に打ち合わせをしておくとスムーズにいくかもしれません。

 

 

 

 

 

 

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