「せっかく高いお金を払っているのだからもっと塾を利用すればいい」

よく聞くセリフです。

「なるほど。じゃあもっと利用しよう」なんて思ってみても、どのように利用すればいいかわからないなんてことがあるかもしれません。

 

今回は塾を利用する方法について考えてみましょう。

 

 

 

  塾を利用する

 

さて、塾を利用すると言っても何が出来るのでしょうか?

冷静に考えてもらえばわかると思いますが、塾を利用すると費用が掛かります。

お金を掛けずに利用できるサービスというと、

・無料体験授業

・無料オープンテスト

・無料入塾テスト

などがありますが、塾外生向けのものですか入塾してしまうと利用できません。

 

無料で使える塾生向けのサービスとしては、

・無料教育相談

・無料保護者説明会

・無料自習室

・無料質問受け

・無料送迎バス

・無料トイレ

あとは

・ノートを忘れたときに貰えるコピー用紙(テキストコピーは実費)

・筆記具を忘れたときに借りられるちびた鉛筆と丸まった消しゴム

くらいでしょうか。

 

もう少し詳しく説明しましょう。

 

無料教育相談

教室で申し込めば教育相談を受けることが出来ます。

日程は担当講師のスケジュール次第です。

電話相談も可能です。

 

無料ではありますが、塾としては経費が発生します。

特に講師が非常勤講師の場合は1件あたりの手当てが貰えます。

専任講師や教室長(社員)が対応する場合は勤務時間内なので手当ては出ませんが、通常業務の時間が削られてしまいます。

で、その費用は誰が負担するのかという話になりますが、給与を支払うのはもちろん塾ですね。

その財源は主に生徒が支払う授業料です。

教育相談を受けた生徒が直接支払うのではないので「無料」なのですが、厳密には教育相談を利用した人にかかる経費を生徒全員で負担しているという形になります。

健康保険とか年金みたいな感じですね。

ということは「教育相談を利用しないと損をする」と考える人が出てくるのも当然でしょう。

どんどん利用してください。

教育相談が増え過ぎたらそのうち有料になるか、回数制限が出来るか、さりげなく授業料が値上がります。

まあ、可能性としてですが。

 

例えば、もっと塾の先生に声掛けをしてもらいたい、子どもの様子を見て欲しいなんて思っている人は積極的に教育相談を受けに行きましょう。

というのも、例えば来週に3者面談をすることになったとすると、講師は授業中にその子の様子をしっかり観察するのです。

この時期だとまだ全員の顔と名前、性格、成績などを把握しきれていないからです。

また、普段の授業では全く会話のない生徒でも、3者面談ではじっくり話をしますから、親近感がわいてくるものです。

子どもも先生に話しかけやすくなるので、質問もしやすくなります。

講師も面と向かって保護者からお願いされると、それを無下にもできません。

その後もなんとなくその生徒のことが気になって、たまに声掛けをしてくれたりするものです。

というわけで、この時期に教育相談をしておくといいかもしれません。

※悪い意味で注目されることもあるので、やたらと要求するのはやめた方がいいと思います。

 

 

無料保護者説明会

無料にする理由は、有料だと参加者が少ないからです。

もうすでに説明会はあったかと思います。

この時期の説明会の内容は主に春期講習に関する話ですね。

講習の内容(科目別)、時間割などの説明になるかと思います。

6年生なら今後の流れとか、イベントの案内とか、志望校別コースに関する話でしょう。

 

「結局、講習会を受講しましょうっていう営業でしょ?」なんて言う人もいますが、基本的に講習会は塾生のほとんどが受講します。

ですから、そこまで営業を掛ける必要はありません。

 

もし説明会がなかったらどうなるかというと、パンフレットやWebの案内を見てもわからないという保護者から問い合わせの電話が殺到します。

これは取った方がいいのか、取らない方がいいのか、どのコースにしたらいいのか、といった質問が多いです。

それを1件1件対応しているとものすごく大変です。

どうせ同じ説明をするなら、全員まとめて一斉にやってしまった方がいい、というわけで説明会をやるのです。

それでも参加できなかった人から問い合わせがきたりするので、説明会を録画したものをWebで見ることが出来るようにしたりするわけです。

塾としてはなるべく全員に参加して欲しいのです。

 

保護者としても、普段塾の先生と顔を合わせる機会は少ないですから、わざわざ教育相談を申し込まなくても説明会に行けば気軽に質問が出来たりします。

 

 

無料自習室

受講科目の関係で空き時間(待ち時間)が出来てしまうことがあります。

あるいは私立小の子が学校帰りに直接塾に来ると、時間が早すぎたりすることもあります。

そんなときに自習できるように教室を開けてくれたりするのが無料自習室です。

ですが、自習室監督はいませんし、講師もいないので質問が出来ません。

さすがにうるさい子がいたりすると職員が叱りに来ます。

まあ、無料ですからそれが限界です。

わざわざ家を早く出てまで利用する価値があるかどうかはその校舎や環境次第ですね。

 

 

無料質問受け

これは授業前、休憩時間、授業後などの空き時間に質問に行ったら教えて貰うというものと、あらかじめ教室が用意されていて限られた時間内に講師に質問できるタイプのものもあります。

※授業を担当する講師とは限りません。

無料の塾もありますし、有料の塾もあります。

無料の塾が羨ましいと思う人は、その費用がどこから出るのかを正しく理解すればその気持ちが少しはおさまるかと思います。

 

前者の質問は講師がつかまらないとき、忙しいときは対応してもらえない可能性があります。

質問する人が多いと順番が回ってこないこともあります。

テキストの宿題範囲以外の質問を受け付けてもらえない場合もあります。

過去問の質問などは禁止されている場合もあります。

 

ちなみに、質問受けの講座だと非常勤講師には時給が発生します。

ですが、休憩時間の質問は講師にとっては業務時間外ですし、食事をしたり、校舎移動があったり、疲れていたりするので対応できない場合があります。

特に、質問受けの時間が用意されているのに、それ以外の時間に質問に来られると対応できない場合があります。

毎回質問を持ってきて講師を独占する生徒に対してクレームが入ったこともありました。

そういうことが続くと、「質問禁止」とかになりかねません。

 

無料送迎バス

一部地域では無料送迎バスを出している塾もあります。

塾の宣伝にもなるのですが、その一方で叩かれる原因にもなったりします。

バスが停まっていて邪魔だとか、駐車違反だとか言われたり、通報されたりするんですね。

でも、バスがなかったら保護者がみんな車で迎えに来るので、さらに状況は悪化します。

 

たまに運転手さんに対して暴言を吐く生徒とか、それに対してやたら怒る運転手さんとかもいたりします。

あまりひどいと教室職員が同乗したり、講師が注意しに行ったりもします。

 

もちろん、無料のバスに掛かる費用は塾が負担しています。

で、最終的にはみなさんの授業料に上乗せされるということです。

 

 

無料トイレ

トイレは無料です。

保護者も利用可能です。

 

たまにトイレにいたずらをする生徒がいます。

トイレットペーパーを丸ごとトイレに詰めたり、窓から投げたりします。

それで、男子トイレが一時利用不可になったり、男子トイレの前に見張りが立ったりしたこともあります。

雑居ビルなどで他の会社も同じトイレを使う場合は特に注意が必要です。

 

 

ノートを忘れたときに貰えるコピー用紙

3枚貰ったとしても単価1円くらいです。

ノートを忘れないようにしましょう。

コピー用紙が欲しい人はB5サイズ500枚とかを買うといいと思います。

 

テキストのコピー代(実費)を取る塾は、テキストを忘れないようするためにわざとやっています。

別に数十円をケチっているわけではありません。

どうせ財源はみなさんが払う授業料です。

 

 

筆記具を忘れたときに借りられるちびた鉛筆と丸まった消しゴム

これはもともと生徒が忘れていって取りに来ない忘れ物です。

綺麗な鉛筆を貸してくれる塾もあるかもしれませんが、それでは忘れ物はなくならないどころか、返しにも来なかったりします。

忘れないように気をつけましょう。

 

 

 

 

  面倒見のいい塾

 

面倒見がいい塾と言えば、必ず名前が上がるのが希学園。

もちろん、それを言うのは希学園の保護者です。

 

「面倒見」って具体的にはどういうことでしょうか?

 

・先生からの声掛け

・ノートチェック&コメント

・質問受け

 

などがあげられると思います。

希学園の場合、授業に学習サポートルームの時間が組み込まれています。

また、授業後に居残りサポートルームも用意されています。

宿題チェックもかなり丁寧にやるシステムです。

そもそも1回あたりの授業時間が長いですね。

塾で宿題をほとんど終わらせてくるので、保護者が宿題を見てやる必要があまりありません。

これが面倒見の良さというわけですね。

もちろん、それらのサービスが授業に組み込まれているので、授業料は高いと言われています。

 

 

浜学園の場合は、居残り強化指導(有料)があります。

下のクラス帯だと少人数レベルアップ特訓(有料)もあります。

そういうものをどんどん利用していけばもっと面倒を見てもらえます。

マスターの宿題を見てもらうためにわざわざ個別指導に通わなくても、格安で見てもらえるのですから利用しない手はありません。

ただし、1人が質問出来る時間=講座の時間数÷受講者数ですから、そんなにたくさんは質問できません。

最ㇾは難問解消の時間があります。

 

「優秀な子は大事にされている」と言う人もいますが、基本的に講座をたくさんとっている人ほど、面倒を見てもらえる機会は多くなります。

その分、費用は高くなります。

 

 

授業料がもっとも安いと言われる日能研(言っているのは主に日能研の保護者だと思います)ですが、一番安いのは本科の授業料です。

本科発展になると授業時間数が少し増え、費用も高くなります。

本科選抜、本科灘特はさらに授業時間数が増えるので、さらに特訓とかが入ると浜・希とそれほど差がなくなってきます。

クラス帯が違ったらもう別の塾だと思ってもいいかもしれません。

校舎、クラス帯によって全く雰囲気が違うのです。

 

 

馬渕教室は補習・居残り・再テスト、Web授業が「面倒見の良さ」ということになります。

月額にすると他の塾とそれほど大きく変わるわけではありません。

最難関を目指すのであれば特別講座は必須ですから、合計するとそれなりの金額になります。

校舎、クラス帯によって雰囲気が違うというか、教室長によって方針が違ったりするのはある意味自由度が高いということなのかもしれません。

 

 

 

 

塾を選ぶ(比較する)なら

授業料等の合計金額を比較するのも大事ですが、授業時間数、自習時間、質問受けの時間も含めて考える必要があります。

授業1時間あたりの単価はそれほど違うわけではありません。

面倒見を求めるのであれば、それに見合う費用は覚悟しなければなりません。

最難関を目指しているのであれば、特訓講座等を受講するのを前提として計算しましょう。

 

同じ塾でも校舎によって、あるいはクラス帯によって雰囲気が違います。

「人数が少ない校舎の方が面倒見がいい」と言う人もいますが、「そんなに面倒見がいいのならなぜ人数が増えない?」という意見もあります。

人数が多い校舎は面倒見が悪いと言われがちですが、クラスが多ければその分講師も大勢いますし、生徒の実力も揃うので指導しやすいという考え方も出来ます。

 

 

自分の目標に合った塾、校舎を選ぶというのが理想的な塾の利用方法ではないかと思います。

子どもの性格、通いやすさ、雰囲気、授業料で選ぶと高い目標には届きにくくなる可能性があります。

トップレベルを目指す人は自分から積極的に合わせていく能力(努力、財力)が必要かもしれません。

 

元を取りたかったら第一志望校に合格することです。

 

 

昔、「希学園に掛かる費用なんか全然安い」と言う人がいました。

聞けば、塾に入る前の習い事の方が何倍も高かったのだと。

コンクールとかで上位に入るレベルの子でした。

 

最難関(特にトップ校)を目指すということは、そういう人たちと戦っていなかければならないということなのです。

 

 

課金厨?

いやいや、ガチ勢ですよ。

 

 

 

 

 

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