まだ小学校が夏休み中の地域もあると思いますが、塾の夏期講習も終わり通常授業へと戻っていきます。
この時期に夏休みの総決算となる模試を控えている塾も多いかと思います。
受験学年なら志望校判定テスト、合否判定テストや公開学力テストなどの実力テスト、模試などがあるかと思います。
受験学年以外でも、9月に入って最初の実力テストは夏休みの成果を試されます。
その結果に衝撃を受ける人が毎年たくさんいるので、いまのうちにワクチン接種的な措置を。
※副反応として頭痛、吐き気、発熱、気分の落ち込み、イラつきなどが発生する可能性があります。
衝撃その1 思ったより成績が伸びない
「夏休み中にあれだけ頑張ったのだから、きっと成績が伸びているに違いない」と思っている人は要注意です。
おそらく夏期講習等の宿題のことを言っているのだと思います。
しかし、塾生のほとんどが受講していると思いますから、条件はみな同じです。
ですから、周りと比べて特別にたくさんの勉強をしたというわけではないのです。
みんな同じくらいの量をこなしてきているのです。
学力は勉強量に比例して上がってきているとは思います。
ですが、偏差値はあくまでも学年平均に対する相対的な位置関係をあらわします。
したがって、学年全体の学力が同じように上がったとすると、平均点が上がるだけなのです。
塾はそれを見込んで、平均点が高くならないように難易度を上げたテストを作りますから、結果的にいつもとそれほど変わらない結果となるわけです。
「努力したのに結果が出ない」というのが一番辛いですね。
頑張って残業したのに残業手当も出ない(サービス残業)みたいなのが一番やる気を失くす原因になります。
しかも、褒められることもなく、むしろ怒られるわけですからたまりません。
というわけで、
「夏休みの努力の結果は成績に反映されない」
と思っておいた方がいいですね。
むしろ、「成績が下がらなかったら、頑張った証拠」です。
成績維持なら学力は確実に上がっていますから、しっかり結果を出していると考えましょう。
全員がスパートをかけている状態で順位を上げるというのは至難の業なのです。
成績が上がる人
とはいえ、成績が上がる人も中にはいます。
過去の成績を振り返ってみて、上下の変動がなかった人の方が珍しいかと思います。
だいたい偏差値でいうと上下5ポイントくらいの幅で変動する人が多いです。
ということは、前回が悪かった人は必然的に次回の成績が上がる確率が高いと言えます。
特に科目別で見た場合にその傾向は強くなります。
全体でみたら3割くらいの人は偏差値で数ポイント上がると思われます。
ですが、2科・3科・4科の総合で見たらそれほど大きな変動はないといったところです。
もし、今まで取ったことがないくらいの好成績を出せたとしたら次のように考えてください。
1.単なる偶然が重なっただけ
科目別に見たら毎月上下があるかと思います。
それは得意単元・苦手単元だったり、うっかりミスが原因だったりします。
国語が良くても算数が悪かったり、その逆だったりするわけですが、運よくどちらもうまくいくことがあります。
2.カンニング疑惑
偏差値で10ポイント以上急上昇した場合は疑い濃厚です。
特に受験学年は受講資格が掛かっていたりするので、最終手段に出てしまったりします。
3.今までがサボりすぎ
普段は全然勉強しない子が夏期講習に入って半ば強制的に毎日勉強させられると、思わぬ成長をすることがあります。
とはいっても、偏差値30台が40台になったとか、偏差値40台前半が後半になったというレベルのものが多いです。
偏差値50を超えてくると、さすがに普段から勉強している子が多いのであまり急激な変化は起きません。
成績が下がる人
これが一番衝撃ですね。
特に受験学年で、最難関志望なのにこの時期になって成績が下がる人が毎年います。
主な原因
1.そもそも実力がない
前回の成績がたまたま運が良かったというパターンですね。
過去半年くらいの成績と比べてそれほど差がなかったら、それが実力だと考えるべきです。
2.周りの子の実力が低い
これは論外です。
要はカンニング失敗と言っているようなものですね。
クラスがどんどん落ちて戻ってくることが出来ない子はこれが原因です。
3.キャパシティーの限界
実はこれがけっこう多いです。
夏期講習で最難関コースを受講したものの、宿題や補助教材に追われて回らなくなっているケースです。
勉強時間は多いものの、実際にこなしている問題数は減っています。
しかも、難問ばかりやっているので基本がどんどん抜けていきます。
結果として、難しい問題がそれほど解けるようになったわけでもないにも関わらず、易しい問題が取れなくなってしまったといったところですね。
このまま同じことを続けていくと同じような結果が続く可能性が高いです。
志望校を考え直すタイミングかもしれません。
塾で相談してみましょう。
受講資格が上がった
9月から志望校別特訓が本格的になってきます。
今まで漠然と最難関・難関に分かれていたものが、学校別に細分化されるのです。
そうするとどうなるかというと、受講基準が上がるという現象が起きます。
例えば、灘、甲陽、東大寺、洛南レベルになると、今までの受講基準をギリギリクリアしていたようなレベルでは全く勝負になりません。
そこで、コースごとに受講基準を引き上げるわけです。
目安としてはC判定偏差値くらいでしょうか。
とりあえず受験したら合格する可能性があるラインということになります。
みなさんは成績を上げることを考えているかと思いますが、塾側は違います。
ここから先は篩にかけていくのです。
塾は合格実績しか考えていないなんて言う人もいますが、合格実績を第一に考えた場合、受かる可能性の低い生徒は受験させない方がいいに決まっています。
むしろ、今の実力で確実に合格を取れる学校を受験してくれた方が塾にとっては都合がいいわけです。
ですから、”数打てば当たる”的な無茶なことはしたくないのです。
かといって、志望校変更を強要することも出来ませんから、せめて受講基準で切るしかないのです。
でも、受講資格をギリギリ取れたような人はコースでも一番下のクラスになります。
”床ペロ”ですね。
クラス数が多いコースだと、一番下のクラスから合格者はほぼ出ません。
塾側としては「せめて併願校にどこか合格させる」ことを目標としています。
受講資格クリア出来るレベルなら合格の可能性がある併願校を「コースの併願校」としてすすめるわけですね。
本当の衝撃
例えば、男子最難関なら甲陽コース、星光コース、男子難関なら六甲コースあたりでよくあるお話です。
「コースの中で1組に在籍していれば8割くらいの確率で合格できます」(クラス数が多い場合)なんて塾の説明会で言われます。
で、めでたく9月スタートで1組に入れて喜んでいる人にとって、大変ショッキングなことがよく起きます。
9月の終わり~10月にかけて、上のコースから突然移籍してくる「落下傘部隊」の存在です。
例えば、甲陽コースの場合だと灘コースからけっこうな人数が移籍してきたりします。
(最初から甲陽志望が多い年は移動が比較的少ない)
灘コースギリギリの人は着地失敗して2組になりますが、灘A判定に届くか届かないくらいのレベルなら甲陽1組です。
1組に大量に降ってきた場合、その分だけもともと1組にいた人が押しのけられます。
「1組にいれば安心」だったはずが、突然崩れ落ちていくのです。
着地失敗した人もショックだと思います。
灘を諦めて甲陽志望にしたのだから、「甲陽の上位を狙う」などと舐めたことを言います。
甲陽のトップレベルは灘1組くらいの実力がありますし、たまに10傑レベル(塾で学年10位以内)もいます。
灘を諦めたレベルに負けるはずがありません。
で、ふたを開けてみたら甲陽2組で、「どうしてですか?」と塾に問い合わせてきたりします。
成績(偏差値)が理由です。
同様のことが星光コースでも起きます。
甲陽志望の人が厳しい状況に置かれた場合、統一日の選択肢としては
・大阪星光
・六甲
・洛星
というパターンが多いです。
偏差値で選ぶ人が多いので、星光が多くなります。
兵庫在住なら六甲もありです。
で、星光コースでも同じように空から星が降り注ぎます。
11月になったら1組の顔ぶれが変わっていたりします。
東大寺・星光コースの場合
東大寺第一志望の人は1日目に星光を受ける人が多いので、コースが1つにまとめられていたりします。
当然、2日目は西大和ですね。
その場合でも、やはり1組の顔ぶれが変わる可能性が高いです。
灘を諦めて、東大寺を第一志望に変える人がいるからです。
ちなみに、
・東大寺の合格実績は灘コースが稼ぎます。
・星光の合格実績は東大寺コースあるいは東大寺第一志望の人が稼ぎます。
そういうことを考えると、コース内でどれくらいの位置(クラス、順位)にいなければならないかがわかると思います。
六甲コースの場合
難関校でありながらコースが単独で存在する理由は難関校の中でもレベルが高いからです。
六甲の合格者数は灘コース(と甲陽コースの一部)がB日程で稼ぎます。
そして、六甲コースの最終的な1組は甲陽コースなどからの移籍組がけっこういると思います。
女子コースはそこまで考えなくても現時点でほぼ勝負がついています。
洛南・西大和志望で危なそうな人は高槻ではなく四天王寺を勧められます。
とりあえず塾としては併願校を押さえておく作戦ですね。
夢を見るのは大事です。
でも、現実を見るのはもっと大事です。
現実を夢に寄せていく努力はいいと思います。
でも、夢を現実に寄せていく努力も必要です。
夢と現実がうまく合致するところを「妥協点」と言います。
頑張って探してみてください。
