大手塾を退職し、個別指導の塾をスタートしてから9年。
4月23日に9周年を迎えます。
日付を忘れないように誕生日に合わせて開業しました。
というわけで、また歳を重ねます。
30代になるくらいまでは大人の階段を上っているイメージがありましたが、階段を上り切った後はどうなるか知っていますか?
そうです。
どこまでも「廊下」が続くんですね。
それはさておき、
今までに「本気で最難関を目指したい」という偏差値50台の子を何人も見てきました。
偏差値50台といってもものすごく幅があります。
下は偏差値50スレスレから偏差値60一歩手前で壁が超えられない人。
低学年なら時間を掛けてじっくり伸ばしていくこともできますが、6年生のこの時期になるとかなり深刻です。
実際に見てきた人たちがどのように取り組んできたかをザックリとかいつまんで紹介していこうと思います。
といっても、全員が最難関校に行けたわけではありません。
あと一歩届かずというケースもたくさんあります。
本当に合格最低点にあと数点、算数ならあと1問取れていたら合格というのが何人もいるのです。
単純に成功率で言うと50%を切るくらいでしょうか。
もう少し早ければ、もう少し頑張っていたら、そういう思いがあるからこその”辛口ブログ”になってしまうのです。
先日、記念すべき生徒第一号の母からメッセージを頂きました。
まだ、退職したばかりで塾を開業することなど考えていなかった時期ですが、ブログにメッセージを頂いて教育相談をしたのがきっかけで春休み中に家庭教師をすることになったのです。
「先生が開業したら生徒第一号になります」という後押しを頂いて開業する決意をしたのが4月中旬で、すぐに部屋を見つけ、机と椅子をそろえて1週間で開業にこぎつけました。
当時小4で「甲陽に行きたい」と言っていたのですが、結果としては甲陽合格を蹴って兄が通う西大和に進学しました。
それから6年経ち、ついこの前「東大に合格しました」とメッセージが来たのです。
開業当時6年生だった生徒も何人かいますが、消息が分かっているのは数名。
灘不合格で東大寺に進学した子が現在東大生。
第一志望に不合格で第二志望の学校に進学した子は現在H学園で准講師をしている子もいます。
医学部目指して浪人中の子もいます。
偏差値50台前半から最難関を目指す
現6年生なら急斜面を全力で駆け上がるイメージですね。
まず必要なのは生活習慣の改善です。
これから入試までの9ヶ月間をすべて受験勉強に使う覚悟が必要です。
① 1日24時間をすべて受験勉強の時間だと考える
もちろん小学校がありますし、睡眠の時間も必要です。
ではどうするかというと、勉強時間を削って学校に行き、勉強時間を削って睡眠をとるのです。
削った分だけ合格できる可能性が下がるというイメージを持った方がいいと思います。
そういう意識を持つことで、時間の大切さがわかればいいなと思います。
したがって、休憩時間や遊びの時間は一切ないということです。
どうしても休憩が必要なら大切な勉強時間と自分の未来の可能性を削って休憩すればいいのです。
小学校にいる間の時間がもったいないと思うかもしれません。
学級閉鎖とかならいいですが、やたらと休むわけにもいきませんね。
でも、学校にいながらも出来ることはあります。
授業中に塾のテキストをやると怒られるかもしれませんが、学校の教科書を勉強するくらいなら構わないでしょう。
4科受験の子なら、社会の時間はひたすら学校の教科書を暗記するとか。
国語の時間は漢字の練習、理科の時間はひたすら暗記。
算数の時間はノートに図をていねいに描く練習。
字が汚い人は学校にいる間に字をきれいに書く練習。
学校のテストはノーミスで満点を取る練習。
休み時間や体育の時間は受験勉強に必要な体力をつけるために使います。
学校にいる時間を息抜きの時間、遊びの時間と考えてもいいですね。
② まずは算数を偏差値60台までもっていく
近畿圏の中学受験は算数の難易度が高く、最も差がつきやすいのです。
各学校の入試結果を見ると、受験者平均と合格者平均で最も差が大きいのが算数なのです。
ですから、算数を徹底的にやり込まなければ勝ち目は薄くなります。
算数が偏差値50台の人は大きく分けて2パターン。
・基本は出来ているが難易度の高い問題が弱い
・難易度の高い問題も解けているが、基本問題をよく落とす
塾のクラス帯にもよります。
どちらであろうと、それ以外であろうと関係ありません。
目指すのは偏差値60越えですから、最終的に目指す形は同じです。
まずは基礎固め。
塾のテキストの基本問題は全部解けるようにならなくてはなりません。
小5から今までに習った範囲を総復習です。
全範囲をやるのが目的なので、最初は基本問題だけで1周します。
全部終わったら2周目は応用問題、3周目は発展問題と進めていきます。
1単元30分として、年間50単元なら1周25時間掛かります。
1日に5時間出来れば5日で終わりますが、そんなに時間は取れません。
2時間ずつなら1周約2週間、3周するのに1ヶ月半くらいかかります。
土日祝日などをフルに使えば1ヶ月、ゴールデンウィークには終わります。
最高レベル特訓などの特訓講座を受講しているなら、次は小5の1年分の復習です。
1年分だと50~100時間くらいかかりそうですが、同じペースでやれば6月中には終わります。
そこから過去問20年本と行きたいところですが、まだ学力的には不十分なので、おすすめしているのが近畿の中学入試標準編。
難関レベルの入試問題を集めたものなので、ここまで頑張っている人なら比較的スラスラ解いていけます。
それでも1冊終わらせるのに10~20時間は必要です。
これを1~2週間でやってしまえば、夏休み前には終わります。
夏期講習は最難関コースを受講するなら、塾以外の勉強をやる時間はほぼなくなります。
難関コースなら時間の余裕が出来るので、近畿の中学入試標準編の2023年度用が販売されるタイミングなのでそれをやります。
終わったら発展編ですね。
これくらい頑張ると偏差値60台に届くようになります。
③ 算数以外の科目は塾の宿題のみ
他の教科をまったくやらないわけにはいかないので、塾の宿題範囲だけは今まで通り頑張りましょう。
それだけでもけっこうきついのですが、そこで手を抜くと3科総合、4科総合で最難関に届きません。
算数がある程度軌道に乗ってきたら、今度は他の科目にも力を入れていきます。
9月以降の追い込みの時期に入ると、塾のカリキュラムも総復習や総合演習になってきます。
そのタイミングで総復習ですね。
偏差値50台後半から最難関を目指す
偏差値50台後半だとギリギリ合格できる最難関校もあると思います。
しかし、多くの人はそれよりも上を目指しているでしょう。
ですが、やることは50台前半の人と同じです。
ただ、それをもっと短いスパンでより多く回していくということです。
① 算数で偏差値65以上を目指す
公開テストだと80点台~を取らなければなりません。
正答率で言うと10%を超えるものは全部取れるようになることが目標です。
基本問題が全部できているのなら、小5のテキスト1年分を一気に復習します。
1単元(基本問題~発展問題)を1時間、1年分で約50時間。
これをゴールデンウィークが明けるまでに。
連休中に塾のイベントなんかがあるかもしれませんが、そこは頑張りましょう。
最レなどの特訓講座小5の復習1年分が50時間程度。
ここまでを5月中に終わらせることを目標とします。
近畿の中学入試標準編を1週間、発展編を2週間程度で終わらせて6月末になります。
このあたりから20年本に取り組むか、2023年度用の近畿の中学入試の発売を待って2周目に入ります。
② 20年本に取り組む
過去問20年本のうち、直近6年分は通常の赤本で全教科をやるとして、残り14年分を9月までに終わらせないと時間が足りません。
2日間受験の灘・甲陽の場合は算数が14年分×2、理科14年分で合計42時間掛かります。
国語もやると70時間になります。
これを夏期講習中に終わらせようと思ったら1日最低2回分ずつ進める必要があります。
第二志望の学校も考えると、さらに42時間必要です。
1日3回分ずつやらないと間に合いませんが、その場合は併願校を先にやった方がいいと思います。
おそらく多くの人が途中で時間が足りなくなって挫折することになります。
そのときは20年本を捨てます。
古い過去問は塾のテキストにけっこう出てくるので、そこまで無理してやる必要はありません。
③ 科目のバランス
現時点で偏差値50台後半を取れている人はそこまで算数を優先しなくてもいいと思います。
全科目でバランスよく偏差値60台に乗せつつ、算数をもうひと伸びさせるイメージです。
勉強時間が少ない科目の成績が下がってきますから、常にそれを気にしながら勉強時間を配分します。
もちろん言うまでもなく、1日24時間はすべて受験勉強の時間です。
勉強以外のことをするのなら、貴重な勉強時間と自分の未来の可能性を削って行うのだという意識が必要です。
最難関というのは勉強ガチ勢が生息する世界なのです。
そこに行きたいのであれば勉強ガチ勢の仲間入りをしなければなりません。
1日1時間の差が残り9ヶ月で270時間にもなります。
今はきついと思うかもしれませんが、上位帯に行くとそれが当たり前の世界なのでその程度では何とも思わなくなります。
5年生以下の人は
今のうちからやっておくとよりスムーズに進めることができます。
自力でやるのが困難な方は御相談ください。