成績を上げるには、
・勉強時間を増やす
・宿題をやり込む
・復習をする
などといろいろ書いてきましたが、それは具体的な方法であって本質的に重要なポイントではありません。
大事なのは、
・必要な知識を身に付ける
・処理速度を上げる
まずはこの2点だと思います。
必要な知識を身に付けるというのは、公式を覚えたり、暗記したりするだけではなく、問題の解き方をパターン別に覚えたり、必殺技を覚えたりすることです。
でもそれは単純に問題をたくさん解いていくだけでも自然と身に付きます。
しかし、それだけ時間が掛かってしまいます。
そこで、「処理速度を上げることが最重要」というのが今回のテーマです。
処理速度
処理速度というのは単純に問題を解くスピード、計算スピードだけではなく、問題を読むスピード、図を描くスピード、それ以外にもありとあらゆる動作のスピードのことを指します。
例えば、動きの遅い人は勉強だけでなく、何かを準備するのも、片付けるのも遅いのです。
食事も遅い、風呂も長い、勉強を始めるまでに時間が掛かったりします。
それではいくら時間があっても足りません。
世間一般に、「忙しい」とか「時間がない」って言っている人ほど処理速度が遅いと考えられています。
※ もちろん、相手があなたを嫌っていてわざとそういう返事をしている場合を除きます。
本当に忙しい人ほど時間の使い方がうまいなんて言われますね。
身の回りの動作を早くするにはどうすればいいかというと、緊急事態に陥ればいいのです。
たとえば、寝坊して学校に遅刻しそうとか、塾に間に合わないなんていうときに普段よりスピードが上がります。
※ スピードが上がらない人はそれを緊急事態だとは思っていないのです。
これは動物の持つ本能の一つ、危機回避能力だと思います。
とにかく早く動くことで、危険な状態から抜け出そうとするわけですね。
遅いと死にます。
ですが、緊急事態にしかスピードが上がらないのはなぜかと言うと、早く動くことでエネルギーを大量に消費するからです。
電車で通学・通勤している人が遅刻しそうになってタクシーを使うようなものです。
普段ならもったいなくて使いません。
まず、その感覚を変えていかなければスピードは上がりません。
金銭感覚をマヒさせろということではなく、今の成績のままだと間に合わないことに気づいて下さいということです。
タクシーとは言いませんが、その前に全力疾走しましょうということです。
それを続けていくと人間の体というのはそれに慣れてきます。
体力も筋力もついて、そのスピードでも疲れなくなりますし、さらにスピードが出るようになると思います。
それを毎日繰り返していればひょっとしたら7年後のオリンピックに間に合うかもしれません。
ちなみに今回のオリンピックの出場選手(日本)は582人です。
東大理Ⅲの合格者数は4年間で約400人なので、オリンピック出場より難しいとも言えます。
スピードを上げるメリット
スピードを上げると問題が早く解けます。
同じ時間内にたくさんの問題を解くことが出来ます。
問題数が少なければ何回も解きなおすことが出来ます。
その結果、さらにスピードが上がります。
当然、成績も上がってきます。
(もちろん、点数、偏差値、順位には限界というのがあります。)
デメリットもあります。
宿題もすぐに終わってしまいます。
問題集もすぐにやり切ってしまいます。
そのうちやることがなくなってきます。
授業が遅くて退屈します。
遅い人を見ているとイライラします。
子どもを怒ったばかりいる親になってしまうかもしれません。
意外に塾講師でもスピードの重要性を理解していない人がいます。
多分、当たり前すぎて気づいていないか、あるいはもう諦めているのだと思います。
処理の速い子を見れば絶対に優秀な子だと感じているはずです。
逆に、もの凄く遅い子を見たらきっと絶望的な気分になっていると思います。
早くやると間違える
そんなことを言う人がいます。
でも、そういうことを言う人はだいたい遅いです。
本人は早くやっているつもりらしいですが、遅いです。
「ゆっくりやった方がいい」という人もいます。
でも、そういうことを言う人もだいたい遅いです。
ゆっくりやっていても間違えたりしています。
早くやるとミスが増える人はそのスピードについていけてないのです。
つまり、処理が追い付いていないのです。
ピッチャーが速い球を投げたら、ボールが通り過ぎてからバットを振っているのです。
当たるわけがありません。
「速すぎる」とか文句を言いますが、その人が「遅すぎる」のです。
それで甲子園に出たいとか、無理だと思います。
遅いからダメなのではなく、速くなろうという気持ちがないからです。
例えば、走り幅跳びとか跳び箱などは助走が必要なのは知っていると思います。
助走が早ければ早いほど、距離や高さを出せるのです。
これは単純な物理の法則(エネルギー保存則)です。
ゆっくり走っている人は助走の意味がありません。
ジャンプする前に止まっていたら、ただの立ち幅跳びですね。
ですが、速く動くためにはそれだけエネルギーが必要になります。
単純に速度を2倍にしようとすると、必要なエネルギーは速度の2乗、つまり4倍になります。
つまり4倍の筋力が必要ということです。
筋力は断面積に比例するので、太さを4倍にしなければ2倍の速さで動けません。
ということは筋肉の直径を2倍にしなければならないということです。
速く書くと字が汚くなるという人は筋力が足りません。
逆に言うと、筋力をつければ素早く書けるようになります。
(綺麗かどうかの判断は主観です。ゆっくり書いても字が汚い人を除きます。)
もちろん、筋力だけが原因ではありません。
素早く動くといろいろと変化が起きます。
車で走る場合を考えてみましょう。
例えば、六甲ドライブウェイのコーナー(カーブ)は車だとだいたい時速40kmくらいで走ります。
もっと遅い車もあります。
そこを時速60kmで走るとどうなるでしょうか?
まず、ハンドルを同じように切っても曲がりません。
しかも曲がり始めるまでに時間が掛かります。
それを知らずにアクセルを踏むとガードレールに突き刺さります。
カーブに差し掛かる手前から少し大きめに切っていかないと同じようには曲がれないのです。
で、すぐ次のコーナー(カーブ)が来ます。
逆方向なら急いでハンドルを戻して、さらに反対側に切り込まなくてはなりません。
間に合わなければガードレールです。
速度を2倍にしただけで車の挙動は大きく変化してしまうのです。
時速80kmにするとどうなるでしょうか?
コーナー手前で十分に減速して荷重移動をしておかないとその速度では車は曲がりません。
出来ればコーナー出口に向けて車の向きを変えておかないと(ドリフト、テールスライド)、次のコーナーは間に合いません。
コーナー中盤で速度が落ちてくるのでアクセル全開にしないと速度を保てません。
すると車が滑るので、ハンドルを滑った方向に向けてスライドコントロールをしなければなりません。
コーナーが近づいたらフルブレーキングで速度を落としつつ荷重移動しながら車の向きを変えます。
気をつけないといけないのは対向車です。
カーブミラーがあったら対向車が来ていないか確認します。
車線をはみ出しているときは特に要注意です。
路面に段差があると飛び跳ねたりするので怖いですね。
路面の石とか水たまりなんかにも注意です。
(バイクだと死にます)
スピードを上げるということは、それだけ処理することが増えるということです。
で、それは訓練するしかありません。
早く解いても間違えるのであれば、早く解いても間違えないようにする練習が必要です。
それでもミスはしますから、早く気づいて早く見直しをすればいいのです。
スピード比較
【偏差値40台前半】
塾の授業で下のクラス帯を見ていると気づくことがあります。
何をやるのも基本的に遅いのです。
先のことも考えていませんし、言われるまで動きません。
「問題を解いてみよう」というと、
まずテキストを出すのに時間が掛かります。
それから問題のページを開くまでにさらに時間が掛かります。
ここまでで30秒くらいでしょうか。
それからノートを開きます。
でも、そのときにテキストが閉じてしまったりするので、また時間が掛かります。
今さらのように筆箱からシャーペンを取り出し、芯が出るか確かめたりしています。
ようやく準備が整い、問題を解き始めるかと思ったら講義Noやページ数を丁寧に書いていたりします。
で、やっと問題番号を書き終えて問題に取り掛かります。
ここまでで1分を軽く過ぎています。
問題文が長いと読むのに時間が掛かります。
5行くらいあると1分以上かかります。
で、その後しばらく時間が止まります。
まるでWindowsのアップデートみたいですね。
「しばらく時間がかかる場合があります」とか表示されて、クルクル回っている状態ですね。
それからようやく図を描き始めます。
と思ったら、また止まります。
どうやらまた問題文を読み直しているようです。
再起動ですか?
運が良ければそこから動き出して、式を書いて計算に入ります。
トータル5分くらいで、どうにか答えが出ればラッキーです。
最悪の場合、そのまま動きが止まります。
フリーズですね。
本人は考えているらしいです。
で、時間切れになります。
ひょっとしたら最初から時間切れを待つ作戦なのかもしれません。
解説をノートに写してその日の作業は終了です。
【偏差値40台後半~50台前半】
ちょうど中間層ですね。
偏差値40台前半に比べたら圧倒的に早いです。
「問題を解こう」と言ったときにはもうテキストを開いて、ノートも出ている状態です。
さっと問題番号を書いて、問題文を読み始めます。
でも、問題文が長いと読むのに時間が掛かります。
ここまででトータル30秒~1分です。
そこから図を描いたりします。
30秒~1分くらい掛かります。
難しい問題になると動きが止まります。
クルクル回っている状態です。
一応、フリーズはしていないというアピールですね。
そこから動き出せば割とすんなり答えにたどり着きます。
トータルで2~3分といったところでしょうか。
どうしてもわからない人は5分くらいでギブアップします。
無駄に時間を掛けるよりはいいと思います。
【偏差値50台後半~60台前半】
偏差値50台後半くらいだと、問題文を読むのに30秒くらいでしょうか。
そこからすぐに図を描き始めて、30秒くらい。
式を書いて計算し、答えが出るまでにトータル1~2分です。
同じ問題を偏差値60台前半くらいの子に解かせると、スピードの差が歴然です。
問題文を読むのにかかる時間が15~30秒くらいで、読み終わったらすぐに図を描きます。
図を描くのも10~15秒くらい。
素早く計算して、トータル30秒~1分くらいで解いてしまいます。
【偏差値60台後半~70台前半】
問題文を読むのに1行あたり1秒くらいでしょうか。
読みながら図を描き始めます。
問題文を読み終えると同時に図も描き終わります。
そこから簡単に式を書いて、答えを書きます。
式を書きながら暗算しているので、タイムロスがありません。
トータルで15~20秒くらいでしょうか。
【トップレベル】
同じ問題を10秒以内に解いてしまいます。
見たらわかるので図を描く必要もありません。
計算も暗算です。
いわゆる”瞬殺”というやつです。
偏差値40台前半の子はまだテキストすら開いていない状態です。
ざっと並べるとこんな感じです。
偏差値40台前半 ⇒計測不能
偏差値40台後半 ⇒5分以上
偏差値50台前半 ⇒2~3分
偏差値50台後半 ⇒1~2分
偏差値60台前半 ⇒30秒~1分
偏差値60台後半 ⇒20~30秒
偏差値70台前半 ⇒10~20秒
トップレベル ⇒10秒以内
※ 単純なスピード比較のためのサンプルです。
※ 正答率80%程度の問題を想定しています。
※ 問題によって解く時間は変わります。
※ 個人差があります。
スピードを上げる方法
つづく
(しばらく時間がかかる場合があります。)
近畿の中学入試 標準編 ~先ずはコレ!~
