塾あるあるですね。
教え方が上手いと評判の先生がいて、その授業を聞いているとすごくよくわかるんです。
なのに家に帰って自分で問題を解いてみようと思ったら全然解けなかったりします。
もちろん授業のノートをとっていないとか、授業内容を全部忘れたとかいうオチではありません。
授業で習った問題は解けるのに、それ以外の問題が全然解けないのです。
これは参考書で勉強した人なら経験があるかもしれません。
例題があって、その解き方が詳しく解説されているのですが、そのあとの練習問題を解いてみようと思ったら全然わからないとか、練習問題はとけるけどまとめの実力問題になると全然わからないなんていうことがよくあります。
で、解説を見たら答えだけしか書いてないとか、簡単な式だけ書いてあって説明がなかったりします。
これが勉強に挫折する原因の一つです。
教え方の上手い先生
教え方の上手い先生というのはまず話がうまいんですね。
例えがうまかったり、面白い話を交えたりしながら子どもたちの集中力を上手にコントロールします。
難しい問題も噛み砕いて簡単そうに見せるテクニックを持っています。
それを見ているだけで何だか自分も出来そうな気になってくるのです。
これはスポーツや芸術などのプロ選手なんかもそうだと思います。
見ている人を魅了するテクニックを持っているのです。
それを元トップ選手の解説者が細かく説明してくれたりします。
ここでこういう技を使っているとか、こうすると上手く出来るなんていう話をしてくれます。
それを聞いているとすごく納得できるんですね。
やっぱり話が上手なんだと思います。
で、「すごくよくわかった」ということになるのですが、
「じゃあ自分でやってみて」って言われたら、
「そんなん出来るかい!」
ってなります。
授業を真剣に聞いて、板書を綺麗に写して、全部理解したつもりにはなります。
ですが、問題を解いたのは先生で、皆さんはそれを見ていただけなのです。
カーナビさえあればどこにでも行けるという人はカーナビがないとどこにも行けません。
カーナビの指示通りに運転しているだけだからです。
必殺技
塾の先生はよく必殺技を繰り出します。
ヒーローもののアニメのように必殺技の名前を叫びながら技を出すのです。
子どもにとってはそれがかっこいいと思うのかもしれません。
これが実戦なら相手に戦法をばらしているわけですから到底勝てるとは思えません。
ですが、良い子のみんなに真似してもらうためにわざとやっているのです。
必殺技の正体は中学や高校で習う公式や計算方法です。
小学校では扱わないことになっているので誤魔化しているのです。
それを理解しようと思うとけっこう難しい内容だったりします。
家に帰ってから自分で考えても全然わからないこともあります。
でも、覚えてしまうと簡単に計算できる便利な公式なのです。
実は塾のテキストには必殺技というのはあまり書いてありません。
テキストに書かれているのはその公式の正式な名称であったり、あるいはまったく違う解き方で解説されていたりします。
あまり表立って教えるわけにはいかない解き方だったり、一部の塾の講師しか知らない伝統的な技だったりするのです。
また、比較的難易度の高い問題でよく使われるので、上位クラスでしか扱わなかったりします。
下位クラスでは理解させるのが困難だったり、ほとんど使う機会がなかったりするからです。
そして上位クラスになると、ほとんどの子が特訓講座などで先取りをしているので必殺技を知っています。
ですから授業ではあまり説明しないのです。
そんな中に初めて習う子がいたりすることがあります。
すると「わからなかったらあとで質問に来て」とするっとスルーすることにするわけです。
で、授業が終わったらさっさと帰ってしまったりします。
※ だいたいそういう子は質問には来ないのです。
翌週の授業前になると質問の列が出来ていたりするので、けっきょく質問できずに終わることがよくあります。
違う先生に質問に行くと、その必殺技を知らなかったりします。
※ 必殺技は塾によっても微妙に呼び方が異なる場合があります。(他塾の呼び方を嫌う人もいます)
※ 同じ塾でも先生によって異なる場合があります。(流派があります)
※ 正統な解き方ではないので教えてくれない(教えられない)場合もあります。
※ 違う解き方をする先生もいます。
※ どの解法がいいのかは問題によって異なります。
※ 使いこなすには練習が必要です。
瞬殺マジック
瞬殺問題というのがあります。
一瞬で解ける問題のことです。
一瞬といっても、答えを書く時間を考えたら5秒くらいはかかります。
例えば、図形の問題などで補助線を1本引けば簡単という類の問題があります。
で、それを授業中に得意気に披露するわけです。
子どもたちは「おお!」とか「すげ~!」とか言います。
問題文の図を写したあとでたった1本の補助線を引くだけですから本当に一瞬です。
が、そこにはタネがあります。
解説は確かに一瞬なのですが、その1本の補助線を見つけるまでにかかった時間は考慮していません。
予習のときに30分くらい悩んで、答えから逆算してみたり、他の先生にきいてみたり、苦難の挙句にようやく出てきた解法だったりします。
ですがそのことはもちろん内緒です。
あたかも一瞬で思いついたかのように、「こんなの余裕」といった表情で解説するわけです。
覚えてしまえば簡単に解ける解法なのです。
つまり暗記問題です。
ですからその過程はあまり気にしません。
覚えてもらうためにはインパクトが全てなのです。
というわけで、そのテクニックを塾で覚えて帰ってきても、どうやってその解法に至ったかはまったくわかりません。
類題があるわけでもなく、他の問題に応用できるようなものでもなく、その問題を解くためだけの謎の解法です。
ただ、数値替え問題や過去問演習などのときに劇的に早く解けるというテクニックなのです。
実際のところ、トップレベルの生徒向けの別解の1つという位置づけですね。
限定のレアカードみたいなものです。
中にはものすごく基本的なテクニックも含まれています。
それをとにかく大袈裟に見せているだけなのです。
下のクラスの子でも覚えやすいように印象付けているのです。
家に帰って自分で解いてみると一瞬で解けているような気がします。
しかし、図を描いたり、計算をしたりすると、全然一瞬では終わっていなかったりします。
それでも楽しいと感じてくれたり、自信に繋がるというのであれば、嘘も方便ですね。
※ 嘘を教えているわけではありません。誇張しているだけです。
※ どんな問題でも一瞬で解けるわけではありません。一瞬で解ける問題は限られています。
※ 一瞬で解くためには訓練が必要です。暗記も必要です。
※ 一瞬とは個人の感想であって、実際の所要時間を表すものではありません。
板書がすべてではない
塾に通っている子はだいたい真面目にノートを取ります。
といっても、基本的には黒板を写したり、問題を解いたりするだけです。
塾講師は板書をするだけではなく、いろいろなことを話します。
全部書くと大変なので、ポイントしか板書しません。
例え話や、噛み砕いた説明は書くと大変なので口頭で済ませます。
そのときはよく理解出来ると思います。
しかし、家に帰る頃にはほとんど覚えていないのです。
で、家に帰ってノートを見ても、口頭で話したことをメモしている子はまずいませんから、思い出せないわけです。
問題を解こうと思っても、大事なヒントを覚えていないのです。
もちろん、ノートを見ながら解いてもなかなか覚えられないものです。
「習ったけど忘れた」
それが現実です。
「大事なことはメモしなさい」
と言われても、誰もそれをノートに書こうとしなくて先生から怒られたりします。
で、家に帰ってノートを見ると、「大事なことはメモする」しか書いてなかったりします。
そのときはわかっているんです。覚えているんです。
でも家に帰ったら忘れているんです。
メモ用のノートを用意しようと思って新しいノートを探すと、1ページ目しか使っていないノートが出てきたりします。
何だろうと思ってみてみると、1行だけ書いてあるのです。
「大事なことはメモする」と。
ひょっとしたらそういうノートが何冊も出てくるかもしれません。
同じ本を何度も買ってしまう人よりも重症です。
対策
予習していけばいいんですけどね。
「予習するな」という塾が多いので、しないのが当たり前になっているのでしょう。
予習を完璧にしていくと授業中に暇になってしまうからですね。
でも、上位層は前の学年の特訓講座とかで先取りしていますから、予習なんかしなくても余裕です。
今までに何回も復習をしているので覚えているのです。
復習を全然していない子はきついかもしれません。
去年のテキストやノートを引っ張り出して、同じ単元のところを見てみるといいかもしれません。
