悩みの多い季節になってきました。

近畿圏の受験学年なら入試まであと4ヶ月です。

これからいろいろと決断を迫られることになるかと思います。

 

ここで「決断力」というものについて考えてみましょう。

 

簡単に言えば「決断する力」ということになります。

例えば「やるかやらないか」と聞かれたとき、「AかBかどちらにするか」と聞かれたときに答えを選ぶというのも決断です。

ところが、多くの人はそれを苦手としているようです。

 

 

決断するということ

 

なぜ決断をためらうのでしょうか?

どちらがいいか判断できないという人もいると思います。

もう少し考える時間が欲しいという人もいると思います。

少し様子を見てから考えるという人もいると思います。

そういう人たちが「決断力がない」と言われるのです。

 

しかし、決断するということは大きな責任を伴う場合が多いです。

結果的にうまく行けばいいのですが、もしうまくいかなかったときには、誰が決めたのか、どうしてそれを選んだのか、どうやって取り返すのかと責め立てられます。

「そんなに文句言うのならあなたが決めてください。」と言いたくなるかもしれません。

ですが、その人も自分では決断したくないのです。

 

中学受験をする人の多くは将来的にそれなりに地位の高い職業を目指している人が多いと思います。

そして、学歴が高くなればそれだけそういう立場に立つ機会が多くなるかと思います。

例えば医者になりたいという人は、将来自分が人の命を預かる立場になるということを考えなければなりません。

一刻を争うような状況で人の命に関わるような重要な決断をしなければならないのです。

 

保護者のみなさんも今、お子さんの将来(中学・高校6年間の人生)に関わる大きな決断を迫られているかもしれません。

子どもの人生なのだから本人に決めさせればいいと考える人もいるかもしれませんが、だとしたら子どもに自分で選ばせるという決断をしなければなりません。

もちろん、その責任は親が取らなければなりません。

(合格した場合は入学手続きをして、授業料を払うというのも親の責任ですね)

 

実は、中学入試のための受験勉強も決断の連続なのです。

テストにおいてもこの「決断力」を試されているのです。

それを理解していなければなりません。

 

 

選択肢

 

決断力というのは選択肢があるとき、つまり選択の自由が与えられたときに必要となります。

選択の必要がなければ決断力は全く必要ありません。

※ 行動力は必要です。

 

例えば志望校にしても1校しかなければ悩む必要はありません。

併願校も日程が被っていなければ困ることはありません。

第一志望校をどうするか悩んでいる人は多いと思いますが、日程がずれている学校なら両方受験すればいいだけの話です。

でも、どちらも統一日に試験があるとなったらどちらか1つに決めなければならないのです。

どちらを選んだとしても、結果次第では後悔するかもしれないから悩むわけですね。

 

やるかやらないか、受けるか受けないか、A校かB校か、選択肢は2つしかないのであればどちらかに決めなければ物事は進みません。

ですが、多くの人はここで第3の選択肢を勝手に作ってしまいます。

そしてそれを選んでしまうのです。

 

その選択肢とは、

 

1.やる

2.やらない

3.悩む(様子を見る、もう少し考える、誰かに相談する、今は考えたくない)

 

この「悩む」という選択肢が曲者なのです。

実際には選択肢は2つしかないわけですから、これは回答を拒否しているに過ぎません。

そうやって時間を引き延ばしているのです。

つまりは責任を取りたくないということです。

 

時間を引き延ばすとどうなるかというと、そのうち回答期限がやってきます。

もうどちらでもいいから今すぐ選ばなくてはならない状況になります。

もう考える余裕はありません。

ですが、そういう状況で選択をすると責任は少し軽くなります。

時間がなかったらしょうがないという言い訳が出来るからです。

つまり、これは緊急手段だから失敗してもその責任は問われないということですね。

 

しかし、時間をものすごく無駄にしてしまっています。

それでも結果がでればいいのです。

出なかったときに後悔することになります。

もっと早く決断していればもっと早く行動で来ていたはずなのです。

そうすれば結果は違ったかもしれない、と思いがちです。

でも、決断できないのですから仮定の話をしても意味はありません。

 

 

「灘か甲陽か悩んでいます」という人がいたとしましょう。

この場合、選択肢は灘or甲陽の2択です。

悩むということは”どちらも可能性がある”という前提で考えてみましょう。

9月から志望校別コースが灘コースと甲陽コースに分かれていると思います。

テキストが共通ならまだ迷っていても問題はないかもしれません。

しかし、違うテキストを使っているのならそこで対策の差が出てしまいます。

これからコース変更をすることはリスクになるかもしれません。

過去問を始める時期に来ています。

この時点でどちらかを選んでいないと時間が足りなくなります。

まだ悩んでいるという人は、このまま時間切れを待っているだけなのかもしれません。

もし今灘コースにいるのなら、このまま待っていればそのうち「今から甲陽に変えるのはやめた方がいい」と言われるからです。

甲陽コースにいても同じですね。「今から灘に変えるのはやめた方がいい」と言われるでしょう。

その時点で選択肢はなくなります。

これで親の責任は回避されたことになります。

 

「灘か甲陽か悩んでいる」人というのは、「灘or甲陽」で悩んでいるのではなく、「灘or甲陽or悩む」の3択で「悩む」を選んだ人なのです。

たいていは現状維持、つまり灘を目指したままずるずる決断を伸ばし、結局灘を受けることになると思います。

単純に考えて灘の方が甲陽よりも可能性は低いと思います。

かといって甲陽に変更するという決断も、遅ければ対策が間に合わなくなる可能性が出てきます。

どちらを選ぶにしても、少しでも早く決断して覚悟を決めて勉強に取り組んだ方が可能性を高めるのではないでしょうか。

もしそこに選択肢を追加するなら「悩む」よりも「六甲」や「星光」にした方がいいかもしれません。

10月くらいになるとけっこうな人数が動き始めると思います。

そのあたりがタイムリミットですね。

 

 

テスト中の決断

 

今までたくさんのテストを受けてきているのでわかっていると思います。

テスト中の決断は重要なのです。

選択問題なら当然「あてはまるもの」を選択しなければなりません。

 

・この問題を解くか、捨てるか、それとも後回しにするか

・どの解法で解くか、全部書き出してみるか、適当に当てはめてみるか

・どんな図を描くか、線分図かダイヤグラムか面積図か

・計算するかしないか、筆算するか暗算するか、工夫するかゴリゴリ計算するか

・残り時間で見直しをするか、後回しにした問題に取り組むか

 

常に決断を求められているのです。

スラスラ解ける問題はそれが迷うことなくスムーズに行えています。

テスト中に”手が止まる”というのが最悪な状態です。

このとききっと頭の中ではいろいろ考えているのだと思いますが、傍から見たらただ単に悩んでいる状態です。

時間だけがどんどん過ぎていくのです。

早く決断しなければなりません。

 

もちろん「決断する」というのは即行動するということです。

決断してから行動するまでに悩んでいたらそれは決断とは言えません。

 

 

決断力を養うためには

 

普段から決断する訓練が必要です。

もちろん何でも適当に決めればいいということではありません。

まずはプランを考えます。

いくつか案があればどれで行くか決断します。

できれば、どうしてそのプランにしたのかという根拠があった方がいいですね。

「自分はこういう理由でこれがいいと思った」という意見ですね。

 

決まったら即行動です。

どのように行動するかはちゃんと考えましょう。

で、方針を立てたらそれで行くという決断が必要です。

ここである程度見込みとか考えておいた方がいいですね。

ダメだった場合のプランBも用意しておくとなおいいと思います。

 

それでうまくいかなかった場合は、そこからどうするのか決断が必要です。

ギブアップするのか、再チャレンジするのか、それにはどれくらい時間がかかるのかを考えます。

それで行けると思ったら決断です。

プランBがあるならその過程を省いてすぐに行動に移せばいいと思います。

 

とにかく判断を素早くする練習をしていないと、決断力というのは鈍ります。

決断するときにはかなりのエネルギーを使います。

自分を奮い立たせなければならないからです。

それを瞬時に出せるようにしなければならないのです。

どうやったら自分のモチベーションが上がるのか、どうやったらアドレナリンが出るのか、これは訓練して身につけておいた方がいいかもしれません。

 

で、子どもの決断力を鍛えようと思ったら、

・自分のことはなるべく自分で決めさせる

・回答期限を決める(即決させる)

・失敗してもその責任を追及しない

ということを意識するといいと思います。

 

よく「自己責任」とか言いますが、子どものことは親の責任です。

決断したことを責めてはいけません。

かといってあまり慰めるのもよくありません。

失敗したときは”次をどうするか”考えさせましょう。

そこで責めると決断できない人になってしまう危険性があります。

 

何でもかんでも子どもに決めさせるということではありません。

親が決めなければならないことは親が決断してください。

例えば、スマホを持たせるかどうかは親の判断ですね。

(子どもがスマホを持ちたがるのはゲームかSNSかYouTubeが目的です。)

 

 

 

 

何をどうするかはみなさんが決断してください。