朝日新聞、天声人語2005年10月30日(日曜日)付 を読んだ。苦言でも嫌味でも、ましてや突っ込みでもないのだが、何か微妙に疑問を感じたので一言書く。


チェスではわずか50年でIBM製の人工知能が破ってしまった。


この表現はかなり怪しく、大きな誤解を招きかねない。アレは真の意味での「人工知能」とは言わないし、HsuらもArtificial Intelligenceだとは思ってない筈。それと、


詰めの局面ではもう人知を超えた。


CSAの瀧澤会長が本当にこんな過激なことを仰ったのだろうか。恐ろしくて確認してないのだが、「人知を超えつつある」くらいでないと、ちょーっと問題ではなかろうか、と思っている。なぜなら、今の計算機の解図能力は「完全に人知をナメた詰ましかた」をすることが未だによくあるからだ。また、先日の王者戦では「詰があるのに詰ましてない局面」もある。熟練者なら、寧ろ詰みがありそうだと感じる局面、手数で言えば高々21手詰。これはマシンの性能と持時間の問題だけの話ではあるが、そのようなことでは人間様に示しがつかない。


羽生善治四冠でさえ、対局後の詰みの確認にはソフトを使う。


事実だとは思うが、なにも羽生四冠の名前を出す事もないと思うのだが>朝日。それはともかく、谷川ですら使う、というくらいまで行かない限りは、まだまだ改善の余地がある、ということだ。いや、既に使ってたりして…。