現在最強のFPGAについて、諸元も含めてここにメモしておく。


・Altera : StratixII EP2S180

71,760ALMs, 143,520ALUTs(179,400LEs), 9,383,040bits(BlockRAM total)=9,163Kbits
・Xilinx : Virtex4 XC4VLX200

89,088Slices, 200,448LogicCells, 6,048Kbits(BlockRAM)+1,392Kbits(DistributedRAM)=7,440Kbits


これらは、どちらもChrillyの探索コアなら8個は入る規模、最高のスピードグレイド品なら約2倍の速度で走らせる[*1]ことが出来るFPGAだ。極論を書けば、2個あれば現Hydraと同等程度の性能が出せる(8cores×2倍速×2個で、32coresと同等になるという意味で)。但し、1個の部品単価はロット(1000個単位)で買ってもOpteron並に高価なものである。

余談だが、互いに白書(WhitePaper)で殴り合いをやっていて面白いので、それも以下に残しておく。ハード屋にとっては意味がよく判り、なにやらニヤリとしてしまう内容だ。


Altera : StratixII vs. Virtex-4 Density Comparison
Xilinx : Power vs. Performance: The 90nm Inflection Point


要約すると、Altera曰く「ウチのFPGAは、XilinxよりLUTのアーキテクチャが優れているので、大規模且つ高速な回路が作れる」とし、Xilinx曰く「ウチのFPGAは、Alteraよりノイズが少なく低消費電力で熱が出にくく高クロック動作でも安定して動く」と主張しているわけである。

このように、名指しで他社製品と比較して公表する真似は、日本ではあまり品が良いものとは言えず余程のことがない限りやらないが、アチラでは日常茶飯事である。だとしてもこれらの白書はかなり過激で、それだけFPGAビジネスが大きく成長しつつあるという事を示している。


[*1] 因みに、現Hydraで使われているVirtexIIPro VC2VP70-5は、スピードグレイド最低ランク品である。なお、このグレイドが1つ上がると約10%高速化する。AlteraもXilinxも1つの品種で3ランク程度用意している。