政子・阿波局以外にも!多くの娘を源家に嫁がせた北条時政の執念。(大河ドラマ考360 鎌倉殿12) | Prof_Hiroyukiの語学・検定・歴史談義

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本日3月27日は中国語検定、本年最後の語学検定試験でした。皆様、お疲れ様でした。

 

(1)さて、今晩のNHK大河「鎌倉殿と13人」は

第12回「亀の前事件」。鎌倉殿・源頼朝は正妻の北条政子の懐妊中に亀の前という側女(そばめ)を隠れ家に囲っていたのですが、それを知った政子が激怒。継母の牧の方(りく)とその兄・宗親と相談し、「後妻(うわなり)打ち」という意趣返しの家屋襲撃をおこなってはどうかという話に。実行は牧宗親と(ドラマでは)源義経ら(馬引きを役不足として拒否したシーンもこの回放映され、おそらくこれも頼朝・義経の関係悪化を示唆するための創作だろう)だったのですが、宗親は頼朝より罰として髻を切られてしまう。義兄(妻の兄)に対する頼朝の仕打ちに怒った北条時政は伊豆に帰ってしまう・・・というのが「事件」の概要。

 

その際に頼朝は「源氏の棟梁が側女が居ても何の不思議もない」と嘯きますが、

「後妻打ち」が行われていた事からも、やはり当時でも妻たちの心中は穏やかではなかった様ですね。

 

なお、京からは三善康信(合議13人衆の1人)の手引きで新たに京から大江広元らが文官として招聘。

広元も後に13人の1人になり、武士化。著名な毛利氏はこの大江広元の息子・毛利季光の子孫です!

 

(2)亀の前事件以外でも、今回は女性中心にストーリーが動きます。

政子の妹・阿波局(実衣)は頼朝の弟・全成と婚姻を結び、源家と北条家は「二重の縁」で結ばれます。

いや、実は「二重の縁」ではないのです!

時政の娘は数が多く、源頼朝や源(阿野)全成以外にも、

平賀朝雅、足利義兼、足利義純など「源家」(河内源氏。源頼義の子孫)に嫁いだ者が多いのです。

 

特に北条時子は政子と同様に前回説明の有った「変成男子(へんじょうなんし=女の胎児を男に変える)の法」で男子出産を祈祷。生まれた足利義氏は、鎌倉4代将軍候補(辞退)でもあり足利将軍家の祖先になりました。平賀も足利も御門葉(御一門)として遇され、御家人筆頭も経験するなど、北条との婚姻は数多いる源家メンバーの中の生き残りにも大いに役立った様です。

 

頼朝と政子は自由恋愛による結婚と言われていますが、こうみれば「源家の中に我が血を残す」というのも時政の狙いだったのかもしれません。ドラマでは全成と阿波局(実衣)とは自由恋愛の末の様な雰囲気になっていますが、頼朝・政子以外は(ひよっとしたら頼朝。政子も?)典型的な政略結婚なのでしょう。