組織・団体への敬意:手紙は「御中」でメールは「各位」は本当?(手紙・メール考17) | Prof_Hiroyukiの語学・検定・歴史談義

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某学会からの封書で「各位殿」!?(手紙・メール考16) に続く「手紙・メール考」になります。

今までに幾度か敬称の使い分けについて述べて参りました。

そして、今回は団体・組織対象の敬称「御中」「各位」についてです。


前の「手紙・メール考」で述べましたが、不適切な二重敬称「各位殿」がしばしば見られるのは、各位」が敬称だという認識が乏しいために起こる現象なのでしょう。


そうなる理由としては、「御中」「各位」が個人には付かない(一方、「殿」は個人にも付きうる)事が挙げられますが・・・

では、両者の使い分けは? ・・・というのが今回のテーマです。


(1)「御中」は手紙で「各位」はメール?

そういったイメージが有るのは頷けます。

しかし、

某学会からの封書で「各位殿」!?(手紙・メール考16)

の対象物は封書(手紙)でした。


それに・・・

この箇所は宛名ではなく「前付け」といいます。

(これに就きましては、宛名付きメールアドレスの『敬称』に留意せよ!(手紙・メール考5) にて触れております。)


この「前付け」という形式は電子メールでも見られ、

大学における電子メール指南(手紙・メール考2)

によれば本文の最初に来るのが自然です。

その箇所はインパクトが有ります。ですので、「各位」はメール用というイメージが有るのでしょう。


(2)それでは、結論に行ってしまいます。

「各位」:全員が見る

「御中」:構成員ならば(←追記)誰でも良いので一人(以上)

と考えてみればすっきりと致します。


電子メールは送った「全員」が見る事が前提なので前付けが「各位」なのであり、

手紙は、回し読みをする事を前提としていないので宛先が「御中」なのです。


そして・・・

某学会からの封書で「各位殿」!?(手紙・メール考16) の様に手紙の内容が所謂「コピー文面」の場合は、送った相手「全員」がその文面に目を通す事が期待されます。

ですので、各位でもおかしくは無い・・・というのも理解が出来る訳です。 以上