第2外国語への手引き(第22回:スペイン・イタリア語の強・弱母音はこれで間違えない) | Prof_Hiroyukiの語学・検定・歴史談義

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<本記事を引用された場合、その旨を御連絡頂けると有り難いです。>

(1)強母音・弱母音とスペイン語のアクセントルール


かなり以前(3/25)の記事になりますが、「第2外国語のススメ4.」http://ameblo.jp/prof-hiroyuki/entry-10489750436.html にてスペイン語アクセントのルールを示しました。例外の少ない、非常に規則性の有るものでして、英語の様にこの項目で悩まされる事は殆ど有りません。


では、著者オリジナルの概略を再掲いたします。宜しければ文法書と見比べてみて下さい。

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(1)母音で終わる単語は、後ろから2番目の母音グループ(音節)にアクセントを置く。

 amigo(ア「」ゴ:友人)
(2)子音で終わる単語は、1番目後ろの母音グループ(音節)にアクセントを置くのが原則。

 profesor(プロフェッ「」ル:先生,教授)

(3)但し、子音字s, nで終わる単語は後ろから2番目の母音グループ(音節)にアクセントを置く。

 nosotros(ノ「」トロス:我々は)


(4) 以上が本則。上記(1)~(3)の規則に外れる位置にアクセントを置く場合は、その位置にアクセント記号を打つ。

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ここからが本題です。「母音グループ」には2重母音、3重母音が含まれているのですが、強母音a, e, oを連続させる場合を含みません。連続した場合は音節が切れ、別の母音グループとします(母音分離)。

(例)ma-e-stro([西・伊とも]男性の先生:aとeが分離)


そして、スペイン語、イタリア語では残りのi, uが弱母音という事になり、三重母音は「弱-強―弱」の組み合わせのみとなります。


(例)Paraguay(パラグアイ:国名) ・・・u(弱),a(強),i(弱)の順。


(2)弱母音特有の性質を既に我々は知っている


さてこの弱母音と強母音、確かに「強-強」のペアが出来ないという意味では「強」母音のニュアンスは分かるのですが、どうも我々日本人にはピンと来ない事が多いのも事実です。

暗記・・・をしても手間ではありません。しかし、私たちは既にこの知識の「素地」は持っているのです。

イタリア語になりますが、次の例を見てみましょう:


piano[pja`:no]: (楽器のピアノでは無い事に注意!詳細は5/18の「本日の外来語第1回」http://ameblo.jp/prof-hiroyuki/entry-10536026692.html を御覧下さい。)


これは本来は二重母音「イア」だった筈のもの。ところが、強母音aの母音性が強いために弱母音iの母音性が失われて子音字化してしまったのです。これを「半母音」といい、イタリア語の他にも英語にも存在するので、英語を学ばれた方は半母音[j](ヤ行音)および[w](ワ行音)は御存じの項目だと思います。具体的にはこういった対応関係となります:


弱母音  半母音

  [i]      [j]

  [u]     [w]

要するに、半母音化し得るのが弱母音と言う訳です。これでスペイン語・イタリア語の「強母音」・「弱母音」の区別の仕方、正確には「弱母音かどうかの判別の仕方」を忘れる事は有りませんね。


参考文献:坂本鉄男著「現代イタリア語文法」,白水社,2009.