ラチエンランニングアカデミーの山崎です。
今回は、30km走の話をしたいと思います。
フルマラソンの練習の定番の30km走。
この練習についてよく議論になるのが、
どのくらいの速さ(ペース設定)でやるのがいいのか?
この辺りが多いと思います。
私の考えは、30km走の基本はイージーランニング(会話しながら走れる程度)の範囲で行い、
調子が良くても、フルマラソンの予定レースペースより、キロ辺り20秒〜25秒(サブ3ターゲット)、25秒〜30秒(サブ3.5ターゲット)遅いペースで実施するのが良いと考えています。※事実そのアドバイスをするコーチも多い
何故かは後述しますが、
多くのフルマラソンの目標を持ったランナーはサブ4なら5'40/kmで30km、サブ3.5であれば5'00/kmで30kmをロング走のトレーニング目安にしてしまう傾向にあり、それが本番のフルマラソンの結果に直結していない事例があまりにも多いと感じています。
今回はトレーニングは目標を達成するべき実力を段階的に身につけるための計画であり、実力を確認するためではない
という前提の元に、30km走などの高負荷トレーニングを含んだトレーニング計画の指標となる話ができればと思います。
■トレーニングは日々継続できなければ意味がない
ポイント練習の時に理想通りに走れたとしても、ランニングは継続的かつ計画的にトレーニングをしていかなければなりません。
よってポイント練習の強度が週間トレーニングサイクルを破壊してしまうレベルで行うべきではありません。
よって、長くかつ速い練習は設定に注意が必要です。
■設定タイムクリアーに達成感を求めない
ポイント練習時にはよほど調子が悪くない限りはこなせるペース、距離を設定すべきと考えます。
例えば10kmの持ちタイムが40分00秒の方が、1km4分00のペースで10kmペース走をするのは当然過負荷(というか出来ない)ですし、6kmまでだとしても4'05〜4'10/kmくらいでトレーニングとしては充分です。
マラソンの3分の2以上走る30km走をレースペースで走り切る練習は、やりきった達成感を得られるし、目標との距離感を確認する事には繋がりますが、その後のリカバリーに要する期間が長くなり、トレーニングサイクルに支障をきたすリスクの方が高いと考えています。
設定タイムが出来たか出来ないか?
ではなく、
どのくらい余裕を持って行えたか。
を指標にしましょう。
■その日の走りではなく、その後の回復をモニターする
ポイント練習がうまく行ったかどうかは、実施してから数日経過してみて、体力の回復が2〜3日で完了し、前回以上の走りが出来そうな感覚が得られているかどうかで見たほうが良いです。
仮にレースペースより遅い30km走を行ったとしても、疲労はそれなりに大きいと思います。4日、5日経っても30km走をやる前より状態が悪い場合は、遅いと思った30km走も実際は負荷が高すぎたという可能性もあります。
もし、目標レースペースで30km走を行ったとしたら、1週間〜10日近くパフォーマンスが戻せる状態ではなく、他に必要な練習に割く事ができなくなる可能性が高いと考えています。
■マラソンレースペースはハーフまで
フルマラソンのレースペースで長い距離を走る練習は当然必要ですし、むしろこれがメインの練習です。
ただ、そのペースで走るのはハーフの距離前後、もしくは80分〜90分までが、負荷と回復のバランス的には適切です。
そしてこれも、設定タイムがこなせるのは当たり前、エネルギーを半分残して終える事ができて成功と考えましょう。
■余裕があったらビルドアップではなく、次回のロング走で少しだけ設定を上げる
30km走も、ハーフまでのマラソンペース走も体調が良ければ余裕がある状態でトレーニングの終盤を迎えると思いますが、その時にビルドアップして終える必要はないと思います。
そこで、無駄に体力を使うより、余力を残して終えて、次回のロング走で数秒程度設定タイムを上げて実施する計画を立てた方が、トレーニングの流れはよくなります。
上記がだいたい私がロング走を行う際に考えている事です。
出来る確信を持ちたいために、30km走を目標レースペース(もしくはそれより速く)で行いたいと考える気持ちはよくわかります。
ですが、実力確認よりは持続的成長の方が重要ですので、そちらを優先に考え、自分を信じて強くなる選択をしていきましょう。
1月15日に30km走の練習会がありますので、ぜひ、余裕を持ったトレーニングとして活用できそうな方は参加してみてください。
引き続き、ラチエンACをよろしくお願いします。