JBL S101は今から40年ぐらい昔のスピーカーで、ランサーL101の復刻版のような位置づけの商品だったと思います。ただし外見はL101とそっくりでもS101の中身はまるっきりの別物です。自分のS101は平成の始めの頃に20万か30万円だか忘れましたが秋葉原の石丸電気で新品購入したものです。その後、真空管アンプやアルテックに手を出したりするうちに使う機会が減ってきて、気が付けばスピーカーのエッジが風化して無くなっていました。

当時、修理をするつもりで見積もってもらいましたが、たしか5万以上すると聞いて、たった数年で使えなくなる物のために数万円も払えないと、怒り半分で放り出した記憶が有ります。

 

それ以来ただの置物となりましたが手放さずにずっと手元に置いていました。今回の引っ越しでも見た目だけは良いので飾りとして持ってゆくことにしましたが、どうせなら修理して再び鳴らしてみたいと思い、使い物にならなくなったエッジの互換品を探すことにしました。

 

修理用の汎用エッジを探しているうちに、偶々ノースウエスト トレーディングさんのHPでそのものズバリのエッジを見つけました。購入商品は「JBL 2214用ウレタンエッジ」で、商品代はペアで3500円ぐらいでした。

 

部品が届いてみると張替え用のエッジだけでなく、マニュアルやボンドの他に筆までついている完全なキットでありとても感心しました。

これなら自分でも修理できそうです。

 

↓今回修理完了後のS101のグリルを外した写真。

 

 

修理開始

 

↓修理前の状態 ウレタンエッジが完全に無くなっている

 

↓金ノコの刃をつぶした自家製スクレーパーで外周のガスケットを剥して行きました

このスピーカーのガスケットは、ガスケットとフレームの正面の隙間から切り込みを入れると剥がしやすかった。

 

↓ガスケットを剥がしたところ

 

↓スクレーパーで風化したエッジの残骸を剥す

 

交換用エッジを位置決めしてからフレームにボンドを塗っては筆で塗り広げて貼りました。

 

説明書ではボンドはムラなく薄く塗るようにと書いてあったが、ウレタンエッジはボンドをけっこう吸うので、結果的に二度塗りするなどしてボンドを多めに使った。

 

接着はエッジ外側、エッジ内側、ガスケット、の順に一日ほど乾燥させながら貼っていった。接着作業を終わらせてから一週間ほど乾かして最後にハンダごてを使ってビス穴を開けて修理完了。(ハンダこてでエッジを溶かさないように気を付けた)

 

視聴

 

視聴時の機材は

パソコン + オンキョーSE-U55SX + BOSE1705アンプ + JBL S101

 

第一印象は予想していたより遥かに低音が出ていたので驚いた。思わず1705についてるイコライザースイッチがBOSE 101用になっているのかと思った程。

昔聞いていた時でもこんなに低音は出ていなかった気がする。もっとも当時は6畳の和室だったが今回はフローリングで広さも3倍ほどある洋間である。

S101にしてみれば漸く活躍できる場所を得られたのかもしれない。

 

偉そうに感想を言うと、音の定位もよく雰囲気で聴かせてくれるタイプのようです。

ただし高い音はあまり出ていないと思う。

 

パソコン と SE-U55SX の接続はUSB。

SE-U55SX はノイズが出やすかったので電源部に平滑コンデンサーを追加して

BOSE 1705 は前ここで紹介したBOSE 1703 とほぼ同様に自分で整備したもの。

 

よく考えてみると、アナログ回路が安価な5532オペアンプ3個でできてるSE-U55SXと、出力段がたった一個だけのICで出来ている1705で鳴らしてるわけだけど、これが結構いい音でなってくれている。

改めて「プロの設計者は凄いな」って感心しているところです。

 

追伸、ノースウエストトレーディングさんにはただただ感謝しかありません

 

追記2025 07 11

ロックウール追加(左右均等になるように調整)