先日、信号待ちでシリンダーまわりからカチカチと金属音が鳴り出してることに気が付いた。当然、放置してはおけない音なのでシリンダー周りを分解して点検と修理を行いました。

 

 

分解した部品の状態

 

シリンダー

前後ともにシリンダー内壁の下部に当たりが出ていて少し光っていた。

ただし特に深い傷やメッキの剥がれはなかった。

 

ピストン・ピストンリング・ニードル・ピストンピン

特に傷や痛み焼けなどは見当たらず。

 

ギアオイル量点検

キャップを取るとギアオイルが増えていてあふれ出した。

 

オイルポンプ(分離給油用ポンプ)

オイルポンプを外してみると駆動軸部のオイルシールが脱落していた。

その結果、分離給油用のオイルがギア室に流れ込んで行き、代わりにシリンダー回りにオイルが行き届かなくなっていたようだ。

昨年のOH時に点検した時はきちんとはまっていたのだが。

 

写真はそのオイルポンプ。手のひらの黒いリングは脱落していたオイルシール。

このオイルシールは突然抜けるみたいなので部品が出てるうちに交換しておいた方が良いと思った。

 

最近ピストンやクランクが立て続けて焼き付いたけど、もしかしたらこの小さなオイルシールがずっと悪さをしていたのかもしれない。

 

修理作業

 

オイルポンプ修理(分離給油用ポンプ)

大阪のT2レーシングでオイルシールが買えたので購入して交換した。

(ついでにキャブレターのバルブシートと交換作業も依頼した)

 

シリンダー

手元に比較的状態のよい中古のシリンダーがあるので最初はそれに交換するつもりでいたが、音が出るようになったシリンダーを再び使えるように出来ないかと思ったので、試しに耐水ペーパーでテカリが消えるまでクロスハッチに磨いて再使用してみることにした。そのシリンダーで組み直してもまだ音が出ていたらピストンリングを交換、それでもだめならシリンダーピストンごと交換すればいい。手間はタダなので気長にやればいいだけ。

そういえば20年前ですら状態の良いシリンダーは中々入手できなかったことを思い出す。今なら恐ろしく高額になっているんじゃないかと思う。

耐水ペーパーは#320~#600を用意したがメッキが固かったので最終的に#320を使用した。

 

ピストン回り

状態は悪くなかったので細目のペーパーをピストンリングの角に軽く当ててからよく洗浄して再使用することにした。

 

交換した部品

 

〇オイルポンプ駆動軸のオイルシールを新品交換 1個

 

〇ピストンピンクリップは外した片側のみ新品交換、 2個

 

〇ヘッドGKは清掃してスリーボンドを併用して再使用 0枚

 

〇シリンダーGKはフロントはスリーボンドを併用して再使用、リアは破けたので新品交換した 1枚

 

〇リアシリンダーに直接付くウォーターホースがへたり出していたので手持ちの中古品と交換。 各1本

 

〇キャブレターのニードルバルブとバルブシートを交換してもらった 1台分

 

〇ギアオイル交換

 

今回もオイルポンプを脱着したので再始動時は混合燃料を使って始動した。始動後オイルポンプのホースからオイルが吐出してることを確認してから分離給油式に組み直して全体の組み立てを終わらせた。

 

実際に始動してみると運がいいことに「カチカチ音」が消えていた。

今のところアイドリングは安定してるし下から高回転まで回る。プラグの焼けも9番だけど前後とも良好な焼けをしている。

但しキャブレーターのフロートバルブシートとニードルを交換した影響によるものかアクセルのつきが弱く感じるので、後でフロートバルブの油面を再点検して少し高めになるようにしようかと思ってる。

クランクの状態は今でも気になっているが目視する分には全体にオイルが付着していたし、小端部のピストンピンに焼けは見られなかったので恐らく大丈夫だろうと判断しています(汗)。

今回の修理はガスケット類を再使用した実験的な修理だったので暫く注意深く様子を見て運転したいと思う。そのうちに問題が出なければガスケット類を新しいものにして組み直そうと思ってます。

 

余談だけど、昔乗っていたRZ250などではこの手のカチカチ音が出た場合は大抵ピストンが軽い焼き付きを起こしてた。シリンダー内壁のダメージが小さいときは#600ぐらいの耐水ペーパーで磨き直してからピストンとリングを新品にして修理していたことを思い出す。土曜日の夕方から組み直し始めてベストヒットUSAかオールナイトフジが始まる頃までに動くようにしてから3時間ぐらいかけて峠に「試運転」に行っていた(笑)

 

このバイクは自分のところに来てから25年近くになるが、本当に調子が良かったのは自分で組みなおした後のわずか2~3年ぐらいしかなかったと思う。今では部品も高額かつ入手も難しくなってきているのでうっかり壊すわけにはいかないが、自分が乗れる間はできる限り状態が良く動くように維持していきたいと思ってます。

修理期間 2026年5月13日~5月31日  27624Km

 

15年以上前の調子が良かった頃のテストデータ チャンバーを換えて調整してます