この一か月ほどの間、サーバー用のPCを製作していました。

先ずパソコン本体の選定ですが、安価でWindows 11にアップデートと、リモートデスクトップ可能なものとして Dell Optiplex3060に決定しました。

 

問題は3.5インチのHDDが一台しか搭載できない事。10TBクラスのHDDを1つ買って取り付ければ全く苦労なく完成できるけど、さすがに高価だし、HDD1台だけだと故障すればすべてのデータがだめになる。何より手持ちの3TBクラスのHDD数台を活用したいこともあったので、増設用HDDケースを作ってみることにしました。

 

まずはPC本体の製作。

ヤフオクでベアボーン状態の3060を送料込み3500円ぐらいで購入して手持ちのセレロンG4900と8GBメモリーを付けてSSDにOSをインストールし動作確認をした。

 

CPUはセレロンだけど特に遅いことも不具合箇所も無く良く動いてくれた。試しにシステムドライブをHDDにインストールしてみたら使い物にならないほど遅かった(笑)。CPUの強化よりストレージの高速化の方がはるかに効果的だと実感。

 

現在はCPUをCore i3 9100Fに交換して安定稼働しています。他の部品は東芝製のM.2の256GBのSSD、メモリ16GB、3.5インチの3TBHDD一台、GT710グラフィック、PCI-E x1の4ポートS-ATAカード等。S-ATAカード以外は全部中古品です。

 

このPCは、外付けでHDD3台を接続する計画で作り始めたけど、HDD3台ともなると本体PCの電源では対応しきれないので、HDDケース用の電源が必要になる。

よって本体PCとHDDケースの連結配線用の加工をする。

 

PC本体背面にはグラフィック用の開口部が予備も含めると2か所ある。そのうちの1つはオンボードVGAポートが付いているが必要ないので取り外してS-ATAコードを3本通すことにした。もう1つの穴にはDC12V出力用の電源ジャックを設置した。

 

なぜDC12V出力ジャックを付けたかというと、PC本体と外付けHDDケースの電源を連動させてオン・オフさせるリレーの電源とするためで、PC内のHDDのラインからDC12Vを取り出してDC12Vジャックに接続した。要はメインPCがS5、S4、S3の時にOFFになる配線を使用したわけです。

 

さて次はHDDケースの自作。

うちの工場は板金工場じゃないけど、シャーリングとプレス、そしてプレスに付ける自作の曲げ型があるので、それらを使用して2ミリの52Sアルミ板を加工して製作しました。

 

HDDケースの構成は、

3.5インチS-ATAのHDD三台と駆動用の電源を内臓したものに決定。

 

HDD数は4台でもいいけどHDDの温度が高くなりやすいので、HDD数を少なめにして熱的に余裕を持たせることにした。ファン付きの電源ユニットをHDDの上に設置したり、ケース前面にHDD用の冷却ファンも搭載するなどして、HDDの冷却には気を使いました。

 

HDDケース用の電源は昔のDell製パソコンの電源を分解改造して使用しました。

まずは電源をばらして不要な配線をはんだゴテですべて外して以下の配線を残した。

 

S-ATAコネクター2個のライン1本と、

S-ATAコネクター1個にFDDコネクター1個のライン1本。

そして緑のコードと黒のコード1本づつ。

 

この電源もそうだけど、パソコン用の電源は、緑のコードと黒のコードをショートさせると電源が入るようにできています。そこでこの電源では緑と黒のコードをリレーの閉鎖用接点に繋ぎ、リレー昇磁側の接点には本体PC側から取り出した12vを接続しました。

これによりHDDケースの電源とHDDはパソコンの動作に完全に連動してON-OFFするようになります。当然だけどリレーの駆動電圧は本体PCからの12vを使うので12V用リレーを使用します。

 

↓ほぼ現物合わせで作った部品がそろったところ。

 

 

パネルの加工は切断と曲げ加工以外は、ドリルで穴開けをしたりヤスリで手仕上する「スクラッチ」ビルドです。もう少し綺麗にヘアライン仕上げを施してみたかったですが、自分で使うのでこれで良しとした。アルミでも2ミリ厚となるとやすり掛けした腕がくたびれます。

 

 

↓背面です。

電源ユニットのパンチング板の所に穴を開けてリレー用12V入力のジャックを付けてリレーにつなぎました。HDDの熱がこもりやすいので電源はケース上部に配置し、極力風切り音が出ないようにしながら、かつ、風通しがいいように工夫してみた。

 

 

↓電源ユニットのフロント側

ファンコントローラーと12vリレーおよび12v用入力ジャックは電源ユニットに直接付けて、電源本体は天井板から吊り下げるように取り付けてあります。

 

↓こちらは前面パネル

ケース下側にHDDを搭載して8センチファンで冷却させています。青のLEDは5V品をリード線にはんだ付けした自作品、電源はFDDコネクターからLEDの5VとFANの12V を接続して稼働させています。

 

 

このシステム内の現在のストレージの内訳は以下の通り。

3060本体に 256GB(SSD)、3TB、

HDDケースに 3TB、3TB、2TB。 

 

HDDケースとパソコン本体は起動・終了時やスリープの移行・復帰時も全く問題なくPC本体に追随して動作しているし、HDD同士の読み書きもHDDの性能通り出ているようで、システムのログを見ても特に変なエラーは出ていないので、今後も安定稼働してくれそうです

測定時の室温は25度程度で、ファンコントロールは中間位置の時のデータですがまずまずの冷え具合のようです。

 

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おまけ

実は最初の計画だとUSB接続アダプターとDC電源で簡単に作ったのですが、運用時に色々と問題が出たのでS-ATA式に変更して作りなおしました。