ニコンFは若い頃に友人のフォトミックを数回いじらせてもらったことがあったけど、

正直なところ古臭いカメラだなっていう感じが強かった。

特に欲しいと思うことは無かったけど、昨年の暮れに偶々ヤフオクを見ているうちに欲しくなり入手することにしました。

 

買ったのはフォトミックFTn付きのニコンFで、点検してみたところ、ジャンク品の割には予想以上に状態が良く、シャッターなどの動作はすべてOK、露出計もかなり正確に動く。

よく見ると過去にばらして調整した形跡があり、動作音もよく、最近まで使っていたような感じがした。

 

但し、ファインダーの中の状態はあまり良くなくて、少し大きなゴミのようなものと、ファインダーの下側に銀落ちがあった。

 

撮影には問題ないけど、のぞく度に少し残念な気分になるので、ファインダーをばらして掃除してみることにした。

 

プリズムを取り出して清掃、カビ取りをしたがファインダー内の状態はほとんど変わらなかった。

 

ニコンFのファインダーについてネットで調べていると、プリズムが劣化しやすい傾向があるそうだけど、どうせならファインダー内が綺麗なものを手元に置きたいと思うので、光学部品の状態が良いファインダーを探すことにした。

 

新たに手に入れたファインダーは光学的には綺麗な物だったけど、残念ながら露出計の調子が悪く、針の動きが安定せず表示精度もよくない状態だった。

 

そんなわけで、光学は綺麗だけど電気的にはダメなファインダーと、光学は汚いけど電気的には良好のファインダーが手元に並ぶことになった。

となると、自然と考えはニコイチに・・・(笑)

 

ニコイチ作戦・作業開始

 

ファインダープリズムの頂部を鉢巻のように巻いてるリング状の抵抗体の色が違っているところが面白い。F2もそうだけど、このリング状の抵抗の接触部をよく清掃すると針の振れが改善することがあります。(過去に指針の振れが酷いF2のフォトミックAのリング状の抵抗の接触部を清掃したら驚くほど針が安定したことがある)

 

組み直しが終わったところ。こうしてようやく満足できる状態になりました。

 

ところが後日、ダメ部品を組んだ方のファインダーを点検していたら、

ナント、露出計が正常に動くようになっている・・・(笑)

 

どういうわけだか知らないが、ファインダーの露出計が両方とも正常に動くようになったので、ニコイチ以前の状態に戻すことにした。使えるものは元のままがいいと思う主義なので、再びバラして部品を入れ替えました。二度手間になったけど、壊れた露出計が直ったのだから満足してます(笑)。

 

フィルムを入れれば実際に使えそうな気がしてきたので、

シャッター速度のテストもしてみることにした。

測定器はネットの記事を参考にさせてもらって作ってみた。

実際に測定してみるとシャッターもわりと正確に動いていたことが分かりました。

 

シャッター速度の測定器の部品は全て秋月電子で2500円ほどでそろえられました。

世の中には自分で測定器を作ることが出来る凄い人もいるものです。

おかげで測定できました。どうもありがとうございました。

 

あとはモルトを貼りなおせば実働品になりそうです。

クイックリターンミラーの当たり面は最初に張り替えてあるので、ファインダー接続部と裏蓋の隙間のモルトを貼り直して終了。

 

あと電池について。

ニコンFの電池は水銀電池のMR9型だけど既に入手不能。自分はMR9型のアルカリ電池を秋月電子で買ったのを使っていたが、こちらは電圧が1.5Vと少し高めなので、1.4Vの空気電池をアダプターを介して使うことにした。

アダプターは旋盤で真鍮を削った自作したものだが、1500円も払えばamazonでも似たようなものが買えるようだ。

これで電圧が当時の水銀電池のMR9とほぼ同じになった。

 

歳を取ってから改めてニコンFを手に取ってみると若いころとは別の感じがした。

シャッター音もF2よりマイルドでいい感じだし、

武骨で古臭いところも逆に魅力的に感じてる。

今は古くからの付き合いのニコンF2と一緒に棚に並んでます。

もう少し暖かくなったら実際にフィルムを入れて撮影してみたいと思ってます