行列のできる法律相談所:5年前に作成した離婚届は有効? (20170129) | モンタナの本日も絶不調!??!

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今回の相談者結婚歴25年の男性A(55歳)。帰宅するやいなやいきなり妻Bから離婚するように言われてしまう。男性Aは「突然、何を言い出すんだ?」と反論するも妻Bは「5年前に離婚することを約束した筈だ。」と言う。
 
実は5年前、確かに妻Bから「離婚してほしい。」と言われたが、その際、男性Aは妻Bに「俺だって今直ぐ離婚したいけれども、娘Cがまだ高校生なんだから、娘のことを考えると現時点では離婚するわけにはいかない。」と反対する。そこで妻Bは「娘Cが無事に大学を卒業したら離婚してほしい。」と告げると男性Aはこれに合意した。離婚届にも判を押して離婚協議書(離婚合意書)も作成し、離婚後の財産分与についても決めていた。
 
そして、それから5年の月日が過ぎ、娘Cは無事に大学を卒業した。それを理由に妻Bは「私はこの5年間、この日をずっと待っていたのだから絶対に離婚する。」と言うも男性Aは「今は上手くいっているのだから離婚するつもりはない。」と反論。
 
果たして、5年前に作成した離婚届は有効か?それとも無効か?
 
 
 
北村弁護士の見解:無効
 
「これは無効です。離婚届については判例上、提出するときに双方に離婚する意思がなければいけない、ということになります。提出する時に片方が嫌だと言ったら無効になります。たとえ昨日作ったものであっても、今日出したくないと言ったら無効です。これを提出してはいけません。」
 
菊地弁護士の見解:無効
 
「奥さんは離婚したい、どうしたらいいのか?裁判所で判決をなんとかもらえるように奥さんとしては頑張るしかないわけですね。この夫婦は破綻している、という認定が勝ち取れれば、裁判で離婚と認定される可能性はあります。(認定されるまでに)2年とかかかる可能性があります。」
 
本村弁護士の見解:無効
 
「5年後に離婚しようとする約束、つまり将来の離婚の予約、これ自体が無効ということなんですね。勝手に相手が役所の窓口に出してしまったら、一応離婚は成立します。相手が離婚届を勝手に出してしまう恐れがある場合には、それを防止するために「離婚届不受理申出書」というのを出しておけばいいんです。」
 
これについては3人の弁護士の見解は当然合理的であると言える。と言うか、5年後に離婚を約束すると言うこと自体が非常に理解に苦しむ。確かに5年前は二人とも離婚に合意していたが、今は男性Aの考え方が変わって離婚する気は失せている以上、離婚届は無効になるのは言うまでもない。離婚したいのなら、5年前にとっとと離婚すれば良かっただけのこと。寧ろ、娘Cもあそこまで離婚協議で揉めていれば、恐らく娘Cも離婚協議に理解を示してくれたのではなかったのではないかと推測出来る。裁判所に申し出ても5年前は破綻していたとしても現時点で破綻の事実がないため、妻Bの要求はあっさりと撥ね返されるがオチだろう。勿論、離婚協議書も離婚同意書も全く以て無効。これが口約束であれば、尚更無効である。