相談者は結婚5年目の男性A(38歳)。
同僚と食事中に妻Bと遭遇。見知らぬ男性Cと一緒におり、キスまでしていた。
その翌日、男性Aは妻Bの不倫を疑い、妻Bの携帯を確認。その男性Cからは「昨日はありがとう。もうすぐ出会って半年だね。初めてキスしちゃったね。」と。妻Bは男性Cに「最近毎週会ってるね。離婚する気はないけれども、万が一旦那に不幸があったら、再婚するなら必ずあなたよ。」妻Bの不倫を確認した男性Aは妻Bを問い詰めると妻Bからは「あれはセカンドパートナー※だ。」との返答が来る。
しかし、男性Aは納得出来ず、「これは不倫なのだから離婚してもらう。」と告げるも妻Bも納得せず「一銭を超えていない錠は離婚には応じない。」と反論。
果たして離婚は認められるのか?
※…セカンドパートナーとは「結婚相手の次に大切な相手」のことで、一線は越えない、友達以上不倫未満の関係。雑誌でも特集が組まれ、離婚をする気はないが恋愛はしたい既婚者に多いという。
北村弁護士の見解:離婚出来ない
「これは離婚できません。もちろんポイントは不貞行為にあたるかどうか。不貞行為と言うのは、配偶者以外の人と男女の関係になる事。離婚原因でどういう風に決めているかというと、
これ以上は普通の人はみんなガマン出来ないでしょうという決定打がどこかという線引きの問題なんですよね。一回だけ、初めてキスしちゃったよね。という程度ですよね、これは決定打ではございません。」
菊地弁護士の見解:離婚出来ない
「法律家でも意見が分かれるんだと思います。法律でこれは離婚理由ですよっていう不貞行為っていうのは、要するに肉体関係を結んだかどうかで、まだ体が一線を越えていない所で一歩ちょっと踏みとどまってもう一回、ってチャンスを、このケースはこのご相談者の方には与えるべきだと思います。」
北村・菊地弁護士の見解は苦しい感が。半年近くも付き合いが続いており、ここ最近は毎週会っているとなればほぼ不倫と見て問題ないのではないか。恐らく、この妻Bは今後も男性Cとの関係を続けるつもりであり、最早離婚も秒読みの段階に入っているものと思われる。
本村弁護士の見解:離婚出来る
「やっぱりチューしたら、まあ普通のセカンドパートナーという言葉ではもう言えないんじゃないですかね?離婚の原因として不貞行為に当たるかどうかっていう意味では、これは不貞行為ではありません。不貞行為というのはある程度続いた男女の関係を言いますから、チューは含まれないんです。この時点では確かに「婚姻を継続しがたい重大な事由」には当たりません。ただ彼女は、いやこれからも関係を続けます!と堂々と宣言しましたからね。つまりこれから毎週毎週あの男性と会って、毎回毎回チューしますよ、と宣言してるわけですよ。これではねさすがに婚姻は継続しがたいと思います。」
本村弁護士の見解は決め付けている要素は多いものの見解の内容自体は極めて合理的。半年程度の期間の付き合いもあり、キスまでしてそれを夫である男性Aに知られてしまった事実は大きいと言わざるを得ない。幾ら「セカンドパートナー」という言葉で取り繕おうとしても無理がある。