そんなある日。男性Bから「自分達は最高に相性が合うから結婚しよう。」と言う告白メールが届き、即座に女性Aは合意する。
しかし、その1週間後に男性Bから「好きな人が出来たから別れてほしい。」と言われてしまう。これに激怒した女性Aは「結婚の約束をしたばかりではないか。」と言うも、「プロポーズとは言ってもメールでだから無効だ。」と反論する。納得いかない女性Aは「婚約破棄だ。」と告げる。
果たして、果たしてメールでしたプロポーズは、 婚約として有効か?それとも無効か?
北村弁護士の見解:無効
「この場合は無効です。本件はメールで、しかも「俺ら相性合うじゃん。結婚しちゃおうよ」という、これ以上ない軽い言い方ですよね。真剣さが評価される部分が一つもない。」
大渕弁護士の見解:無効
「メールっていうのは相手の顔も見えないですし、気軽にできてしまうっていう特徴があると思うんですね。で、正式な、法的な意味での契約の申し込みとみなすのは難しいと思います。」
北村・大渕弁護士の見解は決して理解出来ないわけではない。男性Bのメールによるプロポーズの文面も極めて軽い言い方で真剣さはあまり強くない印象もあるし、顔が見えない状態で気軽にで気軽に出来てしまうと言う一面があることは理解出来る。その一方、逆にメールだからこそ文面に残る形でのプロポーズになり得るのでいざ裁判となると、男性Bは不利になる要素が多いと言わざるを得ない。他にも交際期間が1年間であったと言う事情も考慮すると、プロポーズは真意であることは言うまでもないので男性Bが不利である要素となるだろう。
菊地弁護士の見解:有効
「要は、本気度の問題なんです。今の若い方は、メールで大事なことをいろいろ発信します。ですから、昭和の時代で考えられていたようなこととは、今の世代はだいぶ違うと思います。」
本村弁護士の見解:有効
「もう完全に有効ですね。今回のメールでいえばね、「結婚しちゃおうよ」という文言ですよ。これは明らかに、結婚の申し込みと認めるに十分な文言ですから。明確なプロポーズがあったとみて間違いないです。」
菊地・本村弁護士の見解は合理的。やはりメールであれ、「結婚しよう」と言ったことや男性Bが「別れてくれ。」と言った時にプロポーズであることを認めているた事実を考慮すると婚約になるとみてまず間違いないだろう。ただ、どの程度男性Bが結婚に対して真剣だったかと言うことだが、非常に軽い言い方なので親権さはあまり強くないのではないかと推測される。やはり「結婚」と言う文言は安易に使うべきではない言葉であることを痛感させられる。