行列のできる法律相談所:アイドルの「恋愛禁止」は無効?(20151213) | モンタナの本日も絶不調!??!

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今回の相談者はアイドルである女性A(20歳)。女性Aは知る人ぞ知る地下アイドルで熱心なファンも多く、グッズの売り上げも順調だった。
 
しかし、女性Aは所属事務所に内緒で男性Bと交際をしていたが、その交際を偶然見てしまったファンがその現場を目撃し、隠し撮りされていた。そして、彼氏と手を繋いでいる写真、彼氏と抱き合う写真がSNSで拡散されたことで交際が所属事務所にバレてしまう。因みに女性Aの所属事務所は恋愛を禁止している。
 
このスキャンダルで女性Aの人気は瞬く間に急落し、予定していたイベントのチケットは全く売れ無かったため、中止となってしまい、用意していたグッズも不良在庫となってしまった。
 
激怒した所属事務所の社長Cは女性Aを呼び出し、「これはどういうことか説明しろ。また、今回のイベントの損害額として600万円を支払え。」と告げられる。
 
しかし、女性Aは「恋愛を禁止する契約自体が違法だ。」と反論する。
 
果たして、恋愛禁止のルールを破った女性Aは600万円をの損害賠償支払わないといけないのか?
 
 
 
北村弁護士の見解:払う
 
「これは、「減額して払う」というのが私の答えなんですが、20歳の少女にとって恋愛をするということは悩んだり好きになったり、人間の成長に欠かせない事なんですね。だからこれ(恋愛)を全面的に禁止するという条項自体は公序良俗に違反して無効だと考えます。ただし、ファンの方に分からないようになるべく配慮する義務は最低限ありますよという条項、その範囲だったら有効と考えることはできます。この場合外で手をつないだり抱き合っているわけなんですよ。そこは配慮できるでしょ、っていう話なんです。ただし事務所側も監督義務を十分尽くしていなかったと思われるので、その分を過失相殺して半分位(300万円)を支払うべきと考えます。」

-本村弁護士の見解に対して-
 
「意味が分からない。恋愛禁止は許されるという結論なんですよね。「禁止していい」と言いながら損害賠償はできない、その論理が全く分からないです。」
 
菊地弁護士の見解:払う
 
「私も「減額して払う」ということです。恋愛禁止、これは行き過ぎですね。ただアイドルですからね、失敗したわけですよ要は。マスクもしないメガネもかけない、素顔をさらして公道で手をつないだり抱き合ってしまった、これは完全に落ち度があるということになります。ただせいぜい100万円程度請求すればいいんじゃないかと思います。」
 
北村・菊地弁護士の見解はある程度は理解出来るが、「恋愛を禁止する契約自体が行き過ぎであり、無効になる」と言う部分は理解に苦しむ。アイドルは夢を与える仕事である以上はそれなりの意識が求められる。所属事務所から恋愛を禁止され、違反した場合は契約解除並びに発生した損害賠償を請求すると言う契約書にきちんと目を通してサインまでしたと言うことは当然、女性はその契約を順守することを如何なる理由があろうと義務付けられる。にも拘らず、公道で姿を隠すことなく堂々と手を繋いだり、抱き合ったりするなど最早完全に以ての外であるとしか言いようにない。それを踏まえた上で判定こそ同じではあるものの「契約解除は固より損害賠償も600万円全額払わなければならない」と言うのが自身の見解である。恋愛を禁止されることが不服であるなら、恋愛を許している所属事務所を選べばよいだけのことである。20歳になったということは成人したということであり、それなりの自覚は必要であると言える。
 
大渕弁護士の見解:払わなくてもよい
 
「今回のケースは、アイドルがすでに成人に達しています。しかも発覚した写真も「手を繋ぐ」「ハグ」といった軽いものですよね。そういったものに関してまで禁止されるのは行き過ぎなので、払わなくてよいと考えます。」
 
本村弁護士の見解:払わなくてもよい
 
「恋愛禁止というルールを作ることは許されます。アイドルは人気商売ですから、ファンの夢を壊さないように恋愛禁止をすることは当然のルールです。ただ、アイドルの恋愛が発覚して人気が下がる売上が落ちる、こういうリスクはアイドルの活動によって利益を得ている事務所が負うべきリスクなんですよ。そのリスクを丸ごとアイドル本人に追わせる契約は無効です。」
 
大渕・本村弁護士の見解は全く以て意味不明である。但し、本村弁護士の「恋愛を禁止するルールは有効である」と言う見解は納得出来る。大渕弁護士はアイドルが既に成人に達していると指摘しているが、成人に達しているからこそ自身の行動は慎みを持たなければならないわけである。交際とは言っても手をつなぐとかハグをすると言った軽いものだと言っているが、少なくともハグが軽いものだとは到底思えない。また、本村弁護士の見解は北村弁護士の指摘通りで完全に論理が破綻しきっている。恋愛を禁止することは問題ないとしながら、それに伴うリスクは全て事務所が負わなければならないと言うのは理解に苦しむ。如何考えても所属事務所に落ち度など全く考えられず、成人したアイドルが自分の意思で所属事務所との契約に違反する振る舞いをしたのだから、それに伴うリスクや責任は当然本人が負うべきである。