数日前、バーで飲んでいたところをとある男性Aが「自分は平野氏のファンである。隣に座っても良いか。」といわれ、平野氏はそれに応じる。
酒が進み、平野氏は男性Aから自身の月収や交友関係について聞かれ、平野氏は率直に答える。
しかし、後日、そのことを週刊誌に書かれてしまったのだ。平野氏は男性Aを疑うが、実はその男性Aは週刊誌の会社に平野氏の情報を聞き出すために雇われていた仕掛け人だったのだ。
果たして仕掛け人を雇い、情報を聞き出す取材のやり方は違法となるか?
北村弁護士の見解:違法ではない
「表現の自由というのは、最大限尊重されなければいけないと。で、表現の自由と言っても、取材の自由がないと表現の自由を全うできませんから。本件は、ファンでもなんでもないのに、ファンだよと言って近づいてきたというだけのことですから、これは嘘ではあるけれども、違法ではないということになります。」
本村弁護士の見解:違法ではない
「週刊誌の記事というのは、タレントさん本人が、日常生活の中で周辺の人に喋ったこと、これ全部が、記事にされる可能性があります。で、週刊誌側はそういう情報を提供してくれた人に、お礼としてお金を渡すということもあります。いわゆる情報料ですね。これは全然問題ないわけですね。この程度では、到底違法な手段とは言えないと。」
北村・本村弁護士の見解は少々事態を軽く見過ぎている感が否めない。いくら芸能人とは言えども、知られたくない情報もある筈。ただ、その反面、ファンだからと言って、軽々しく自分の情報を何の疑いもなくべらべらと話す平野氏も平野氏である。知られたくないことは安易に話さないのが一番である。
菊地弁護士の見解:違法
「端的に言ってしまえば、スパイ行為なんですよね。週刊誌の記者の方が、直接「週刊誌です。あなたは年収は?過去に付き合った男性は?」と聞いたら、これは喋らないでしょう、おそらく。だからそれを隠して、違う人をお金で雇って情報を聞き出すと。これは認めるわけにはいかないですね。」
菊地弁護士の見解は合理的。これは言うなればスパイ行為。週刊誌の会社に雇われている身だと分かっていたら絶対に自分のことは話さなかった筈。そういう意味においても、それを隠して違う人を雇ってその人を介して情報を仕入れることは決して良いこととは言えない。だが、上述の通り、見ず知らずの人間に自分のことを何の疑いもなくべらべらと話す平野氏も平野氏である。もう少し警戒心を持っていただきたいものである。